へいわ法務司法書士事務所

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「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その1】

今日のテーマは「遺言」です!

令和2年7月10日から、
法務局が
自筆で書いた遺言書を保管してくれる制度
「自筆証書遺言書保管制度」がスタートしました!

そこで今日は
このいわゆる遺言書保管制度に関して
特に注目すべき
4大メリットと注意点について、
ピックアップしてご紹介していこうと思います!

なお、
制度の概要については
割と分かりやすく情報がまとめられている
法務省のウェブサイトのURLを
以下に貼り付けておきましたので
気になる方は一度ご覧ください。

(法務局における自筆証書遺言書保管制度について)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

また今後も
遺言に関する記事を
随時掲載していく予定ですので、
もっと詳しく知りたいという方は
次回以降の記事を楽しみにしていただけますと幸いです。


それでは早速
4大メリットの紹介から始めていきましょう!


【メリット1/費用が安い!】

1つ目のメリットは、
その「費用の安さ」です。

遺言書保管制度を利用する場合
法務局へ手数料を支払うことになりますが
その手数料は
「3,900円」となっております。

ちなみに
3,900円さえ支払えば
その後、何年保管してもらったとしても
いわゆる「保管料」のようなものはかかりません。

また、
法務局へ保管してもらう遺言書を自身で作成する場合は
紙とペンさえあれば作成できますから
遺言書作成自体の費用についても
ほとんどかからないといって良いでしょう。


【メリット2/安全に長期間保管してもらえる。】

2つ目のメリットは、
その「安全性」です。

遺言書保管制度が創設される以前は
自筆で書かれた遺言書の多くは
本人の自宅や親族の自宅などで
保管されていることが多かったため

いざ、相続が発生したときに
遺言書を紛失してしまってたり

または

遺言書を発見した人が
自身に都合の良いように加筆してしまったり

あるいは

相続人の1人が
自身に都合が悪いからと
破棄したり、隠してしまったりすることがありました。

こうしたことが原因で
せっかく残してくれた遺言書の内容どおりに
相続をすることができなくなってしまったり
相続人同士で
トラブルになってしまうケースが後を絶たなかったのですが、

遺言書保管制度を利用すれば
そうしたことが起こらないように
法務局に遺言書の原本を預かってもらうことができます。

そして
一度預けた遺言書については
遺言者が保管してもらうことを撤回しない限り
遺言書の原本は「遺言者の死後50年間」
遺言書のデータは「遺言者の死後150年間」
法務局において厳重に保管されることになりますので、

これまでのような
紛失や加筆修正や破棄隠匿などによるトラブルを防止することができる。
ということになります。

つまり、
“遺言書に書き残した想いを安全・確実に残すことができる。” 
という点が、2つ目のメリットです。


【メリット3/検認が不要になる。】

3つ目のメリットは、
その「検認という家庭裁判所での手続が不要になる。」という点です。

自筆で書いた遺言書については
遺言者の死後に、
家庭裁判所へ申立てを行い
相続人全員を家庭裁判所へ呼び出して
見つかった遺言書を確認するという
いわゆる「検認」という手続が必要です。

一方、
この遺言書保管制度を利用した場合は
法務局がそれまで厳重に保管していることや、
このあと解説する
「相続人全員へ遺言書の存在を知らせる仕組み」
も用意されていることから
この「検認」が不要とされています。

そのため、
遺言書保管制度を利用した場合は
残された人の手間と時間、
そして家庭裁判所へ支払う費用を省略することができることになります。


【メリット4/2つの通知制度がある。】

4つ目のメリットは、
法務局が相続人等に対して
「遺言書を保管していることを通知する2つの仕組み」
が用意されていることです。

遺言者がせっかく遺言書を書き残していたとしても
一部の相続人によって
相続できるはずの相続人が
遺言書の存在を知らないままに隠し通されてしまったり、
あるいは
相続人全員が
遺言書の存在を知らないままになってしまうといったことが
起きてしまうと
遺言書を書き残した意味が失われてしまいますから
そういったことにならないような仕組みが
用意されているということです。


まず、1つ目の通知の仕組みは
「関係遺言書保管通知」といって
遺言者の死後に
相続人等の中で誰か1人が
相続手続に使用することになる遺言書の証明書である
「遺言書情報証明書」の発行を受けたり
あるいは
「遺言書の閲覧」をした場合には、
法務局が
その他の相続人等に対して
遺言書が保管されている旨の通知をする仕組みです。

そして、2つ目の通知の仕組みは
「死亡時の通知」といって
遺言者が亡くなったときには
法務局が
遺言者が事前に指定した
相続人・受遺者・遺言執行者などのうち1人に対して
遺言書が保管されている旨の通知をする仕組みです。

この「死亡時の通知」を利用するかは
遺言者の「任意」ですが、
相続人等が
遺言者が亡くなったことや遺言書の存在について
すぐに気付いてもらえない可能性がある場合には
大いに効果を発揮する仕組みになっていますので、
利用されることをお勧めいたします。

ちなみに、
この「死亡時の通知」の仕組みについては
令和2年7月10日の
遺言書保管制度のスタートと同時ではなく
「令和3年度以降頃から」のスタートとされているので、
この点には注意が必要です。


【注意点について】

さて、
これまで遺言書保管制度のメリットを説明してきました。

続いて、
注意すべき点についてもお話をしていきたいと思いますが
少々長くなってしまったので
注意すべき点については
次回記事にて詳しくお話をさせていただきますね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

証券会社の相続手続と証券口座の種類について(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その2】

おはようございます!

今日は
前回の記事で解説をしてきました
証券会社で行う相続手続のお話の続きです!

前回の記事では
1、証券会社等での相続手続の必要書類について。
2、相続手続のために証券口座の開設を
  しないといけないことがあること。
3、開設する証券口座は
  基本的に被相続人と同じ会社のものでないといけないこと。
4、証券口座にはいくつかの種類があること。

の4つを解説させていただきました。

なお、
上記の詳細については
2020年8月1日付の記事
“証券会社の相続手続と証券口座の種類について
(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その1】”
をご覧ください!


さて、今回は
被相続人から相続した株式や投資信託を
相続人の証券口座へ移管するうえで
関係してくることが多い3種類の証券口座
「一般口座」
「特定口座」
「特別口座」
についての解説からスタートしていきたいと思います。


【証券口座の種類:一般口座ってなに?】

まずは
「一般口座」です。

一般口座を利用するうえでのポイントは
「原則、確定申告が必要になる口座」ということです。

一般口座を利用すると
自身で、
1月1日から12月31日まで1年間に
その口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益を計算して
翌年の2月16日から3月15日までに
原則、確定申告をしなければいけません。

例外的に
給与収入が一定額以下で
給与を受けているのが1箇所のみ
給与所得・退職所得以外の所得金額が一定額以下の人、
あるいは
公的年金等の収入が一定額以下で
年金以外の所得が一定額以下の人については
所得税の確定申告をする必要はありません。
ただし、住民税は申告が必要です。

また、
1年間を通算して損失となった場合には
確定申告はしなくても構いませんが
「譲渡損失の繰越控除」の適用を受けたい場合には
確定申告をしておく必要があります。

そのため
“確定申告の手間を省きたい。”と思われるのであれば
このあとに解説する「特定口座」を利用されることをおすすめします。


【証券口座の種類:特定口座ってなに?】

さて次は
「特定口座」です。

特定口座を利用するうえでのポイントは
先ほどの一般口座と異なり
「原則、確定申告が不要になる口座」ということです。

そして
特定口座には2種類あって
「源泉徴収あり」もしくは「源泉徴収なし」
のどちらかを選ぶことができます。

どちらを選んだ場合でも
口座名義人に代わって証券会社等が
1月1日から12月31日まで1年間に
その口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益を計算して
「特定口座年間取引報告書」というものを作成してくれます。

さらに
「源泉徴収あり」を選んだ場合は
証券会社等が口座名義人に代わって納税してくれるので
確定申告をする必要がありません。
なお、
自身で確定申告をしたい場合は、確定申告することもできます。

また
「源泉徴収あり」を選んだ場合は
この口座に配当金などを受け入れることで、
この口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益に
さらに配当金なども含めて
確定申告をすることなく損益通算することが可能になっています。

一方で
「源泉徴収なし」を選んだ場合は
確定申告が必要になりますが、
先ほどの
証券会社等が作成してくれる
「特定口座年間取引報告書」を参照することで
確定申告書類の作成の負担が大幅に軽減されます。


【証券口座の種類:特別口座ってなに?】

最後に
「特別口座」です。

この特別口座は
相続人の方が自ら開設する口座としての
「一般口座」や「特定口座」とは性質が異なっています。

特別口座のポイントは

“株式の発行会社が
信託銀行などに依頼して
株主(被相続人)が証券会社等に預け入れをしなかった株式を
株主(被相続人)のための保管用として開設した口座”
ということです。

2009年(平成21年)1月5日に
従前は紙ベースで作られていた上場会社の株券を
データで管理することになりました。
これを株券電子化というのですが、

この株券電子化までに
証券保管振替機構(ほふり)に株券が預託されなかった
上場会社の株式について、
株主の権利を守るため
株式の発行会社からの申出によって
株主名簿管理人である信託銀行などに開設された口座のことを
特別口座といいます。

ちなみに、
株券電子化後に上場した会社の株式についても
株主が証券会社等で口座を開設する手続きをしていない場合は
特別口座が開設されます。

そして
特別口座は
あくまでも保管用の口座であって
取引用の口座ではないので、
特別口座で保有する株式を
相続した場合や売却したい場合には、
あらかじめ
証券会社等に
上述の「一般口座」や「特定口座」などの取引口座を開設して、
株式を振り替える必要があります。


【被相続人の口座の種類によっては、相続人の証券口座へ移管できない。】

これまでの解説の中で
証券口座にはそれぞれ特徴があることを
お分かりいただけたかと思います。

では、
その特徴のある口座同士で
自由に移管をすることができるのでしょうか?

結論から言いますと

被相続人の証券口座の種類と
相続人の証券口座の種類によっては
移管できないことがあります。

つまり、
被相続人の証券口座にあわせて
きちんと移管することができる証券口座を
相続人は開設する必要があるということです。

具体例を挙げて解説すると


1、被相続人が「一般口座」のとき

このときは、
相続人の証券口座も
「一般口座」である必要があります。

被相続人が自身で
譲渡損失や利益を計算して
確定申告をする一般口座で
株式等を保有していたのですから
相続のタイミングで
その株式等を
確定申告不要の特定口座へ
移管することはできないということです。

あくまで
被相続人が一般口座で
株式等を保有していたのであれば
相続人も一般口座で移管を受けて
その株式等を売却した際には
きちんと譲渡損失や利益を計算して
確定申告をしてください。
ということになります。

ちなみに
「特別口座」は
相続人の意思によって開設するような口座ではないですし、
取引用の口座でもないため、
相続人の特別口座へ移管を受けることはないかと思われます。


2、被相続人が「特定口座」のとき

このとき、
相続人の証券口座は
「特定口座」でも「一般口座」でも
どちらでも大丈夫です。

被相続人が
確定申告不要の特定口座を開設している場合は
相続人も
特定口座へ移管を受けて
確定申告不要の恩恵を受けることが可能になるということです。

もちろん
特定口座へ移管を受けたうえで
確定申告をすることが可能であることについては
先述のとおりです。

一方
相続人が希望するのであれば
被相続人が特定口座で保有していた株式等を
相続人の一般口座へ移管を受けて
確定申告をすることも可能になっています。

なお、
相続人の特別口座へ移管を受けることがないことについては
先述のとおりです。


3、被相続人が「特別口座」のとき

このとき
相続人の証券口座は
「一般口座」である必要があります。

特別口座というのは
あくまでも保管用の口座であって
取引用の口座ではないので、
「特定口座」のように
確定申告不要の特別扱いがされる口座ではありません。

そのため
被相続人の口座が「特別口座」であるときは
相続人の証券口座へ移管する際も
被相続人の口座が「一般口座」であったときと同様に
「一般口座」への移管をしないといけない。
ということになります。

なお、
これまでと同様に
相続人の特別口座へ移管を受けることがないことについては
先述のとおりです。


【最後に】

余談ですが、
以前、無料相談のために
弊所にお越しになられたお客さまが

“銀行の相続手続だけでも
分からないことが多くて大変なのに
証券会社の相続手続は
さらに分からないことが多くて
正直、自力で行うのがしんどくなってしまった。。
もし、費用が安いのであれば、お任せしたいと思って来ました。”

と仰っておられたことを覚えています。

証券会社等の視点から見ると
どうしても必要な手続きであることも分かりますし

我々のような相続の専門家からすると
慣れた手続ではありますが、

一生のうちに
何度も相続手続を経験することのない
お客さまからすると
非常に難しく、
ストレスのかかる手続であることは間違いないかと思います。

相続の専門家としては

この難しい手続を
いかに分かりやすくご説明して
あるいは、
その一部や全部をサポートして
お客さまのご不安やストレスを取り除き
スムーズに、かつ、大きなご負担なくして
相続手続ができると安心していただくこと。

こうした当たり前のことが実は重要なんだと
あらためて感じさせられた出来事だったと思います。


弊所では
相続に伴ってしないといけない
不動産の相続登記手続はもちろん
銀行や信用金庫、信用組合などでの預貯金の相続手続
そして
今回のテーマである
証券会社や信託銀行などでの株式・投資信託などの相続手続について、
多くのお客さまよりご依頼をいただき、
その手続をまるごとサポートしております。

また、
弊所では
初回のご相談やお見積も
無料にて対応していますし

できるだけ費用負担を抑えたい方向けの
低価格のサービスもご用意しております。


もし、
相続手続全般について
お悩みごとがございましたら、
いつでもお気軽に弊所までご連絡いただけますと幸いです。

きっとお役に立てるかと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

証券会社の相続手続と証券口座の種類について(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その1】

おはようございます!

今日は
証券会社で行う相続手続のお話です!

最近は
「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと
NISAやIDECOなど
投資に関しての優遇政策がとられていたり
株価の上昇が続いていることもあって
証券会社での口座開設が
かなり増えているようですね。

私自身
株式投資を始めて10数年経ちますので
投資家の方々と
楽しく投資のお話をするのが好きなんですが、

今日は
相続手続の専門家の視点から
株式や投資信託を保有する投資家の方に
相続が発生した場合の
相続手続について書いていきたいと思います。


【証券会社等での相続手続の必要書類は?】

株式や投資信託を保有する人が
お亡くなりになった場合
その株式や投資信託の名義を
相続人へ変更する手続(いわゆる相続手続)が必要になります。

そして
その相続手続は
その株式や投資信託の口座を管理している
証券会社や信託銀行(証券会社等)に対して
手続のために必要な書類を
提出して行うことになります。

では、どんな書類を提出しないといけないのでしょうか?

たとえば、
被相続人に関する戸籍謄本
被相続人に関する法定相続情報証明書
相続人に関する戸籍謄本
相続人の印鑑証明書
遺産分割協議書
遺言書
家庭裁判所の審判書
その他、証券会社等が指定する
相続手続申出書
口座開設届
本人確認書類
マイナンバー記載書類など

さまざまな書類の提出が必要になってきます。

もちろん
個々のケースや
対象となる証券会社等の取扱いによって
若干異なりますが
おおむね上記のような書類の提出を求められることが一般的です。


【相続手続のために証券口座の開設をしないといけない!?】

ところで
証券会社等での
株式や投資信託の相続手続について
よくご質問をいただくことがあります。

“私(相続人)は
株式や投資信託の取引をしないので
証券会社等の口座を持っていません。
被相続人の株式や投資信託を換金して
私(相続人)の銀行口座へ振り込んでもらうことはできますか?”

答えは、
“基本的にはできません。”
というのが現状です。

被相続人が遺言を書き残していて
さらに遺言執行者がいるケースにおいて、
遺言執行者が
遺言執行者名義で
株式や投資信託を換金するような場合など
一部の例外はありますが

基本的に
被相続人の株式や投資信託を
被相続人名義のまま換金することは認められておらず

一旦
相続人の方が
自身の証券会社等の口座で
被相続人の株式や投資信託を引き受け(これを「移管」といいます。)

相続人の名義になった後で
その株式や投資信託を売却して換金することになります。

つまり
相続人の方が
自身の名義の証券会社等の口座を持っていないときは
証券口座を開設したうえで
その口座へ被相続人の株式や投資信託の移管を受けて
その後
その株式や投資信託を売却して換金する必要がある。
ということになります。


【開設する証券口座は、被相続人と同じ会社のものでないといけないの?】

さらに、
被相続人の株式や投資信託の移管を受ける
相続人の証券会社等の口座は
基本的に
「被相続人と同じ証券会社等の口座」であることを求められます。

つまり
A証券会社で取引をしていた被相続人が亡くなった場合
B証券会社で取引をしている相続人が
被相続人の株式や投資信託を
B証券会社の相続人の口座へ
いきなり移管してもらうことはできないのです。

そのため
相続人の方が
証券会社等の口座を持っていないときはもちろんですが、
他の証券会社等の口座しか持っていないときも
被相続人と同じ証券会社等で
証券口座を開設しないといけない。
ということになります。


【相続の際、証券口座の種類について知っておきたいこと】

そして
証券口座を開設するとなると
証券口座の種類についての知識を持っておく必要があります。

この記事では
被相続人から相続した株式や投資信託を
相続人の証券口座へ移管するうえで
関係してくることが多い3種類の証券口座
「一般口座」
「特定口座」
「特別口座」
について、解説をしていきたいと思いますが、
少し長くなりそうなので
続きは次回に詳しくさせていただきますね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その1】

今日のテーマは「遺言」です!

令和2年7月10日から、
法務局が
自筆で書いた遺言書を保管してくれる制度
「自筆証書遺言書保管制度」がスタートしました!

そこで今日は
このいわゆる遺言書保管制度に関して
特に注目すべき
4大メリットと注意点について、
ピックアップしてご紹介していこうと思います!

なお、
制度の概要については
割と分かりやすく情報がまとめられている
法務省のウェブサイトのURLを
以下に貼り付けておきましたので
気になる方は一度ご覧ください。

(法務局における自筆証書遺言書保管制度について)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

また今後も
遺言に関する記事を
随時掲載していく予定ですので、
もっと詳しく知りたいという方は
次回以降の記事を楽しみにしていただけますと幸いです。


それでは早速
4大メリットの紹介から始めていきましょう!


【メリット1/費用が安い!】

1つ目のメリットは、
その「費用の安さ」です。

遺言書保管制度を利用する場合
法務局へ手数料を支払うことになりますが
その手数料は
「3,900円」となっております。

ちなみに
3,900円さえ支払えば
その後、何年保管してもらったとしても
いわゆる「保管料」のようなものはかかりません。

また、
法務局へ保管してもらう遺言書を自身で作成する場合は
紙とペンさえあれば作成できますから
遺言書作成自体の費用についても
ほとんどかからないといって良いでしょう。


【メリット2/安全に長期間保管してもらえる。】

2つ目のメリットは、
その「安全性」です。

遺言書保管制度が創設される以前は
自筆で書かれた遺言書の多くは
本人の自宅や親族の自宅などで
保管されていることが多かったため

いざ、相続が発生したときに
遺言書を紛失してしまってたり

または

遺言書を発見した人が
自身に都合の良いように加筆してしまったり

あるいは

相続人の1人が
自身に都合が悪いからと
破棄したり、隠してしまったりすることがありました。

こうしたことが原因で
せっかく残してくれた遺言書の内容どおりに
相続をすることができなくなってしまったり
相続人同士で
トラブルになってしまうケースが後を絶たなかったのですが、

遺言書保管制度を利用すれば
そうしたことが起こらないように
法務局に遺言書の原本を預かってもらうことができます。

そして
一度預けた遺言書については
遺言者が保管してもらうことを撤回しない限り
遺言書の原本は「遺言者の死後50年間」
遺言書のデータは「遺言者の死後150年間」
法務局において厳重に保管されることになりますので、

これまでのような
紛失や加筆修正や破棄隠匿などによるトラブルを防止することができる。
ということになります。

つまり、
“遺言書に書き残した想いを安全・確実に残すことができる。” 
という点が、2つ目のメリットです。


【メリット3/検認が不要になる。】

3つ目のメリットは、
その「検認という家庭裁判所での手続が不要になる。」という点です。

自筆で書いた遺言書については
遺言者の死後に、
家庭裁判所へ申立てを行い
相続人全員を家庭裁判所へ呼び出して
見つかった遺言書を確認するという
いわゆる「検認」という手続が必要です。

一方、
この遺言書保管制度を利用した場合は
法務局がそれまで厳重に保管していることや、
このあと解説する
「相続人全員へ遺言書の存在を知らせる仕組み」
も用意されていることから
この「検認」が不要とされています。

そのため、
遺言書保管制度を利用した場合は
残された人の手間と時間、
そして家庭裁判所へ支払う費用を省略することができることになります。


【メリット4/2つの通知制度がある。】

4つ目のメリットは、
法務局が相続人等に対して
「遺言書を保管していることを通知する2つの仕組み」
が用意されていることです。

遺言者がせっかく遺言書を書き残していたとしても
一部の相続人によって
相続できるはずの相続人が
遺言書の存在を知らないままに隠し通されてしまったり、
あるいは
相続人全員が
遺言書の存在を知らないままになってしまうといったことが
起きてしまうと
遺言書を書き残した意味が失われてしまいますから
そういったことにならないような仕組みが
用意されているということです。


まず、1つ目の通知の仕組みは
「関係遺言書保管通知」といって
遺言者の死後に
相続人等の中で誰か1人が
相続手続に使用することになる遺言書の証明書である
「遺言書情報証明書」の発行を受けたり
あるいは
「遺言書の閲覧」をした場合には、
法務局が
その他の相続人等に対して
遺言書が保管されている旨の通知をする仕組みです。

そして、2つ目の通知の仕組みは
「死亡時の通知」といって
遺言者が亡くなったときには
法務局が
遺言者が事前に指定した
相続人・受遺者・遺言執行者などのうち1人に対して
遺言書が保管されている旨の通知をする仕組みです。

この「死亡時の通知」を利用するかは
遺言者の「任意」ですが、
相続人等が
遺言者が亡くなったことや遺言書の存在について
すぐに気付いてもらえない可能性がある場合には
大いに効果を発揮する仕組みになっていますので、
利用されることをお勧めいたします。

ちなみに、
この「死亡時の通知」の仕組みについては
令和2年7月10日の
遺言書保管制度のスタートと同時ではなく
「令和3年度以降頃から」のスタートとされているので、
この点には注意が必要です。


【注意点について】

さて、
これまで遺言書保管制度のメリットを説明してきました。

続いて、
注意すべき点についてもお話をしていきたいと思いますが
少々長くなってしまったので
注意すべき点については
次回記事にて詳しくお話をさせていただきますね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

証券会社の相続手続と証券口座の種類について(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その2】

おはようございます!

今日は
前回の記事で解説をしてきました
証券会社で行う相続手続のお話の続きです!

前回の記事では
1、証券会社等での相続手続の必要書類について。
2、相続手続のために証券口座の開設を
  しないといけないことがあること。
3、開設する証券口座は
  基本的に被相続人と同じ会社のものでないといけないこと。
4、証券口座にはいくつかの種類があること。

の4つを解説させていただきました。

なお、
上記の詳細については
2020年8月1日付の記事
“証券会社の相続手続と証券口座の種類について
(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その1】”
をご覧ください!


さて、今回は
被相続人から相続した株式や投資信託を
相続人の証券口座へ移管するうえで
関係してくることが多い3種類の証券口座
「一般口座」
「特定口座」
「特別口座」
についての解説からスタートしていきたいと思います。


【証券口座の種類:一般口座ってなに?】

まずは
「一般口座」です。

一般口座を利用するうえでのポイントは
「原則、確定申告が必要になる口座」ということです。

一般口座を利用すると
自身で、
1月1日から12月31日まで1年間に
その口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益を計算して
翌年の2月16日から3月15日までに
原則、確定申告をしなければいけません。

例外的に
給与収入が一定額以下で
給与を受けているのが1箇所のみ
給与所得・退職所得以外の所得金額が一定額以下の人、
あるいは
公的年金等の収入が一定額以下で
年金以外の所得が一定額以下の人については
所得税の確定申告をする必要はありません。
ただし、住民税は申告が必要です。

また、
1年間を通算して損失となった場合には
確定申告はしなくても構いませんが
「譲渡損失の繰越控除」の適用を受けたい場合には
確定申告をしておく必要があります。

そのため
“確定申告の手間を省きたい。”と思われるのであれば
このあとに解説する「特定口座」を利用されることをおすすめします。


【証券口座の種類:特定口座ってなに?】

さて次は
「特定口座」です。

特定口座を利用するうえでのポイントは
先ほどの一般口座と異なり
「原則、確定申告が不要になる口座」ということです。

そして
特定口座には2種類あって
「源泉徴収あり」もしくは「源泉徴収なし」
のどちらかを選ぶことができます。

どちらを選んだ場合でも
口座名義人に代わって証券会社等が
1月1日から12月31日まで1年間に
その口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益を計算して
「特定口座年間取引報告書」というものを作成してくれます。

さらに
「源泉徴収あり」を選んだ場合は
証券会社等が口座名義人に代わって納税してくれるので
確定申告をする必要がありません。
なお、
自身で確定申告をしたい場合は、確定申告することもできます。

また
「源泉徴収あり」を選んだ場合は
この口座に配当金などを受け入れることで、
この口座で保有する株式や投資信託などの取引で発生した
譲渡損失や利益に
さらに配当金なども含めて
確定申告をすることなく損益通算することが可能になっています。

一方で
「源泉徴収なし」を選んだ場合は
確定申告が必要になりますが、
先ほどの
証券会社等が作成してくれる
「特定口座年間取引報告書」を参照することで
確定申告書類の作成の負担が大幅に軽減されます。


【証券口座の種類:特別口座ってなに?】

最後に
「特別口座」です。

この特別口座は
相続人の方が自ら開設する口座としての
「一般口座」や「特定口座」とは性質が異なっています。

特別口座のポイントは

“株式の発行会社が
信託銀行などに依頼して
株主(被相続人)が証券会社等に預け入れをしなかった株式を
株主(被相続人)のための保管用として開設した口座”
ということです。

2009年(平成21年)1月5日に
従前は紙ベースで作られていた上場会社の株券を
データで管理することになりました。
これを株券電子化というのですが、

この株券電子化までに
証券保管振替機構(ほふり)に株券が預託されなかった
上場会社の株式について、
株主の権利を守るため
株式の発行会社からの申出によって
株主名簿管理人である信託銀行などに開設された口座のことを
特別口座といいます。

ちなみに、
株券電子化後に上場した会社の株式についても
株主が証券会社等で口座を開設する手続きをしていない場合は
特別口座が開設されます。

そして
特別口座は
あくまでも保管用の口座であって
取引用の口座ではないので、
特別口座で保有する株式を
相続した場合や売却したい場合には、
あらかじめ
証券会社等に
上述の「一般口座」や「特定口座」などの取引口座を開設して、
株式を振り替える必要があります。


【被相続人の口座の種類によっては、相続人の証券口座へ移管できない。】

これまでの解説の中で
証券口座にはそれぞれ特徴があることを
お分かりいただけたかと思います。

では、
その特徴のある口座同士で
自由に移管をすることができるのでしょうか?

結論から言いますと

被相続人の証券口座の種類と
相続人の証券口座の種類によっては
移管できないことがあります。

つまり、
被相続人の証券口座にあわせて
きちんと移管することができる証券口座を
相続人は開設する必要があるということです。

具体例を挙げて解説すると


1、被相続人が「一般口座」のとき

このときは、
相続人の証券口座も
「一般口座」である必要があります。

被相続人が自身で
譲渡損失や利益を計算して
確定申告をする一般口座で
株式等を保有していたのですから
相続のタイミングで
その株式等を
確定申告不要の特定口座へ
移管することはできないということです。

あくまで
被相続人が一般口座で
株式等を保有していたのであれば
相続人も一般口座で移管を受けて
その株式等を売却した際には
きちんと譲渡損失や利益を計算して
確定申告をしてください。
ということになります。

ちなみに
「特別口座」は
相続人の意思によって開設するような口座ではないですし、
取引用の口座でもないため、
相続人の特別口座へ移管を受けることはないかと思われます。


2、被相続人が「特定口座」のとき

このとき、
相続人の証券口座は
「特定口座」でも「一般口座」でも
どちらでも大丈夫です。

被相続人が
確定申告不要の特定口座を開設している場合は
相続人も
特定口座へ移管を受けて
確定申告不要の恩恵を受けることが可能になるということです。

もちろん
特定口座へ移管を受けたうえで
確定申告をすることが可能であることについては
先述のとおりです。

一方
相続人が希望するのであれば
被相続人が特定口座で保有していた株式等を
相続人の一般口座へ移管を受けて
確定申告をすることも可能になっています。

なお、
相続人の特別口座へ移管を受けることがないことについては
先述のとおりです。


3、被相続人が「特別口座」のとき

このとき
相続人の証券口座は
「一般口座」である必要があります。

特別口座というのは
あくまでも保管用の口座であって
取引用の口座ではないので、
「特定口座」のように
確定申告不要の特別扱いがされる口座ではありません。

そのため
被相続人の口座が「特別口座」であるときは
相続人の証券口座へ移管する際も
被相続人の口座が「一般口座」であったときと同様に
「一般口座」への移管をしないといけない。
ということになります。

なお、
これまでと同様に
相続人の特別口座へ移管を受けることがないことについては
先述のとおりです。


【最後に】

余談ですが、
以前、無料相談のために
弊所にお越しになられたお客さまが

“銀行の相続手続だけでも
分からないことが多くて大変なのに
証券会社の相続手続は
さらに分からないことが多くて
正直、自力で行うのがしんどくなってしまった。。
もし、費用が安いのであれば、お任せしたいと思って来ました。”

と仰っておられたことを覚えています。

証券会社等の視点から見ると
どうしても必要な手続きであることも分かりますし

我々のような相続の専門家からすると
慣れた手続ではありますが、

一生のうちに
何度も相続手続を経験することのない
お客さまからすると
非常に難しく、
ストレスのかかる手続であることは間違いないかと思います。

相続の専門家としては

この難しい手続を
いかに分かりやすくご説明して
あるいは、
その一部や全部をサポートして
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こうした当たり前のことが実は重要なんだと
あらためて感じさせられた出来事だったと思います。


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今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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証券会社の相続手続と証券口座の種類について(一般口座・特定口座・特別口座ってなに?)【その1】

おはようございます!

今日は
証券会社で行う相続手続のお話です!

最近は
「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと
NISAやIDECOなど
投資に関しての優遇政策がとられていたり
株価の上昇が続いていることもあって
証券会社での口座開設が
かなり増えているようですね。

私自身
株式投資を始めて10数年経ちますので
投資家の方々と
楽しく投資のお話をするのが好きなんですが、

今日は
相続手続の専門家の視点から
株式や投資信託を保有する投資家の方に
相続が発生した場合の
相続手続について書いていきたいと思います。


【証券会社等での相続手続の必要書類は?】

株式や投資信託を保有する人が
お亡くなりになった場合
その株式や投資信託の名義を
相続人へ変更する手続(いわゆる相続手続)が必要になります。

そして
その相続手続は
その株式や投資信託の口座を管理している
証券会社や信託銀行(証券会社等)に対して
手続のために必要な書類を
提出して行うことになります。

では、どんな書類を提出しないといけないのでしょうか?

たとえば、
被相続人に関する戸籍謄本
被相続人に関する法定相続情報証明書
相続人に関する戸籍謄本
相続人の印鑑証明書
遺産分割協議書
遺言書
家庭裁判所の審判書
その他、証券会社等が指定する
相続手続申出書
口座開設届
本人確認書類
マイナンバー記載書類など

さまざまな書類の提出が必要になってきます。

もちろん
個々のケースや
対象となる証券会社等の取扱いによって
若干異なりますが
おおむね上記のような書類の提出を求められることが一般的です。


【相続手続のために証券口座の開設をしないといけない!?】

ところで
証券会社等での
株式や投資信託の相続手続について
よくご質問をいただくことがあります。

“私(相続人)は
株式や投資信託の取引をしないので
証券会社等の口座を持っていません。
被相続人の株式や投資信託を換金して
私(相続人)の銀行口座へ振り込んでもらうことはできますか?”

答えは、
“基本的にはできません。”
というのが現状です。

被相続人が遺言を書き残していて
さらに遺言執行者がいるケースにおいて、
遺言執行者が
遺言執行者名義で
株式や投資信託を換金するような場合など
一部の例外はありますが

基本的に
被相続人の株式や投資信託を
被相続人名義のまま換金することは認められておらず

一旦
相続人の方が
自身の証券会社等の口座で
被相続人の株式や投資信託を引き受け(これを「移管」といいます。)

相続人の名義になった後で
その株式や投資信託を売却して換金することになります。

つまり
相続人の方が
自身の名義の証券会社等の口座を持っていないときは
証券口座を開設したうえで
その口座へ被相続人の株式や投資信託の移管を受けて
その後
その株式や投資信託を売却して換金する必要がある。
ということになります。


【開設する証券口座は、被相続人と同じ会社のものでないといけないの?】

さらに、
被相続人の株式や投資信託の移管を受ける
相続人の証券会社等の口座は
基本的に
「被相続人と同じ証券会社等の口座」であることを求められます。

つまり
A証券会社で取引をしていた被相続人が亡くなった場合
B証券会社で取引をしている相続人が
被相続人の株式や投資信託を
B証券会社の相続人の口座へ
いきなり移管してもらうことはできないのです。

そのため
相続人の方が
証券会社等の口座を持っていないときはもちろんですが、
他の証券会社等の口座しか持っていないときも
被相続人と同じ証券会社等で
証券口座を開設しないといけない。
ということになります。


【相続の際、証券口座の種類について知っておきたいこと】

そして
証券口座を開設するとなると
証券口座の種類についての知識を持っておく必要があります。

この記事では
被相続人から相続した株式や投資信託を
相続人の証券口座へ移管するうえで
関係してくることが多い3種類の証券口座
「一般口座」
「特定口座」
「特別口座」
について、解説をしていきたいと思いますが、
少し長くなりそうなので
続きは次回に詳しくさせていただきますね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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