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2019/11/16

2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!

こんにちは!

先日、2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中で
会社が強制的に解散されて、その登記がされてしまうことがある。
といったお話をさせていただきましたが、
今日はこれをテーマに詳しくお話をさせていただこうと思います。
(上記記事もこの記事の理解に役立ちますので、ぜひご覧ください。)

毎年、相当数の会社が対象となってしまっていますので、
このブログ記事を読まれている方の周囲では
そのようなことにないように、ぜひご注意くださいね。


【みなし解散とは?】
平成26年度以降、毎年、
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人を対象に
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を送り
それを受けた休眠会社等が一定期間内に対応をしなければ
強制的に解散したものとみなして
その登記をしてしまうという措置をとっています。
これを「みなし解散」といいます。


【対象となる休眠会社等とは?】
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人のことを
「休眠会社等」といいますが、
具体的には以下のような会社等のことをいいます。
・「最後の登記から12年を経過している株式会社」
・「最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人」

そのため、
役員は社長1人だけの会社であったり、
家族経営の会社であったり、
事実上、事業を休止している会社であって、
「実際は役員が変わっていない」会社であっても、
法律上は役員の任期が満了する都度、再任の登記手続をする必要があるため、
最初の就任時には登記手続をしたけれども、
その後、一定期間、再任の登記手続をせずに放置している場合には、
この「休眠会社等」に該当してしまうことがあります。

ちなみに、
一定期間、登記手続をする必要が発生しない可能性もある
有限会社や合同会社、合名会社、合資会社などは対象とされていません。


【みなし解散を行っている理由と対象となった休眠会社等の数】
それでは、
なぜ法務局はそのような「みなし解散」をするのでしょうか?

本来、一定期間内に登記手続をすべきである会社等にもかかわらず
長期間登記がされていないということは
既に事業を廃止しているか、実態がない状態となっている可能性が高く
このような休眠状態の会社等の登記をそのままにしておくと
登記制度に対する国民の信頼が損なわれることになってしまうことや
休眠会社等が売買されて犯罪等に利用される可能性があること等
の理由から、このみなし解散を毎年実施しています。

そして、
実際に、毎年相当数の休眠会社等がみなし解散をされています。
平成26年は、株式会社…78,979社、その他…478社
平成27年は、株式会社…15,982社、その他…645社
平成28年は、株式会社…16,223社、その他…734社
平成29年は、株式会社…18,146社、その他…992社
平成30年は、株式会社…24,720社、その他…1,208社
(法務省開示資料より)

平成26年の数字が大きいのは、
その前に行われたのが平成14年だったこともあり
その間に対象会社等の数が増加したからだと思われます。

その後、毎年、対象会社等の数は増加傾向にありますが、
平成18年の会社法により、
役員の任期を最大10年にできるようになってからは
「前回の登記をしてから10年後に登記をしないといけないこと」を
「うっかり忘れてしまった。」ということが原因の会社も
相当数含まれていると思われます。
(10年後にしようと思っていたことを覚えている人の方が少ないですよね。)


【2019年10月10日、法務局より通知文書が送られました】
今年(2019年、令和元年)も
みなし解散の手続を実施するため、
2019年10月10日付で、
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を発送しました。

今年対象となる会社等は
例えば、以下のような会社等です。
・役員の任期を10年にしている。
・平成19年9月以前に役員の変更登記をしたのが最後となっている。


【どんな通知文書が届くの?】
法務局より届く通知文書は以下のようなものが届くことになっています。
「そういや、こんな書類が届いていたな。」という方は
放置せずにすぐに対応してください!


【通知文書が届かない会社等もあります。】
対象となる会社等であっても、
何らかの理由で通知文書が届かないことがあります。
その理由として考えられるのが次のようなものです。
「社名(商号・名称)を変更しているが、その登記もしていない。」
「本店(主たる事務所)を移転しているが、その登記もしていない。」
このような場合、
通知文書が届くことはありませんが、
みなし解散の対象となる会社等から免れるということはなく、
むしろ、なんの知らせもないまま「ある日突然、会社が解散していた。」
ということになりますので、注意が必要です。


【今年のみなし解散を回避する期限は、2019年12月10日(火)まで】
今年(2019年、令和元年)のみなし解散を回避する期限は、
「2019年(令和元年)12月10日(火)まで」となっています!

期限までに
「まだ事業を廃止していない旨の届出」を法務局に対してするか
「これまでしていなかった登記手続」を法務局で行うかしなければ、
対象となった会社等は
2019年(令和元年)12月11日(水)付で解散したものとみなされ、
法務局が職権で解散登記をすることになります。
つまり、
会社の登記簿(履歴事項全部証明書)にその記載がされてしまい、
誰でもその記載を確認できてしまうということです。


【心当たりのある会社さんは、まずは確認を!】
みなし解散がされてしまうと
事業継続するうえで、
会社の信用にも影響が出てきてしまいますし、
さらにそのまま放置すれば
事業継続が不可能になることもあります。

「法務局から通知書が届いた!」という方はもちろん、
「最近、法務局での登記手続をしていないな。」
「最近、司法書士と連絡していないな。」という方は、
ぜひ、会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。


【みなし解散になっても、過料から逃れることはできない】
2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中でも
お話をしましたが、
一定期間内に必要な登記手続をしなければ
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

これは、
ずっと登記手続を放置し続けて
みなし解散となった場合であっても逃れることはできないことになっています。
むしろ、
みなし解散となる会社等は
そのこと自体で、登記手続を怠っていたことが明らかになるわけですから
みなし解散にあわせて、過料の支払いを求められることもあるようです。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向がありますので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。
【みなし解散されてしまった場合はどうしたらいいの?】
それでも
「みなし解散をされてしまった!」というご相談をいただくことがあります。
その場合、
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
によって、行うべき手続が変わってきます。

もし、
「会社を継続させたい!」とお考えの場合は、
早めに対応をする必要があります。
みなし解散がされてしまった会社等の場合、
会社を継続するためには期限があって、
「解散したとみなされた日から3年以内」が期限とされているからです。

記事が長くなってしまいましたので、
詳しい手続については、
また別の記事でご説明させていただこうと思いますので
ぜひご覧ください。


【最後に】
最後に、もう一度お伝えさせていただきます。
今年のみなし解散を回避する期限は、
「2019年12月10日(火)まで」です。

改めて、自社の会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。

ある日突然、会社がみなし解散されていた…。
そんなことにならないよう、この記事がお役に立ったのであれば幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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