へいわ法務司法書士事務所

※初回相談無料です。お気軽にご連絡ください。匿名での問い合わせは対応いたしかねますので、予めご了承ください。

大変な遺産調査の負担を楽にする方法とは?

すっかり暑くなってきましたね!
ついこの間まではコートを着ていたというのに、一気にクールビズをするほどの気温になって、季節の変化のスピードに驚いています。
短期間での気温の変化もそうですが、朝晩の気温差、室内と室外の気温差も激しいので、
どうか体調を崩さないように気を付けてください。

さて、今日は「遺産調査」についてのお話です。

弊所へのご相談・ご依頼として多いものとして、「遺産整理業務」があります。
ご親族が亡くなると、誰もが相続手続をしないといけないんですが、
弊所の「遺産整理業務」では、以下のような相続手続のお手伝いをさせていただいております。

①遺言書があるのか調査を行う
②戸籍謄本等を全国の役所に請求して相続人を確定する
③相続財産に何があるのか調査をする
④どういった相続手続(3ケ月以内の相続放棄も含めて)が必要なのかを、分かりやすい資料を作成の上、相続人全員に説明する
⑤相続財産を誰が取得するのか決める際に、相続人からの求めに応じて法律上の説明・解説を行う
⑥相続人の話し合いの結果に基づく「遺産分割協議書」を作成する
⑦「遺産分割協議書」に基づいて、各種相続財産の相続手続を行う
⑧(必要に応じて)税理士をご紹介し、相続税の申告を行う

もちろん、これらをご自身で行うことも可能ですが、
ご覧のとおりするべきことが非常に多く、人生に何回もあることではないので、
実際に相続人の方のみで行うとなると、相当ご負担がかかる作業になることは間違いないです。

その中でも、今日は「③相続財産に何があるのか調査をする」について、
掘り下げてお話をさせていただきます。

突然ですが、
「皆さんは、ご自身の父母などのご親族が持っている財産をすべて把握していますか?」

いかがでしょう?
「すべて分かるわけないよ。」という声が返ってきそうですね。

しかしながら、
「相続手続を漏れなく行うため」
「3ケ月以内に相続放棄をすべきかどうかを適切に判断するため」
には、やはりすべての財産を把握することは重要です。

ですが、
財産を持っていたご本人が亡くなってしまっている以上、
ご本人に聞くことができませんし、
「ある機関に照会を行えば、その人のすべての財産を開示してもらえる。」といった制度は存在していませんので、
自宅にある書類や、郵送物、その他ご親族の心当たりなどを手掛かりに、
一つずつ金融機関や役所等に対する調査を行うことになります。

調査には費用と時間がかかりますので、
日本全国の金融機関や役所等全部への調査を行うことは事実上できません。

そうすると、
「相続財産に何があるのか調査をする」ことが
遺されたご親族にとっていかに負担のかかる大変な作業であるかがお分かりいただけるかと思います。

もちろん、相続手続のプロであれば、
わずかな手掛かりも見逃すことなく調査を行い、でき得る限り財産の把握を行うことは可能です。

しかしながら、「ご本人の生前に聞いておく。」に勝る方法はありません。

今回のお話の結論になりますが、
大変な遺産調査の負担を楽にする方法とは?
「ご本人の生前に財産のリストを作っておくこと」です!

このリストを作っておくことで、
上記のご親族の負担を軽減することはもちろん、
他にも「相続税の節税」のアドバイスを受けるのに役立ったり、
「遺言書の作成」に役立ったり、
5人に1人が発症するといわれる認知症を発症した場合でも、成年後見人によってスムーズに財産を守ってもらえるなど、
様々のメリットを受けることが可能になります。

ご自身でリストを作成する場合には、
現金・預貯金・株式・投資信託・国債・社債・金地金・ゴルフ会員権・土地・建物・借地権・自動車・骨董品・保険金・そして借金など…
様々な財産をリストに書き出しておきましょう。

たとえば、
預貯金であれば「金融機関・支店名」、「口座の種類(普通預金・定期預金など)・口座番号」、「現在残高」
株式・投資信託等の有価証券であれば、「金融機関・支店名」、「証券口座番号」、「現在評価額」
不動産であれば「所在・地番・家屋番号」、「評価額(※)」
などを記載しておきます。

そして、これらの情報が分かる資料(通帳のコピー、有価証券に関する残高明細書、不動産全部事項証明書など)
とあわせて保管しておくことが望ましいです。

※相続不動産の評価方法については、法律で定められた評価方法がありますが、
 簡易の財産リストを作成する段階では、「固定資産評価額」を記載しておくだけでも良いかと思います。

ちなみに、弊所へご依頼いただいた場合は、上記財産リストの作成のお手伝いはもちろん、
相続税対策とあわせて、争続を防ぐ生前対策のご提案も可能です。

大切に守ってきたご家族が、相続手続の負担で疲れ果ててしまったり、
相続手続がきっかけで親族間の争いに巻き込まれてしまうことのないよう、
元気なうちに、きちんと準備しておきたいところです。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

ゴミ屋敷と認知症

先日、とくダネ!で福島県いわき市のゴミ屋敷にまつわる報道がされていました。
このゴミ屋敷では、自宅からあふれ出したゴミが自宅敷地外の道路部分にも積みあがっており、
悪臭を放っていたり、過去2度にわたり火災も起こしている様子。
住人は80歳ほどの高齢男性で、「ゴミではなく、大切なもの」と主張をしているそう。
自宅への延焼被害、衛生上の不安、所有不動産の価値低下など、不安は絶えず、
行政による対応を切望している近隣の住人の状況が映し出されていました。

この手のニュースが最近増えてきたように思います。
こういったニュースを見ると、
「近隣住民が本当にかわいそう…。」、「行政が早く対応すべきだ。」といった意見を良く見聞きしますが、
自身の近所でこういった被害を受ける可能性も高まっているのはもちろん、
「自身」が加害者になってしまう可能性も高まっているように感じます。

「いやいや、私に限ってそんなことはない!」と言われるかと思いますが、
それもそのとおり、今の体力と気力、判断能力がある状態であればそうだと思います。

この手のニュースの加害者になった方々の全員がそうだとは言えませんが、
そのうちの一部分の方々には、
加齢であったり、配偶者や支援をしてくれていた親族を失ったり等、
様々な理由で体力や気力を失っていたり、さらには認知症の発症が疑われるような方がいるように感じます。

人生100年時代と言われるほど、長生きができる時代になりましたが、
人生の最期までお元気な方はごくわずかです。

今の元気なうちでは考えられないことですが、
年齢も80歳を過ぎたとなれば、人それぞれ程度の差はあれども、
少しずつ日常生活に支障が出てきて、誰かの支援が必要になることが普通です。

独居世帯の増加、少子高齢化、家族関係の希薄化などの理由で
「自身が本当に支援が必要な時、支援をしてくれる親族がいない。」
「できることなら、なるべく親族に負担はかけたくない。」
といった方も増えてきているように思います。

遠くない未来に備えて、
必要な支援を受けることができるよう、自身で先手を打って対応しておきたいものですね。

ちなみにこういった場合、具体的には、
「任意後見」による対応方法があります。

「任意後見」というのは、
自身が元気なうちに、どのような生活をし、どのような人生を送りたいかなどの想いをしっかり理解した
支援者(任意後見人)を選び、事前に公正証書で契約しておくことで、
いざ判断能力が衰えた場合には、その人に適切な支援をしてもらう方法です。

そして、この任意後見を行う際には、
その他様々なご要望に応じて、
「見守り契約」、「財産管理委任契約」や「死後事務委任契約」も同時に契約することにより、
高齢になった際に起こりがちな不便やトラブルを解消することが可能になります。

歳を重ねて、体が衰えても、判断能力が落ちてきたとしても、
自分らしく、他人に迷惑をかけることなく、穏やかに暮らしていきたいものです。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
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大腸内視鏡検査

いつも弊所のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
GW明け1回目の記事になりますが、皆さんはリフレッシュできましたでしょうか?

私は連休の半分ほど仕事から完全に離れて、
家族との時間を過ごしたり、勉強したかったことにチャレンジしてみたりと、
リフレッシュ&充電ができた気がします。

10日間休んで、まだ仕事スイッチが入り切らないという方もいるかもしれません(笑)
その方のため…ということでもありませんが、
今回はお仕事には関係のない話題です。

実は先日、大腸内視鏡検査を受けてきました。
この検査、一般的には40代に入った頃に大腸がんの早期発見のために受診される人が多いようです。
ただ、私が1週間ほどお腹を下すことがあり、病院にかかると原因も分からないとのこと。
お医者さんの勧めもあり、せっかくの機会なので、軽い気持ちで検査を受けることにしたんです。

この検査を受けたことがある人には、もうお分かりかもしれません…

そう、この検査そんな軽い気持ちで受けるものではなかったんです(笑)

検査の申し込みをすると、看護師さんから検査の説明をしてくれました。
検査の前日は18時以降は絶食。
また、最後の食事は消化の良いもの限定で、繊維質の多い食べ物はNG。
寝る前に下剤を飲んで、翌朝5時からさらに下剤を飲むようにとのこと。

前日は仕事だったので、仕事の合間に月見うどんをいただきました。
ただ、トッピングのワカメやおぼろ昆布は食べれません…ひもじいです。

そして、自宅に帰ってからは下剤(マグコロール)を飲みました。
気になるマグコロールのお味ですが…はい、美味しくはありません(笑)
スポーツドリンクを5倍濃くしたような、しょっぱい味です。
粉末タイプの薬剤で、紙コップに粉末を入れ200mlの水に溶かして飲みます。
下は溶かした状態のマグコロールです。

ちなみに私はシャワーを浴びてから下剤を飲みましたが、これは正解だったと思います。
飲んでまもなく、お腹がゴロゴロ鳴り出し、気持ち悪い感じになってきました。

翌朝も早いので、とりあえず早く寝ましたが、
起床は気持ち悪さで目覚め、トイレに駆け込みました。

続いて、お医者さんの指示どおり2つ目の下剤(ニフレック)を飲みます。
ニフレックは下の写真のような薬剤で、これも水に溶かして飲むんですが、
こちらは水2リットルです。
水2リットル飲むのも大変ですが、これは下剤です。
そして、予想のとおり、お味は…非常に厳しいです(笑)
これも少し濃いめのスポーツドリンクのような味なんですが、
なんと言えば良いのか…正直かなり不味いです。

2時間かけて飲んでくださいとのことでしたが、
2時間かけてギリギリ飲めるくらいでした。

そして、飲むとまもなく催します。
飲む⇒トイレ⇒飲む⇒トイレ⇒飲む…を10回ほど繰り返します。
私の場合、寒気と吐き気もあり、真冬並みの暖房をかけながら飲みました。

そして、検査の時がやってきました!
看護師さんにトイレで出たものをチェックしてもらう必要があり、
完全に水になっていることを確認できたので、いよいよベッドに横になりました。
服装は病院で着替えを用意してくれました。
Tシャツに短パンですが、短パンのお尻には穴が開いています。
看護師さんに、「穴が開いている方が後ろです。」と言われましたが、
心の中で「そりゃそうでしょ!」と、顔面真っ青ながらツッコんでしまいました(笑)

以前受診した胃カメラでも非常に苦しんだ経験があるので、
「今回の検査は麻酔をかけてください。」とお願いしたこともあり、
麻酔が効いてぼんやりとしている間に、カメラが大腸の端まで撮影してくれて、検査は終了しました。

意識がはっきりしてから、お医者さんの診断を聞かせていただきました。

「とてもキレイな大腸ですね!全く問題ありません。お疲れさまでした。」

…アレだけ苦しい思いをしたのに、とてもあっさりしたものです。
でも、良かったです!

しかしながら、そうすると1週間続いたアレはなんだったんだろう…。
周囲にストレスでは?と言われ、
知り合いの社長さんには「事務所にラジオを置いて音楽をかけてみたら?」と言われ、
試しに事務所にラジオを置いてみました。

すると不思議!
ピタリと症状がなくなりました(笑)

昔から、賑やかな環境で過ごしてきたからなのか、
静かな環境でお仕事をすることがストレスになっていたようです。

結果的に問題は解決したんですが、
大腸内視鏡検査は、二度と受けまい!と心に誓った瞬間でした。

もしも、私の気持ちに共感してくださる方がいらっしゃったら、とても嬉しいです(笑)
今回は色んな意味でユルめ?のお話で失礼いたしました。

最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について

ついに「令和元年」になりましたね!
少し油断すると、書類に「平成31年」と書いてしまいそうになりますが…
早くこの響きに慣れていきたいと思います!

余談ですが、弊所の名前は「へいわ」で、新元号にかけているように思われますが、
新元号発表前の命名でしたので、これはまったくの偶然です(笑)

さて、今回は少しだけ専門的な話題を書いてみようかと思います。
普段司法書士がこんなことを考えながら仕事をしているのか
という一面を知っていただけましたら幸いです。

我々司法書士は、普段、相続・贈与・売買・抵当権設定など様々な登記業務を行う上で、
法律、法務省令等の法令を詳しく知っていなければいけないのはもちろんですが、
実際に発生する事案に法令を当てはめて処理する際に、解釈上の問題が発生することが良くあります。

その際に、さらに知っていなければならないのが「先例」というものです。
裁判所が出す具体的な事件においての判断を「判例」といいますが、
これの登記手続版と考えていただくと分かりやすいかと思います。

実際の登記実務は法令とあわせて、この「先例」に基づいて運用処理をされていますので、
登記手続のプロである司法書士は、この「先例」にも詳しくなければいけないということになります。

今回は、その「先例」から1つ。
金融機関は融資をする際の担保として、抵当権や根抵当権を設定するんですが、
その際の「取扱店の表示」は登記できるのか否かというお話です。
司法書士からすると「基本のキ」といった内容ですが、
知識の整理も兼ねて書かせていただきます。

そもそもですが、取扱店の表示は抵当権、根抵当権の登記事項とはされていません。
(不動産登記法第59条、第83条、第88条)

しかしながら、先例(昭和36.5.17民甲1134)において、
抵当権、根抵当権設定の登記申請の場合、取扱店の表示があれば、
これを登記して差し支えないとしています。(不動産登記記録例377)

もし、取扱店の表示の登記がないと、
金融機関が抵当権、根抵当権設定の登記をした物件について、差押、競売等があった場合、
差押、競売等の通知書はすべて本店に送達されてしまうことになりますが、
全国に支店展開する金融機関にとって、
全国各地の支店でなされた登記をすべて把握することが困難であることや、
本店に送達されてしまった通知書を、実際の取扱支店を探し出して渡すために相当時間を要し、
最悪の場合、債権届出期日に間に合わない等、不測の損害を受けることも想定されることから、
この先例が出されました。

取扱店の表示のない抵当権、根抵当権設定の登記に対して、取扱店を追加する変更登記もできますし、
その変更更正は、登記名義人の氏名等の変更更正に準じます。
(昭和36.9.14民甲2277、昭和36.11.30民甲2983、他)

ただし、抵当権者が国の場合を除いて、
先例がなければ、金融機関でないものについて取扱店の表示は認められません。
さらに金融機関の中でも、取扱店の表示の登記ができるのは、
銀行、●●公庫、●●機構など規模の大きな金融機関に限定されており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会など、展開する地域が限定される金融機関については、
取扱店の表示が認められていません。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

大変な遺産調査の負担を楽にする方法とは?

すっかり暑くなってきましたね!
ついこの間まではコートを着ていたというのに、一気にクールビズをするほどの気温になって、季節の変化のスピードに驚いています。
短期間での気温の変化もそうですが、朝晩の気温差、室内と室外の気温差も激しいので、
どうか体調を崩さないように気を付けてください。

さて、今日は「遺産調査」についてのお話です。

弊所へのご相談・ご依頼として多いものとして、「遺産整理業務」があります。
ご親族が亡くなると、誰もが相続手続をしないといけないんですが、
弊所の「遺産整理業務」では、以下のような相続手続のお手伝いをさせていただいております。

①遺言書があるのか調査を行う
②戸籍謄本等を全国の役所に請求して相続人を確定する
③相続財産に何があるのか調査をする
④どういった相続手続(3ケ月以内の相続放棄も含めて)が必要なのかを、分かりやすい資料を作成の上、相続人全員に説明する
⑤相続財産を誰が取得するのか決める際に、相続人からの求めに応じて法律上の説明・解説を行う
⑥相続人の話し合いの結果に基づく「遺産分割協議書」を作成する
⑦「遺産分割協議書」に基づいて、各種相続財産の相続手続を行う
⑧(必要に応じて)税理士をご紹介し、相続税の申告を行う

もちろん、これらをご自身で行うことも可能ですが、
ご覧のとおりするべきことが非常に多く、人生に何回もあることではないので、
実際に相続人の方のみで行うとなると、相当ご負担がかかる作業になることは間違いないです。

その中でも、今日は「③相続財産に何があるのか調査をする」について、
掘り下げてお話をさせていただきます。

突然ですが、
「皆さんは、ご自身の父母などのご親族が持っている財産をすべて把握していますか?」

いかがでしょう?
「すべて分かるわけないよ。」という声が返ってきそうですね。

しかしながら、
「相続手続を漏れなく行うため」
「3ケ月以内に相続放棄をすべきかどうかを適切に判断するため」
には、やはりすべての財産を把握することは重要です。

ですが、
財産を持っていたご本人が亡くなってしまっている以上、
ご本人に聞くことができませんし、
「ある機関に照会を行えば、その人のすべての財産を開示してもらえる。」といった制度は存在していませんので、
自宅にある書類や、郵送物、その他ご親族の心当たりなどを手掛かりに、
一つずつ金融機関や役所等に対する調査を行うことになります。

調査には費用と時間がかかりますので、
日本全国の金融機関や役所等全部への調査を行うことは事実上できません。

そうすると、
「相続財産に何があるのか調査をする」ことが
遺されたご親族にとっていかに負担のかかる大変な作業であるかがお分かりいただけるかと思います。

もちろん、相続手続のプロであれば、
わずかな手掛かりも見逃すことなく調査を行い、でき得る限り財産の把握を行うことは可能です。

しかしながら、「ご本人の生前に聞いておく。」に勝る方法はありません。

今回のお話の結論になりますが、
大変な遺産調査の負担を楽にする方法とは?
「ご本人の生前に財産のリストを作っておくこと」です!

このリストを作っておくことで、
上記のご親族の負担を軽減することはもちろん、
他にも「相続税の節税」のアドバイスを受けるのに役立ったり、
「遺言書の作成」に役立ったり、
5人に1人が発症するといわれる認知症を発症した場合でも、成年後見人によってスムーズに財産を守ってもらえるなど、
様々のメリットを受けることが可能になります。

ご自身でリストを作成する場合には、
現金・預貯金・株式・投資信託・国債・社債・金地金・ゴルフ会員権・土地・建物・借地権・自動車・骨董品・保険金・そして借金など…
様々な財産をリストに書き出しておきましょう。

たとえば、
預貯金であれば「金融機関・支店名」、「口座の種類(普通預金・定期預金など)・口座番号」、「現在残高」
株式・投資信託等の有価証券であれば、「金融機関・支店名」、「証券口座番号」、「現在評価額」
不動産であれば「所在・地番・家屋番号」、「評価額(※)」
などを記載しておきます。

そして、これらの情報が分かる資料(通帳のコピー、有価証券に関する残高明細書、不動産全部事項証明書など)
とあわせて保管しておくことが望ましいです。

※相続不動産の評価方法については、法律で定められた評価方法がありますが、
 簡易の財産リストを作成する段階では、「固定資産評価額」を記載しておくだけでも良いかと思います。

ちなみに、弊所へご依頼いただいた場合は、上記財産リストの作成のお手伝いはもちろん、
相続税対策とあわせて、争続を防ぐ生前対策のご提案も可能です。

大切に守ってきたご家族が、相続手続の負担で疲れ果ててしまったり、
相続手続がきっかけで親族間の争いに巻き込まれてしまうことのないよう、
元気なうちに、きちんと準備しておきたいところです。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
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ゴミ屋敷と認知症

先日、とくダネ!で福島県いわき市のゴミ屋敷にまつわる報道がされていました。
このゴミ屋敷では、自宅からあふれ出したゴミが自宅敷地外の道路部分にも積みあがっており、
悪臭を放っていたり、過去2度にわたり火災も起こしている様子。
住人は80歳ほどの高齢男性で、「ゴミではなく、大切なもの」と主張をしているそう。
自宅への延焼被害、衛生上の不安、所有不動産の価値低下など、不安は絶えず、
行政による対応を切望している近隣の住人の状況が映し出されていました。

この手のニュースが最近増えてきたように思います。
こういったニュースを見ると、
「近隣住民が本当にかわいそう…。」、「行政が早く対応すべきだ。」といった意見を良く見聞きしますが、
自身の近所でこういった被害を受ける可能性も高まっているのはもちろん、
「自身」が加害者になってしまう可能性も高まっているように感じます。

「いやいや、私に限ってそんなことはない!」と言われるかと思いますが、
それもそのとおり、今の体力と気力、判断能力がある状態であればそうだと思います。

この手のニュースの加害者になった方々の全員がそうだとは言えませんが、
そのうちの一部分の方々には、
加齢であったり、配偶者や支援をしてくれていた親族を失ったり等、
様々な理由で体力や気力を失っていたり、さらには認知症の発症が疑われるような方がいるように感じます。

人生100年時代と言われるほど、長生きができる時代になりましたが、
人生の最期までお元気な方はごくわずかです。

今の元気なうちでは考えられないことですが、
年齢も80歳を過ぎたとなれば、人それぞれ程度の差はあれども、
少しずつ日常生活に支障が出てきて、誰かの支援が必要になることが普通です。

独居世帯の増加、少子高齢化、家族関係の希薄化などの理由で
「自身が本当に支援が必要な時、支援をしてくれる親族がいない。」
「できることなら、なるべく親族に負担はかけたくない。」
といった方も増えてきているように思います。

遠くない未来に備えて、
必要な支援を受けることができるよう、自身で先手を打って対応しておきたいものですね。

ちなみにこういった場合、具体的には、
「任意後見」による対応方法があります。

「任意後見」というのは、
自身が元気なうちに、どのような生活をし、どのような人生を送りたいかなどの想いをしっかり理解した
支援者(任意後見人)を選び、事前に公正証書で契約しておくことで、
いざ判断能力が衰えた場合には、その人に適切な支援をしてもらう方法です。

そして、この任意後見を行う際には、
その他様々なご要望に応じて、
「見守り契約」、「財産管理委任契約」や「死後事務委任契約」も同時に契約することにより、
高齢になった際に起こりがちな不便やトラブルを解消することが可能になります。

歳を重ねて、体が衰えても、判断能力が落ちてきたとしても、
自分らしく、他人に迷惑をかけることなく、穏やかに暮らしていきたいものです。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

大腸内視鏡検査

いつも弊所のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
GW明け1回目の記事になりますが、皆さんはリフレッシュできましたでしょうか?

私は連休の半分ほど仕事から完全に離れて、
家族との時間を過ごしたり、勉強したかったことにチャレンジしてみたりと、
リフレッシュ&充電ができた気がします。

10日間休んで、まだ仕事スイッチが入り切らないという方もいるかもしれません(笑)
その方のため…ということでもありませんが、
今回はお仕事には関係のない話題です。

実は先日、大腸内視鏡検査を受けてきました。
この検査、一般的には40代に入った頃に大腸がんの早期発見のために受診される人が多いようです。
ただ、私が1週間ほどお腹を下すことがあり、病院にかかると原因も分からないとのこと。
お医者さんの勧めもあり、せっかくの機会なので、軽い気持ちで検査を受けることにしたんです。

この検査を受けたことがある人には、もうお分かりかもしれません…

そう、この検査そんな軽い気持ちで受けるものではなかったんです(笑)

検査の申し込みをすると、看護師さんから検査の説明をしてくれました。
検査の前日は18時以降は絶食。
また、最後の食事は消化の良いもの限定で、繊維質の多い食べ物はNG。
寝る前に下剤を飲んで、翌朝5時からさらに下剤を飲むようにとのこと。

前日は仕事だったので、仕事の合間に月見うどんをいただきました。
ただ、トッピングのワカメやおぼろ昆布は食べれません…ひもじいです。

そして、自宅に帰ってからは下剤(マグコロール)を飲みました。
気になるマグコロールのお味ですが…はい、美味しくはありません(笑)
スポーツドリンクを5倍濃くしたような、しょっぱい味です。
粉末タイプの薬剤で、紙コップに粉末を入れ200mlの水に溶かして飲みます。
下は溶かした状態のマグコロールです。

ちなみに私はシャワーを浴びてから下剤を飲みましたが、これは正解だったと思います。
飲んでまもなく、お腹がゴロゴロ鳴り出し、気持ち悪い感じになってきました。

翌朝も早いので、とりあえず早く寝ましたが、
起床は気持ち悪さで目覚め、トイレに駆け込みました。

続いて、お医者さんの指示どおり2つ目の下剤(ニフレック)を飲みます。
ニフレックは下の写真のような薬剤で、これも水に溶かして飲むんですが、
こちらは水2リットルです。
水2リットル飲むのも大変ですが、これは下剤です。
そして、予想のとおり、お味は…非常に厳しいです(笑)
これも少し濃いめのスポーツドリンクのような味なんですが、
なんと言えば良いのか…正直かなり不味いです。

2時間かけて飲んでくださいとのことでしたが、
2時間かけてギリギリ飲めるくらいでした。

そして、飲むとまもなく催します。
飲む⇒トイレ⇒飲む⇒トイレ⇒飲む…を10回ほど繰り返します。
私の場合、寒気と吐き気もあり、真冬並みの暖房をかけながら飲みました。

そして、検査の時がやってきました!
看護師さんにトイレで出たものをチェックしてもらう必要があり、
完全に水になっていることを確認できたので、いよいよベッドに横になりました。
服装は病院で着替えを用意してくれました。
Tシャツに短パンですが、短パンのお尻には穴が開いています。
看護師さんに、「穴が開いている方が後ろです。」と言われましたが、
心の中で「そりゃそうでしょ!」と、顔面真っ青ながらツッコんでしまいました(笑)

以前受診した胃カメラでも非常に苦しんだ経験があるので、
「今回の検査は麻酔をかけてください。」とお願いしたこともあり、
麻酔が効いてぼんやりとしている間に、カメラが大腸の端まで撮影してくれて、検査は終了しました。

意識がはっきりしてから、お医者さんの診断を聞かせていただきました。

「とてもキレイな大腸ですね!全く問題ありません。お疲れさまでした。」

…アレだけ苦しい思いをしたのに、とてもあっさりしたものです。
でも、良かったです!

しかしながら、そうすると1週間続いたアレはなんだったんだろう…。
周囲にストレスでは?と言われ、
知り合いの社長さんには「事務所にラジオを置いて音楽をかけてみたら?」と言われ、
試しに事務所にラジオを置いてみました。

すると不思議!
ピタリと症状がなくなりました(笑)

昔から、賑やかな環境で過ごしてきたからなのか、
静かな環境でお仕事をすることがストレスになっていたようです。

結果的に問題は解決したんですが、
大腸内視鏡検査は、二度と受けまい!と心に誓った瞬間でした。

もしも、私の気持ちに共感してくださる方がいらっしゃったら、とても嬉しいです(笑)
今回は色んな意味でユルめ?のお話で失礼いたしました。

最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について

ついに「令和元年」になりましたね!
少し油断すると、書類に「平成31年」と書いてしまいそうになりますが…
早くこの響きに慣れていきたいと思います!

余談ですが、弊所の名前は「へいわ」で、新元号にかけているように思われますが、
新元号発表前の命名でしたので、これはまったくの偶然です(笑)

さて、今回は少しだけ専門的な話題を書いてみようかと思います。
普段司法書士がこんなことを考えながら仕事をしているのか
という一面を知っていただけましたら幸いです。

我々司法書士は、普段、相続・贈与・売買・抵当権設定など様々な登記業務を行う上で、
法律、法務省令等の法令を詳しく知っていなければいけないのはもちろんですが、
実際に発生する事案に法令を当てはめて処理する際に、解釈上の問題が発生することが良くあります。

その際に、さらに知っていなければならないのが「先例」というものです。
裁判所が出す具体的な事件においての判断を「判例」といいますが、
これの登記手続版と考えていただくと分かりやすいかと思います。

実際の登記実務は法令とあわせて、この「先例」に基づいて運用処理をされていますので、
登記手続のプロである司法書士は、この「先例」にも詳しくなければいけないということになります。

今回は、その「先例」から1つ。
金融機関は融資をする際の担保として、抵当権や根抵当権を設定するんですが、
その際の「取扱店の表示」は登記できるのか否かというお話です。
司法書士からすると「基本のキ」といった内容ですが、
知識の整理も兼ねて書かせていただきます。

そもそもですが、取扱店の表示は抵当権、根抵当権の登記事項とはされていません。
(不動産登記法第59条、第83条、第88条)

しかしながら、先例(昭和36.5.17民甲1134)において、
抵当権、根抵当権設定の登記申請の場合、取扱店の表示があれば、
これを登記して差し支えないとしています。(不動産登記記録例377)

もし、取扱店の表示の登記がないと、
金融機関が抵当権、根抵当権設定の登記をした物件について、差押、競売等があった場合、
差押、競売等の通知書はすべて本店に送達されてしまうことになりますが、
全国に支店展開する金融機関にとって、
全国各地の支店でなされた登記をすべて把握することが困難であることや、
本店に送達されてしまった通知書を、実際の取扱支店を探し出して渡すために相当時間を要し、
最悪の場合、債権届出期日に間に合わない等、不測の損害を受けることも想定されることから、
この先例が出されました。

取扱店の表示のない抵当権、根抵当権設定の登記に対して、取扱店を追加する変更登記もできますし、
その変更更正は、登記名義人の氏名等の変更更正に準じます。
(昭和36.9.14民甲2277、昭和36.11.30民甲2983、他)

ただし、抵当権者が国の場合を除いて、
先例がなければ、金融機関でないものについて取扱店の表示は認められません。
さらに金融機関の中でも、取扱店の表示の登記ができるのは、
銀行、●●公庫、●●機構など規模の大きな金融機関に限定されており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会など、展開する地域が限定される金融機関については、
取扱店の表示が認められていません。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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