へいわ法務司法書士事務所

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相続人が行方不明のときはどうしたら良い?(不在者財産管理人制度について)

今日は
相続手続をするために
遺産分割協議書にハンコを押してもらいたいんだけれども
相続人の1人が行方不明で
手続を進めることができない。。。

そんなときに利用することができる
「不在者財産管理人制度」
についてのお話をしていきたいと思います!

この記事をご覧になられている一般の方からすると
「不在者財産管理人制度」ってなに?
となるかと思いますので、
簡単にご説明をさせていただきます。


【不在者財産管理人制度とは?】

「不在者財産管理人制度」というのは
住所地などにいない等の理由で居場所が分からず
容易に連絡を取ることができない人(不在者)がいるときは
その不在者の財産や権利を
その不在者に代わって管理してくれる人(財産管理人)
を選ぶことができる
という制度のことをいいます。

相続手続をするためには
多くの場合
相続人全員の協力が必要になりますが
その相続人の1人が不在者だと
手続に協力してくれるようお願いするにも
連絡がつきませんから
このままでは手続を前に進めることができません。

たとえば
ご主人が亡くなったので
その銀行預金を解約して払戻しを受けようと思ったけれど
相続人の1人が行方不明で
連絡がつかないとなると
そのままでは
いつまでたっても
銀行預金全額の払戻しはできないことになってしまいます。
(一部例外があります。)

そうすると
ご主人名義の預金で生計を立てていた奥さまは
たちまち生活に困ってしまうことになります。

こんなときに
行方不明の相続人の代わりに
遺産分割協議書にハンコを押してくれる人
つまり
不在者財産管理人を選ぶように
家庭裁判所へ申立てをすることができます。

そして
不在者財産管理人が選ばれた後は
その不在者財産管理人も含めて
相続人全員で遺産分割協議書を作成することで
その銀行預金を解約して払戻しを受けることも可能になります。


【不在者財産管理人の選任申立のしかたは?】

それでは
不在者財産管理人を選んでくれるように
家庭裁判所へ申立てをするときは
どのようにすれば良いのでしょうか?

以下に
手続の流れをまとめていますので
ご覧ください。


【不在者財産管理人の選任申立の申立書の書き方は?】

文章でご説明をするよりも
みほんをご覧いただいた方が分かりやすいかと思います。

相続手続をしようとしたところ
これまで存在すらも知らなかった相続人がいることが判明し
その相続人が住所地にも住んでいなかった。
遺産分割協議をするために
不在者財産管理人を選任したい。

そのようなケースを想定して作成した申立書のみほんを
以下にお示しします。

良ければ参考にしてください。


【予納金が必要なので、費用対効果の検討が必要です。】

先ほどお示ししました
手続の流れの部分で
予納金として
30万円から100万円程度を納付しないといけない
と書かせていただきました。

この金額
結構な金額ですよね。
(司法書士に申立手続を依頼した際の費用よりも高い。。。)

ですので
相続手続をすることで得られる金額と
この手続に要する費用とを比較したうえで
それでもなお
不在者財産管理人の選任申立をおこなうべきかについて
検討しておく必要があるかと思います。

ちなみに
不在者財産管理人は
不在者の財産を守ることがその仕事ですから
不在者の法定相続分よりも少ない取り分で
遺産分割協議に応じることは
「原則的には」ありません。

そのため、
想定よりも
自身の取り分が少なくなる
ということも考えられますので
その点も注意しておくと良いかと思います。

先ほど
「原則的には」と書きましたのは
例外的なケースもあるということです。

詳しくは相続手続に強い専門家にご相談されると良いかと思います。


【手続の途中で不在者が見つかることも。】

申立て前の事前調査では
不在者の居場所を見つけ出すことができなかったけれども
申立てをした後
不在者の居場所が判明するケースがあります。

民間の調査では限界がありますが
不在者財産管理人の選任申立をすることで
裁判所や法務省、警察等の公的機関への調査が入り
不在者の居場所が判明することがあるようです。

その場合は
予納金も不要ですし、
不在者財産管理人は選任されません。

その場合は
居場所が判明した不在者と連絡をとり
遺産分割協議を行うことになります。


【まとめ】

相続人が行方不明の場合でも
不在者財産管理人の選任申立を行うことで
相続手続を行うことが可能です。

不在者財産管理人の選任申立は
家庭裁判所に申立書と必要な資料一式を提出して行います。

不在者財産管理人の選任申立にあたっては
まず
役所や警察での調査を行ったり、
不在者へ郵便物を送付してみたり
住所地へ訪問して近隣への聞き取りを行ったりすることで
不在者の居場所について調査を行うことが必要です。

申立を行うと
家庭裁判所が不在者の居場所をさらに調査してくれます。

それでもなお
不在者の居場所が判明しないときは
予納金の納付をすることで
不在者財産管理人が選任されることになります。

不在者財産管理人が選任されると
不在者の代わりに
遺産分割協議に対応してくれるので
相続手続を進めることができるようになります。

以上が
今日の記事でお伝えしたいことでした。


ちなみに
不在者の住所・居所の調査や調査報告書の作成
戸籍謄本・住民票・財産資料の収集
申立書の作成など
不在者財産管理人の選任申立手続を
ご自身で行うことが難しい場合は
司法書士などの専門家に依頼して
手続をしてもらうことも可能です。

もし
お一人で抱えて悩んでおられるのであれば
まずは
相続手続に強い専門家に
ご相談してみてはいかがでしょうか?


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その2】

おはようございます!

前回、令和2年8月29日付の記事
“「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その1】” では

令和2年7月10日からスタートした
法務局で自筆の遺言書を保管してくれる制度である
「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリット

【メリット1/費用が安い!!】
【メリット2/安全に長期間保管してもらえる。】
【メリット3/検認が不要になる。】
【メリット4/2つの通知制度がある。】

について
お話をしてきました。


今日は
前回の続きとして
「自筆証書遺言書保管制度」の注意点について
お話をしていこうと思います。

今回お伝えしたい注意点は3つです。
1つずつ説明していきますので、
最後までお付き合いいただけますと幸いです。

【注意点1/管轄法務局への事前の予約が必要。】

まず
1つ目の注意点です。

遺言書保管制度の
法務局(遺言書保管所)で行う全ての手続は
「管轄法務局」への
「事前予約が必要」だということです。

遺言書保管制度の手続は
その日のうちに処理をする必要があるため
手続を行うために一定程度の時間を要することになります。

予約をせずに
法務局(遺言書保管所)で手続を行おうとすると
先に手続をしている人の手続が終わるまでの間
かなりの長時間待たされてしまったり
最悪の場合
その日は手続を受け付けてもらえない可能性があるため
最初から
予約を必須としているわけです。

また、
その予約は
「管轄の法務局」へする必要があります。

管轄の法務局については
少々わかりにくいので
簡単にまとめると
以下のとおりとなります。

1、はじめて遺言書の保管の申請をするときは
  →遺言者の「住所地」、「本籍地」、「所有不動産の所在地」
   のいずれかを管轄する法務局(遺言書保管所)

2、(すでに遺言書を法務局へ預けている場合で)
  (1)新たに、遺言書の保管の申請をするとき
  (2)遺言書の原本の閲覧をするとき
  (3)遺言書の保管申請の撤回をするときは
  →すでに遺言書が保管されている法務局(遺言書保管所)

3、(1)モニターでの遺言書の閲覧をするとき
  (2)遺言書保管事実証明書の交付を受けるとき
  (3)遺言書情報証明書の交付を受けるとき
  →どちらの法務局(遺言書保管所)でもOK

より具体的に
大阪府下の法務局(遺言書保管所)について
管轄法務局の連絡先とその管轄地域をまとめたものを
以下に貼り付けますので
良ければご覧ください。

そして
予約をする際は
以下の3つの方法が選べます。

1、法務局手続案内予約サービスの専用ホームページでの予約
  (受付時間:24時間365日可能)
 【専用ホームページはこちら】
  https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/

2、法務局(遺言書保管所)への電話予約
  (受付時間:平日8:30~17:15まで)

3、法務局(遺言書保管所)窓口での予約
  (受付時間:平日8:30~17:15まで)


1つ目の注意点をまとめると
遺言書保管制度の手続を利用する場合は
「管轄法務局を確認」のうえ
「事前予約」が必要ということです。

せっかく遺言書も書いて準備万端なのに
うっかり法務局への予約をし忘れて
手続ができなかった。。
なんてことになってしまわないように
ご注意ください。


【注意点2/高齢者にとって本人確認手続が難しいことがある。】

続いて
2つ目の注意点です。

遺言書保管制度を利用する場合は
「遺言者ご本人が」
必ず法務局に出向いて手続をする必要があります。

そのため
遺言書を残される方が
ご高齢で
足が悪かったり
障がいや疾患によって
法務局へ出向くことができないような場合は

この遺言書保管制度を利用するのではなく
公証人が
遺言者ご本人の自宅や入院先へ出張してきてくれる
公正証書遺言制度の利用を検討した方が良いかもしれません。


また
遺言書保管制度を利用する場合は
法務局で
遺言者ご本人が出頭してきているかを確認するため
本人確認書類の提示が必要とされています。

そして
その際に本人確認書類として要求されている書類は
以下のいずれか1点とされています。
・マイナンバーカード
・運転免許証
・運転経歴証明書
・旅券(パスポート)
・乗員手帳
・在留カード
・特別永住者証明書

上記のいずれも顔写真付きの公的証明書となっています。

顔写真付きの公的証明書によって
きちんと本人確認をするので
成りすましによって
勝手に遺言書が預けられてしまうといったことを
防止できるのですが

一方で
ご高齢の方が
これらの証明書を持っていないことが多い。
ということも事実ではないでしょうか?

上記の本人確認書類を持っていない場合は

遺言書保管制度を利用する前に
本人確認書類を作成するところから
スタートする必要があるということになってしまいますので
注意が必要です。


【注意点3/遺言書の内容までは確認してもらえない。】

最後に
3つ目の注意点です。

司法書士の視点から見ると
これが1番重要な注意点だと思います。

遺言者の方が
遺言書を書くからには
「残された人に負担をかけたくない。」であったり
「相続人同士で揉めて欲しくない。」などの理由があるかと思います。

そうすると
1番大切なのは
「遺言書の中身」だと思います。

つまり
遺言書に書かれた内容が
相続トラブルを防ぐために
適切かつ正確に書かれているか。
ということが大切だということです。

遺言書保管制度を利用した場合でも

法務局は
「保管をするうえで必要な範囲で」
「遺言書に形式的な問題がないか」
をチェックするにとどまるため

遺言書の内容については
自身で十分に注意して作成しておかないと

遺言書自体は有効だけれども
書かれている内容が不明確なため
色々な解釈が成り立ってしまったり

あるいは

矛盾する内容が記載されているために
遺言の内容を実現できないなど

かえって相続人間でトラブルになってしまうリスク
が残ることになります。


そうしたことにならないためには

遺言書保管制度を利用する前に
作成した遺言書について
専門家のアドバイスやチェックを受けておくことが
望ましいです。

そうすることで
費用を安く抑えながら
相続トラブルを十分に防ぐことができる遺言書を
安全確実に残すことができるからです。


もちろん
より相続トラブルのリスクを抑えたい場合には
公正証書による遺言を選択した方が良いケースもありますから

どの方法によって
遺言書を作成すべきかについて悩んでいるような場合にも
一度専門家のアドバイスを受けられた方が良いでしょう。


以上
「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと
その注意点のお話でした。

せっかくできた便利な制度を
上手く使いこなして
残された人が
相続トラブルで困ってしまわないように
しっかりと準備をしておきたいですね。


いかがでしたでしょうか?
この記事をご覧になられた皆さまのお役に立てたのであれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

相続人が行方不明のときはどうしたら良い?(不在者財産管理人制度について)

今日は
相続手続をするために
遺産分割協議書にハンコを押してもらいたいんだけれども
相続人の1人が行方不明で
手続を進めることができない。。。

そんなときに利用することができる
「不在者財産管理人制度」
についてのお話をしていきたいと思います!

この記事をご覧になられている一般の方からすると
「不在者財産管理人制度」ってなに?
となるかと思いますので、
簡単にご説明をさせていただきます。


【不在者財産管理人制度とは?】

「不在者財産管理人制度」というのは
住所地などにいない等の理由で居場所が分からず
容易に連絡を取ることができない人(不在者)がいるときは
その不在者の財産や権利を
その不在者に代わって管理してくれる人(財産管理人)
を選ぶことができる
という制度のことをいいます。

相続手続をするためには
多くの場合
相続人全員の協力が必要になりますが
その相続人の1人が不在者だと
手続に協力してくれるようお願いするにも
連絡がつきませんから
このままでは手続を前に進めることができません。

たとえば
ご主人が亡くなったので
その銀行預金を解約して払戻しを受けようと思ったけれど
相続人の1人が行方不明で
連絡がつかないとなると
そのままでは
いつまでたっても
銀行預金全額の払戻しはできないことになってしまいます。
(一部例外があります。)

そうすると
ご主人名義の預金で生計を立てていた奥さまは
たちまち生活に困ってしまうことになります。

こんなときに
行方不明の相続人の代わりに
遺産分割協議書にハンコを押してくれる人
つまり
不在者財産管理人を選ぶように
家庭裁判所へ申立てをすることができます。

そして
不在者財産管理人が選ばれた後は
その不在者財産管理人も含めて
相続人全員で遺産分割協議書を作成することで
その銀行預金を解約して払戻しを受けることも可能になります。


【不在者財産管理人の選任申立のしかたは?】

それでは
不在者財産管理人を選んでくれるように
家庭裁判所へ申立てをするときは
どのようにすれば良いのでしょうか?

以下に
手続の流れをまとめていますので
ご覧ください。


【不在者財産管理人の選任申立の申立書の書き方は?】

文章でご説明をするよりも
みほんをご覧いただいた方が分かりやすいかと思います。

相続手続をしようとしたところ
これまで存在すらも知らなかった相続人がいることが判明し
その相続人が住所地にも住んでいなかった。
遺産分割協議をするために
不在者財産管理人を選任したい。

そのようなケースを想定して作成した申立書のみほんを
以下にお示しします。

良ければ参考にしてください。


【予納金が必要なので、費用対効果の検討が必要です。】

先ほどお示ししました
手続の流れの部分で
予納金として
30万円から100万円程度を納付しないといけない
と書かせていただきました。

この金額
結構な金額ですよね。
(司法書士に申立手続を依頼した際の費用よりも高い。。。)

ですので
相続手続をすることで得られる金額と
この手続に要する費用とを比較したうえで
それでもなお
不在者財産管理人の選任申立をおこなうべきかについて
検討しておく必要があるかと思います。

ちなみに
不在者財産管理人は
不在者の財産を守ることがその仕事ですから
不在者の法定相続分よりも少ない取り分で
遺産分割協議に応じることは
「原則的には」ありません。

そのため、
想定よりも
自身の取り分が少なくなる
ということも考えられますので
その点も注意しておくと良いかと思います。

先ほど
「原則的には」と書きましたのは
例外的なケースもあるということです。

詳しくは相続手続に強い専門家にご相談されると良いかと思います。


【手続の途中で不在者が見つかることも。】

申立て前の事前調査では
不在者の居場所を見つけ出すことができなかったけれども
申立てをした後
不在者の居場所が判明するケースがあります。

民間の調査では限界がありますが
不在者財産管理人の選任申立をすることで
裁判所や法務省、警察等の公的機関への調査が入り
不在者の居場所が判明することがあるようです。

その場合は
予納金も不要ですし、
不在者財産管理人は選任されません。

その場合は
居場所が判明した不在者と連絡をとり
遺産分割協議を行うことになります。


【まとめ】

相続人が行方不明の場合でも
不在者財産管理人の選任申立を行うことで
相続手続を行うことが可能です。

不在者財産管理人の選任申立は
家庭裁判所に申立書と必要な資料一式を提出して行います。

不在者財産管理人の選任申立にあたっては
まず
役所や警察での調査を行ったり、
不在者へ郵便物を送付してみたり
住所地へ訪問して近隣への聞き取りを行ったりすることで
不在者の居場所について調査を行うことが必要です。

申立を行うと
家庭裁判所が不在者の居場所をさらに調査してくれます。

それでもなお
不在者の居場所が判明しないときは
予納金の納付をすることで
不在者財産管理人が選任されることになります。

不在者財産管理人が選任されると
不在者の代わりに
遺産分割協議に対応してくれるので
相続手続を進めることができるようになります。

以上が
今日の記事でお伝えしたいことでした。


ちなみに
不在者の住所・居所の調査や調査報告書の作成
戸籍謄本・住民票・財産資料の収集
申立書の作成など
不在者財産管理人の選任申立手続を
ご自身で行うことが難しい場合は
司法書士などの専門家に依頼して
手続をしてもらうことも可能です。

もし
お一人で抱えて悩んでおられるのであれば
まずは
相続手続に強い専門家に
ご相談してみてはいかがでしょうか?


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その2】

おはようございます!

前回、令和2年8月29日付の記事
“「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと注意点【その1】” では

令和2年7月10日からスタートした
法務局で自筆の遺言書を保管してくれる制度である
「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリット

【メリット1/費用が安い!!】
【メリット2/安全に長期間保管してもらえる。】
【メリット3/検認が不要になる。】
【メリット4/2つの通知制度がある。】

について
お話をしてきました。


今日は
前回の続きとして
「自筆証書遺言書保管制度」の注意点について
お話をしていこうと思います。

今回お伝えしたい注意点は3つです。
1つずつ説明していきますので、
最後までお付き合いいただけますと幸いです。

【注意点1/管轄法務局への事前の予約が必要。】

まず
1つ目の注意点です。

遺言書保管制度の
法務局(遺言書保管所)で行う全ての手続は
「管轄法務局」への
「事前予約が必要」だということです。

遺言書保管制度の手続は
その日のうちに処理をする必要があるため
手続を行うために一定程度の時間を要することになります。

予約をせずに
法務局(遺言書保管所)で手続を行おうとすると
先に手続をしている人の手続が終わるまでの間
かなりの長時間待たされてしまったり
最悪の場合
その日は手続を受け付けてもらえない可能性があるため
最初から
予約を必須としているわけです。

また、
その予約は
「管轄の法務局」へする必要があります。

管轄の法務局については
少々わかりにくいので
簡単にまとめると
以下のとおりとなります。

1、はじめて遺言書の保管の申請をするときは
  →遺言者の「住所地」、「本籍地」、「所有不動産の所在地」
   のいずれかを管轄する法務局(遺言書保管所)

2、(すでに遺言書を法務局へ預けている場合で)
  (1)新たに、遺言書の保管の申請をするとき
  (2)遺言書の原本の閲覧をするとき
  (3)遺言書の保管申請の撤回をするときは
  →すでに遺言書が保管されている法務局(遺言書保管所)

3、(1)モニターでの遺言書の閲覧をするとき
  (2)遺言書保管事実証明書の交付を受けるとき
  (3)遺言書情報証明書の交付を受けるとき
  →どちらの法務局(遺言書保管所)でもOK

より具体的に
大阪府下の法務局(遺言書保管所)について
管轄法務局の連絡先とその管轄地域をまとめたものを
以下に貼り付けますので
良ければご覧ください。

そして
予約をする際は
以下の3つの方法が選べます。

1、法務局手続案内予約サービスの専用ホームページでの予約
  (受付時間:24時間365日可能)
 【専用ホームページはこちら】
  https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/

2、法務局(遺言書保管所)への電話予約
  (受付時間:平日8:30~17:15まで)

3、法務局(遺言書保管所)窓口での予約
  (受付時間:平日8:30~17:15まで)


1つ目の注意点をまとめると
遺言書保管制度の手続を利用する場合は
「管轄法務局を確認」のうえ
「事前予約」が必要ということです。

せっかく遺言書も書いて準備万端なのに
うっかり法務局への予約をし忘れて
手続ができなかった。。
なんてことになってしまわないように
ご注意ください。


【注意点2/高齢者にとって本人確認手続が難しいことがある。】

続いて
2つ目の注意点です。

遺言書保管制度を利用する場合は
「遺言者ご本人が」
必ず法務局に出向いて手続をする必要があります。

そのため
遺言書を残される方が
ご高齢で
足が悪かったり
障がいや疾患によって
法務局へ出向くことができないような場合は

この遺言書保管制度を利用するのではなく
公証人が
遺言者ご本人の自宅や入院先へ出張してきてくれる
公正証書遺言制度の利用を検討した方が良いかもしれません。


また
遺言書保管制度を利用する場合は
法務局で
遺言者ご本人が出頭してきているかを確認するため
本人確認書類の提示が必要とされています。

そして
その際に本人確認書類として要求されている書類は
以下のいずれか1点とされています。
・マイナンバーカード
・運転免許証
・運転経歴証明書
・旅券(パスポート)
・乗員手帳
・在留カード
・特別永住者証明書

上記のいずれも顔写真付きの公的証明書となっています。

顔写真付きの公的証明書によって
きちんと本人確認をするので
成りすましによって
勝手に遺言書が預けられてしまうといったことを
防止できるのですが

一方で
ご高齢の方が
これらの証明書を持っていないことが多い。
ということも事実ではないでしょうか?

上記の本人確認書類を持っていない場合は

遺言書保管制度を利用する前に
本人確認書類を作成するところから
スタートする必要があるということになってしまいますので
注意が必要です。


【注意点3/遺言書の内容までは確認してもらえない。】

最後に
3つ目の注意点です。

司法書士の視点から見ると
これが1番重要な注意点だと思います。

遺言者の方が
遺言書を書くからには
「残された人に負担をかけたくない。」であったり
「相続人同士で揉めて欲しくない。」などの理由があるかと思います。

そうすると
1番大切なのは
「遺言書の中身」だと思います。

つまり
遺言書に書かれた内容が
相続トラブルを防ぐために
適切かつ正確に書かれているか。
ということが大切だということです。

遺言書保管制度を利用した場合でも

法務局は
「保管をするうえで必要な範囲で」
「遺言書に形式的な問題がないか」
をチェックするにとどまるため

遺言書の内容については
自身で十分に注意して作成しておかないと

遺言書自体は有効だけれども
書かれている内容が不明確なため
色々な解釈が成り立ってしまったり

あるいは

矛盾する内容が記載されているために
遺言の内容を実現できないなど

かえって相続人間でトラブルになってしまうリスク
が残ることになります。


そうしたことにならないためには

遺言書保管制度を利用する前に
作成した遺言書について
専門家のアドバイスやチェックを受けておくことが
望ましいです。

そうすることで
費用を安く抑えながら
相続トラブルを十分に防ぐことができる遺言書を
安全確実に残すことができるからです。


もちろん
より相続トラブルのリスクを抑えたい場合には
公正証書による遺言を選択した方が良いケースもありますから

どの方法によって
遺言書を作成すべきかについて悩んでいるような場合にも
一度専門家のアドバイスを受けられた方が良いでしょう。


以上
「自筆証書遺言書保管制度」の4大メリットと
その注意点のお話でした。

せっかくできた便利な制度を
上手く使いこなして
残された人が
相続トラブルで困ってしまわないように
しっかりと準備をしておきたいですね。


いかがでしたでしょうか?
この記事をご覧になられた皆さまのお役に立てたのであれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。