へいわ法務司法書士事務所

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会社の印鑑証明書が取れなくなったのはなぜ?【商業登記規則第81条第3項の申出】

おはようございます!

もうすっかり夏ですね~。

まだまだ新型コロナの感染拡大が続いている状況のため
その防止策として
マスクは外せない状況なのですが。。

とにかく、めちゃくちゃ蒸し暑いっ!!

同じように感じている方々も多いのではないでしょうか?

私自身もそうですが、
皆さんも、熱中症で倒れてしまわないように
なるべくこまめな水分補給と
エアコンなどで室温調整をして
体調管理には十分お気を付けください。


さて、
先日、かなり珍しいご依頼をいただきましたので
自身の備忘録も兼ねて、今回の記事を書こうかと思います。

その珍しいご依頼をいただいた際、
お客様が仰るには

“法務局に行って、印鑑証明書を請求したんだけど
「会社の登記記録が「閉鎖」されているから
印鑑証明書は発行できません。」
と、法務局の職員さんに言われて、困っています。
まだ、この会社は不動産を保有していて
売却活動もしているんですが、どうしたら良いですか?”

とのこと。

そこで早速、
お客様の会社の閉鎖事項全部証明書を取得して
登記記録を確認してみました。

すると
証明書の一番下の枠
「登記記録に関する事項」に
「商業登記規則第81条第1項による登記記録閉鎖」
また、
その登記記録の閉鎖がなされた日付として
「平成年月日閉鎖」
と記載されていました。

そして、
その一つ上の枠
「解散」に関する事柄が記載される枠には
「昭和年月日商法第406条ノ3第1項の規定により解散」
と記載されていました。

ここで、参考までに
それぞれの条文がどういったものか
ご紹介しておきます。

【商業登記規則第81条第1項】
次に掲げる場合には、
登記官は、当該登記記録を閉鎖することができる。

一 解散の登記をした後10年を経過したとき。
二 次項又は第三項に規定する申出後5年を経過したとき。

【商法第406条ノ3第1項】
現在の会社法が施行される前の法律で
条文がすぐに見当たらなかったので、
法務省のホームページより引用します。

以下、引用。

「株式会社の経営者の方へ--休眠会社整理のお知らせ」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji45.html

全国の法務局では、
平成14年10月から、
5年以上登記のない株式会社について、
商法第406条ノ3の規定による
休眠会社の整理作業を行いました。

 同年10月1日の時点で
最後の登記から5年を経過しており、
12月2日(月)までに
登記の申請
又は
「まだ営業を廃止していない」旨の届出をしていない株式会社は、
12月3日付けで解散したものとみなされ、
職権で解散の登記がされました。

解散の登記がされた株式会社は、
解散後3年以内であれば、
株主総会の特別決議により会社を継続すること
(解散会社を解散前の状態に戻し,営業活動ができるようにすること)
ができます。

以上、引用終わり。


つまり
ご依頼の会社さんについては
5年以上登記手続を怠ってしまっていたので
商法第406条ノ3第1項の規定により
「解散したものとみなされ」
法務局が職権で「解散の登記」を行っていました。

さらに
その解散登記がされた後も
10年以上
その会社から何らの申し出もなかったため
商業登記規則第81条第1項の規定により
法務局が「登記記録を閉鎖」したのでした。


登記記録が閉鎖されると
その会社の印鑑証明書も発行できなくなるため
ご依頼の会社さんも
これが原因で印鑑証明書の発行が受けられなくなった。
ということになります。


お客様には
上記の経緯をご説明のうえで

現在もその会社名義で不動産を保有しており
まだやらないといけない清算事務が残っているので
会社の登記記録を復活させることになりました。

そして、この場合
商業登記規則第81条第3項の規定による申出を
法務局にすることで
登記記録が復活することが認められています。

以下に条文を紹介します。

【商業登記規則第81条第3項】
第1項の規定により登記記録を閉鎖した後、
会社が本店の所在地を管轄する登記所に
清算を結了していない旨の申出をしたときは、
登記官は、
当該登記記録を復活しなければならない。

条文にある
「清算を結了していない旨の申出」については、
世に出回っている書籍にも
この申出のための書類の記載例などは掲載されていないため
実際に私が使用した申出書の書式を
掲載しておきます。
ちなみに
この申出手続の詳細な内容について
管轄の法務局に確認したところ

この申出書への押印は
法務局届出印(いわゆる会社実印)によってするべし。
とのことでしたが、
登記記録が閉鎖された会社の法務局届出印の記録を
法務局はいつまで残しているんでしょうか?

今回は
この申出書の提出にあわせて
清算が結了していないことを証するための保有資産の証明書や
印鑑届や
会社代表者個人の印鑑証明書の添付を
要求されることはありませんでしたが、
登記記録の閉鎖の時期によっては
申出書以外の書類の添付を要求されることも
ありそうな気がします。

法務局のご担当の方も
あまり扱ったことがなく不慣れな様子だったので、
この手続きを行う場合は
事案ごとに法務局と打ち合わせをしたうえで
手続をした方が良さそうだと感じました。


最後に
法務局へこの申出書を提出した後の処理についてですが、

申出書を受け付けたその日のうちに
登記記録が復活されていました。

履歴事項全部証明書を取得して
その記載を確認すると
「登記記録に関する事項」のうち
「商業登記規則第81条第1項による登記記録閉鎖」と
「平成年月日閉鎖」の記載に
抹消の意味である下線が記載され、
その下に
「令和年月日復活」
と記載されていました。

そして、
後日お客様から
「無事、印鑑証明書が発行されるようになりました!」
との連絡もいただきましたので、
これにて一件落着となりました。


以上、今回はかなり珍しい登記手続のお話でした!

この記事をご覧になっている皆様の
お役に少しでも立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について【令和2年取扱い変更!】

おはようございます!

今日は
(根)抵当権者として
「取扱店の登記ができる金融機関の範囲」
についてのお話です!

このテーマについては

昨年5月4日付の弊所ブログ記事
「(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について」
https://heiwahomu.net/2019/05/04/%ef%bc%88%e6%a0%b9%ef%bc%89%e6%8a%b5%e5%bd%93%e6%a8%a9%e8%80%85%e3%81%ae%e5%8f%96%e6%89%b1%e5%ba%97%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%a4%ba%e3%81%ae%e7%99%bb%e8%a8%98%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

の中で、すでに詳しく書いていたんですが、
権威ある登記手続に関する専門誌
「登記研究」の第866号(令和2年4月号)において
その取扱いを変更する内容が示されたので

今回は
その変更された内容についてご紹介させていただきます。

上記ブログ記事の中でも書かせてもらっていますが
取扱店の表示の登記をすることは
抵当権者が国の場合を除いて、
先例がなければ、
金融機関以外は認められていません。

そして、
金融機関の中でも、
取扱店の表示の登記ができるのは、
銀行、●●公庫、●●機構などに限定されており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会などの金融機関については、
取扱店の表示が認められていません…でした!!

しかしながら、
登記研究第866号の質疑応答において
以下のとおり示され、その取扱いが変更されています。

【要旨】
信用金庫・信用組合・信用保証協会
(以下、「信用金庫等」という。)を
(根)抵当権者とする
抵当権設定登記の申請書に
当該信用金庫等の取扱店を記載して
申請があった場合、
登記記録に信用金庫等の取扱店の表示をして差し支えない。


これまで
銀行、●●公庫、●●機構など
規模の大きな金融機関については、
全国各地に支店が存在するという実情から、
便宜的に
取扱店を登記簿に記録することが認められており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会など
規模の小さな金融機関については、
展開する地域が限定されているという理由で
取扱店を登記簿に記録することが否定されていました。

しかしながら、
上記の質疑応答によって
信用金庫等についても
一定の区域内ではあるものの複数の支店が存在している
という実情に照らせば、
銀行と同じように、
取扱店を登記簿に記録しても良いという結論に変更されたということです。

ちなみに
この質疑応答が出てから
ある信用金庫の担当者の方に

取扱店の表示の登記ができるようになりましたが、
今後はどう対応されますか?

とお聞きすると
弊社においては
今後も取扱店の表示の登記はしない予定です。
と話しておられました。

取扱店の表示の登記をしないことで
(根)抵当権設定の登記をした物件について
差押、競売等があった場合、
差押、競売等の通知書は
本店所在地へ送付されることになりますが
その方が
効率的に事務処理を行うことができますし、

また、
店舗統合などで
一旦登記した取扱店名が変更になった場合には
取扱店名の変更登記の対応なども必要になることを踏まえると

「敢えて、取扱店の表示の登記をしない。」

という結論に至ったそうです。


登記手続の取扱いは変わりましたが
それを受けた金融機関の反応は
さまざまのようですね。

余談ですが
今回の質疑応答の中では
「農協」や「漁協」
については触れられていませんでした。

これらについては
今後も取扱店の登記を認めない。
という方針になるんでしょうかね。。

また
新しい情報が入りましたら
このブログでお知らせさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


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司法書士 山内勇輝

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 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
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 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

会社の印鑑証明書が取れなくなったのはなぜ?【商業登記規則第81条第3項の申出】

おはようございます!

もうすっかり夏ですね~。

まだまだ新型コロナの感染拡大が続いている状況のため
その防止策として
マスクは外せない状況なのですが。。

とにかく、めちゃくちゃ蒸し暑いっ!!

同じように感じている方々も多いのではないでしょうか?

私自身もそうですが、
皆さんも、熱中症で倒れてしまわないように
なるべくこまめな水分補給と
エアコンなどで室温調整をして
体調管理には十分お気を付けください。


さて、
先日、かなり珍しいご依頼をいただきましたので
自身の備忘録も兼ねて、今回の記事を書こうかと思います。

その珍しいご依頼をいただいた際、
お客様が仰るには

“法務局に行って、印鑑証明書を請求したんだけど
「会社の登記記録が「閉鎖」されているから
印鑑証明書は発行できません。」
と、法務局の職員さんに言われて、困っています。
まだ、この会社は不動産を保有していて
売却活動もしているんですが、どうしたら良いですか?”

とのこと。

そこで早速、
お客様の会社の閉鎖事項全部証明書を取得して
登記記録を確認してみました。

すると
証明書の一番下の枠
「登記記録に関する事項」に
「商業登記規則第81条第1項による登記記録閉鎖」
また、
その登記記録の閉鎖がなされた日付として
「平成年月日閉鎖」
と記載されていました。

そして、
その一つ上の枠
「解散」に関する事柄が記載される枠には
「昭和年月日商法第406条ノ3第1項の規定により解散」
と記載されていました。

ここで、参考までに
それぞれの条文がどういったものか
ご紹介しておきます。

【商業登記規則第81条第1項】
次に掲げる場合には、
登記官は、当該登記記録を閉鎖することができる。

一 解散の登記をした後10年を経過したとき。
二 次項又は第三項に規定する申出後5年を経過したとき。

【商法第406条ノ3第1項】
現在の会社法が施行される前の法律で
条文がすぐに見当たらなかったので、
法務省のホームページより引用します。

以下、引用。

「株式会社の経営者の方へ--休眠会社整理のお知らせ」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji45.html

全国の法務局では、
平成14年10月から、
5年以上登記のない株式会社について、
商法第406条ノ3の規定による
休眠会社の整理作業を行いました。

 同年10月1日の時点で
最後の登記から5年を経過しており、
12月2日(月)までに
登記の申請
又は
「まだ営業を廃止していない」旨の届出をしていない株式会社は、
12月3日付けで解散したものとみなされ、
職権で解散の登記がされました。

解散の登記がされた株式会社は、
解散後3年以内であれば、
株主総会の特別決議により会社を継続すること
(解散会社を解散前の状態に戻し,営業活動ができるようにすること)
ができます。

以上、引用終わり。


つまり
ご依頼の会社さんについては
5年以上登記手続を怠ってしまっていたので
商法第406条ノ3第1項の規定により
「解散したものとみなされ」
法務局が職権で「解散の登記」を行っていました。

さらに
その解散登記がされた後も
10年以上
その会社から何らの申し出もなかったため
商業登記規則第81条第1項の規定により
法務局が「登記記録を閉鎖」したのでした。


登記記録が閉鎖されると
その会社の印鑑証明書も発行できなくなるため
ご依頼の会社さんも
これが原因で印鑑証明書の発行が受けられなくなった。
ということになります。


お客様には
上記の経緯をご説明のうえで

現在もその会社名義で不動産を保有しており
まだやらないといけない清算事務が残っているので
会社の登記記録を復活させることになりました。

そして、この場合
商業登記規則第81条第3項の規定による申出を
法務局にすることで
登記記録が復活することが認められています。

以下に条文を紹介します。

【商業登記規則第81条第3項】
第1項の規定により登記記録を閉鎖した後、
会社が本店の所在地を管轄する登記所に
清算を結了していない旨の申出をしたときは、
登記官は、
当該登記記録を復活しなければならない。

条文にある
「清算を結了していない旨の申出」については、
世に出回っている書籍にも
この申出のための書類の記載例などは掲載されていないため
実際に私が使用した申出書の書式を
掲載しておきます。
ちなみに
この申出手続の詳細な内容について
管轄の法務局に確認したところ

この申出書への押印は
法務局届出印(いわゆる会社実印)によってするべし。
とのことでしたが、
登記記録が閉鎖された会社の法務局届出印の記録を
法務局はいつまで残しているんでしょうか?

今回は
この申出書の提出にあわせて
清算が結了していないことを証するための保有資産の証明書や
印鑑届や
会社代表者個人の印鑑証明書の添付を
要求されることはありませんでしたが、
登記記録の閉鎖の時期によっては
申出書以外の書類の添付を要求されることも
ありそうな気がします。

法務局のご担当の方も
あまり扱ったことがなく不慣れな様子だったので、
この手続きを行う場合は
事案ごとに法務局と打ち合わせをしたうえで
手続をした方が良さそうだと感じました。


最後に
法務局へこの申出書を提出した後の処理についてですが、

申出書を受け付けたその日のうちに
登記記録が復活されていました。

履歴事項全部証明書を取得して
その記載を確認すると
「登記記録に関する事項」のうち
「商業登記規則第81条第1項による登記記録閉鎖」と
「平成年月日閉鎖」の記載に
抹消の意味である下線が記載され、
その下に
「令和年月日復活」
と記載されていました。

そして、
後日お客様から
「無事、印鑑証明書が発行されるようになりました!」
との連絡もいただきましたので、
これにて一件落着となりました。


以上、今回はかなり珍しい登記手続のお話でした!

この記事をご覧になっている皆様の
お役に少しでも立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について【令和2年取扱い変更!】

おはようございます!

今日は
(根)抵当権者として
「取扱店の登記ができる金融機関の範囲」
についてのお話です!

このテーマについては

昨年5月4日付の弊所ブログ記事
「(根)抵当権者の取扱店の表示の登記について」
https://heiwahomu.net/2019/05/04/%ef%bc%88%e6%a0%b9%ef%bc%89%e6%8a%b5%e5%bd%93%e6%a8%a9%e8%80%85%e3%81%ae%e5%8f%96%e6%89%b1%e5%ba%97%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%a4%ba%e3%81%ae%e7%99%bb%e8%a8%98%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

の中で、すでに詳しく書いていたんですが、
権威ある登記手続に関する専門誌
「登記研究」の第866号(令和2年4月号)において
その取扱いを変更する内容が示されたので

今回は
その変更された内容についてご紹介させていただきます。

上記ブログ記事の中でも書かせてもらっていますが
取扱店の表示の登記をすることは
抵当権者が国の場合を除いて、
先例がなければ、
金融機関以外は認められていません。

そして、
金融機関の中でも、
取扱店の表示の登記ができるのは、
銀行、●●公庫、●●機構などに限定されており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会などの金融機関については、
取扱店の表示が認められていません…でした!!

しかしながら、
登記研究第866号の質疑応答において
以下のとおり示され、その取扱いが変更されています。

【要旨】
信用金庫・信用組合・信用保証協会
(以下、「信用金庫等」という。)を
(根)抵当権者とする
抵当権設定登記の申請書に
当該信用金庫等の取扱店を記載して
申請があった場合、
登記記録に信用金庫等の取扱店の表示をして差し支えない。


これまで
銀行、●●公庫、●●機構など
規模の大きな金融機関については、
全国各地に支店が存在するという実情から、
便宜的に
取扱店を登記簿に記録することが認められており、
信用金庫、信用組合、信用保証協会など
規模の小さな金融機関については、
展開する地域が限定されているという理由で
取扱店を登記簿に記録することが否定されていました。

しかしながら、
上記の質疑応答によって
信用金庫等についても
一定の区域内ではあるものの複数の支店が存在している
という実情に照らせば、
銀行と同じように、
取扱店を登記簿に記録しても良いという結論に変更されたということです。

ちなみに
この質疑応答が出てから
ある信用金庫の担当者の方に

取扱店の表示の登記ができるようになりましたが、
今後はどう対応されますか?

とお聞きすると
弊社においては
今後も取扱店の表示の登記はしない予定です。
と話しておられました。

取扱店の表示の登記をしないことで
(根)抵当権設定の登記をした物件について
差押、競売等があった場合、
差押、競売等の通知書は
本店所在地へ送付されることになりますが
その方が
効率的に事務処理を行うことができますし、

また、
店舗統合などで
一旦登記した取扱店名が変更になった場合には
取扱店名の変更登記の対応なども必要になることを踏まえると

「敢えて、取扱店の表示の登記をしない。」

という結論に至ったそうです。


登記手続の取扱いは変わりましたが
それを受けた金融機関の反応は
さまざまのようですね。

余談ですが
今回の質疑応答の中では
「農協」や「漁協」
については触れられていませんでした。

これらについては
今後も取扱店の登記を認めない。
という方針になるんでしょうかね。。

また
新しい情報が入りましたら
このブログでお知らせさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
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