へいわ法務司法書士事務所

※初回相談無料です。お気軽にご連絡ください。匿名での問い合わせは対応いたしかねますので、予めご了承ください。

今年も医療法人・社会福祉法人の資産総額の変更登記の時期になりました!

おはようございます!

今年もまたこの時期がやってきました!

タイトルのとおり

多くの医療法人さんや
社会福祉法人さんでは
決算の承認を受けて
資産総額の変更登記をしなければならない時期です!

具体的には、
今年は
「6月30日」が
資産総額の変更登記をしなければならない期限になっていますので、
うっかり登記手続を忘れてしまわないようにご注意ください!

なお、
登記手続のために法務局へ提出する
「財産目録」の内容についてや、
その他詳細については、

昨年7月20日付の弊所ブログ記事
「毎年していますか?資産の総額の変更登記について」
https://heiwahomu.net/2019/07/20/%e6%af%8e%e5%b9%b4%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%99%e3%81%8b%ef%bc%9f%e8%b3%87%e7%94%a3%e3%81%ae%e7%b7%8f%e9%a1%8d%e3%81%ae%e5%a4%89%e6%9b%b4%e7%99%bb%e8%a8%98%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84/
にも書かせていただいておりますので、
詳細はそちらをご覧いただけると幸いです。


それでも
うっかり登記手続を忘れてしまい
期限を過ぎてもなお登記手続を怠っていると
「過料(かりょう)」という
罰金のようなものを支払わないといけなくなる可能性があります。

過料の請求は
裁判所から法人代表者(理事長など)の
個人住所地宛てに
「過料を支払いなさい。」という内容の書面が
送付されて行われることになります。

ある日突然、
裁判所から
理事長の自宅へ
書類が送られてしまうことを想像するとゾッとしますよね。。

しかも、
過料を請求されてしまうと
基本的に免れることはできませんので、
理事長は
過料を支払わなければならなくなってしまいます。

そして
この支払った過料は
法人の経費や損金として処理することもできません。

単純にもったいないだけのコストとなってしまいますので、
やはり注意が必要です。

その他
過料については
「たった1日期限を過ぎてしまったときでも過料はかかるの?」
「過料請求の通知書はいつ頃送られてくるの?」
「過料請求をされると前科がついてしまうの?」
など
ご質問をいただくことがありますが、

昨年11月2日付の弊所ブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」
https://heiwahomu.net/2019/11/02/%e4%bd%8f%e6%89%80%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%ae%e6%89%8b%e7%b6%9a%e3%81%8c%e9%81%85%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%a7%e3%82%82%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%90%e4%b8%87%e5%86%86%e3%81%ae%e7%bd%b0/
に詳しく書いていますので、
良ければご覧ください。

上記記事は
株式会社などを対象として書いた記事ですが
基本的な仕組みは
医療法人も社会福祉法人も一緒です。

大きく異なるのは
過料の上限金額が20万円とされていることです。
(医療法第93条第1号)
(社会福祉法第133条第1号)


今年の
資産の総額変更登記の期限まで
残すところあと10日です!

今からでも間に合いますので
まだ手続をされていない方は
急いで手続をしてくださいね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

法人の印鑑証明書が添付不要になったことに伴う注意点(令和2年3月30日不動産登記規則等の一部改正)

おはようございます!

今日は法改正に関するお話です!

少し専門的なお話ですが、
司法書士はもちろん
不動産を保有している法人さま、
不動産取引に関わる皆さまには
大いに影響のあるテーマなので、ぜひご覧ください。

さて、
タイトルにもあるように
不動産登記規則等の一部を改正する省令が
令和2年3月30日に施行されました。

この改正省令によって
これまでは、
多くの不動産登記手続において添付を要求されていた
法人の印鑑証明書の添付が不要になるなど、
実務上の取扱いに大きな変更が生じることになりました。

そこで、
「今回の改正のポイント」と
改正に伴う「実務上の注意点」について、
今日は解説していこうと思います。


改正のポイント(1)
【会社法人等番号の提供で、印鑑証明書は添付省略できるようになりました!】

不動産登記申請の際、
不動産の売主や担保提供者などの登記義務者
が法人である場合、
会社法人等番号を提供することにより、
日本全国の法務局において、
当該法人の印鑑証明書の
添付を省略することが可能になりました。

ちなみに、
この取扱いは

不動産登記申請の添付書面として
利益相反取引に伴う各種議事録を提供する際の
当該法人の印鑑証明書や

抵当権設定登記時の登記識別情報や登記済証を紛失しているために
事前通知制度等を利用して
抵当権抹消登記を行う際の、
抵当権者である金融機関等の印鑑証明書

などについても同様とされています。

今回の改正により、
日本全国の法務局において
その保有する法人の印鑑に関するデータに基づいて、
印影の照合などの
不動産登記申請に関する審査を行うこととされました。

なお、
印鑑証明書の添付省略は可能になったものの
実際に印鑑証明書が添付された場合には、
当該印鑑証明書に基づいて登記申請の審査をしても
差し支えないとされています。


改正のポイント(2)
【法人の資格証明書の有効期限を3カ月に戻しました!】

過去行われた
不動産登記令の改正によって、
平成27年(2015年)11月2日以降、
法人の資格証明書
(履歴事項全部証明書、代表者事項証明書など)
の有効期限は
「不動産の登記申請時点で、作成後1ケ月以内」
とされていましたが、
今回の改正省令によって、
「不動産の登記申請時点で、作成後3ケ月以内」
と、それ以前の取扱いに戻されることになりました。

なお、
会社法人等番号の提供によって、
「当該資格証明書の添付省略が可能」
である点については、
これまでと同様です。


【通知・通達の紹介】

この省令改正に関して
以下の通知・通達が発出されていますので
ここで紹介しておきます。

不動産登記事務取扱手続準則の一部改正について(通達)
令和2年3月27日付法務省民二第304号


不動産登記事務取扱手続準則の一部改正に伴う
登記事務の取扱いについて(依命通知)
令和2年3月27日付法務省民二第305号


不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う
不動産登記事務等の取扱いについて(通達)
令和2年3月30日付法務省民二第318号


(参考) 
不動産登記規則等の一部を改正する省令
令和2年3月30日施行
【実務上の注意点】

法人の印鑑証明書の添付を省略することが可能になった!
それをもって
不動産取引の実務として
法人の印鑑証明書は完全に不要になった!

と言えるのでしょうか?

この点については
十分に注意が必要だと考えています。

司法書士である私個人の見解ということにはなりますが
多くの不動産登記手続については、
これまでと変わらず
当事者の権利保全の観点から
印鑑証明書の添付省略は行わず、
印鑑証明書を添付のうえ
登記申請を行うことが望ましいと考えています。

その理由については
後ほど詳しく書いていきます。

しかしながら、
事前通知制度等を利用してする
抵当権抹消登記申請など
一部のケースにおいては
印鑑証明書添付省略の制度を活用できる場面もあると考えています。


【実務上の注意点に関する解説】

先ほどお話をしました
「実務上の注意点」について
もう少し詳しく書いていきます。

会社法人等番号を提供することによって
法人の印鑑証明書の添付を省略した場合、
不動産の登記申請を受け付けた法務局においては、
先述のとおり、
法務局が保有する法人の印鑑に関するデータに基づいて、
印影の照合などの審査を行うことになります。

審査の結果、
登記委任状などに押印された印影が
印鑑証明書上の印影と異なっている場合は、
登記申請が却下されることになります。(※)

(※)
実務上、
法務局は、いきなり登記申請を却下するということはせずに
まず、印鑑証明書上の印影と同じ印影で押印された
登記委任状などを提出するように補正を促すことになります。
そして
事情によって
(登記義務者が押印を拒否したり、音信不通になったようなケース)
そうした書類を提出することができないケースにおいては
登記申請を却下する。
という流れになります。

話を戻しまして、
仮に、
登記申請を
「(1)印影の確認を行わず、印鑑証明書の添付も行わない方法」や
「(2)(印鑑証明書のコピー等によって)印影の確認を行うが、
印鑑証明書の添付は行わない方法」
によってした場合においては、
(1)の方法では、
「印影が異なっていること」および
「押印された印影が登記申請までに改印されること」による、
登記申請却下のリスクを排除することができません。

また、
(2)の方法では、
「押印された印影が登記申請までに改印されること」による、
登記申請却下のリスクを排除することができません。

現状
司法書士がその職権によって
法人の印鑑証明書の印影や記載内容を
即時に確認できるシステムが用意されていないことも踏まえると

不動産売買や融資実行に伴う
多くの不動産登記手続については、
買主の権利取得や
金融機関の債権保全を確実なものとするため、
印鑑証明書(原本)を添付し、
その印鑑証明書に基づいて登記申請が審査されるように、
印鑑証明書添付省略の方法は回避すべきではないかと考えています。

しかしながら、
抵当権設定登記時の登記識別情報や登記済証を紛失しているために
事前通知制度等を利用して行う抵当権抹消登記申請などのように、
不正が行われるリスクが極めて低い、
あるいは、
万が一登記申請が却下されたとしても
当事者がこれを許容できるような不動産登記手続については、
印鑑証明書添付省略の制度を活用できる場面もあると考えています。


改正省令が施行されて
まだ2カ月程度しか経過しておらず
不正登記がなされたという情報は入ってきていませんが
今後
この取り扱いが実務に与える影響を注視しつつ
また、新たな情報が入りましたら
このブログで発信させていただく予定です。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

今年も医療法人・社会福祉法人の資産総額の変更登記の時期になりました!

おはようございます!

今年もまたこの時期がやってきました!

タイトルのとおり

多くの医療法人さんや
社会福祉法人さんでは
決算の承認を受けて
資産総額の変更登記をしなければならない時期です!

具体的には、
今年は
「6月30日」が
資産総額の変更登記をしなければならない期限になっていますので、
うっかり登記手続を忘れてしまわないようにご注意ください!

なお、
登記手続のために法務局へ提出する
「財産目録」の内容についてや、
その他詳細については、

昨年7月20日付の弊所ブログ記事
「毎年していますか?資産の総額の変更登記について」
https://heiwahomu.net/2019/07/20/%e6%af%8e%e5%b9%b4%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%99%e3%81%8b%ef%bc%9f%e8%b3%87%e7%94%a3%e3%81%ae%e7%b7%8f%e9%a1%8d%e3%81%ae%e5%a4%89%e6%9b%b4%e7%99%bb%e8%a8%98%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84/
にも書かせていただいておりますので、
詳細はそちらをご覧いただけると幸いです。


それでも
うっかり登記手続を忘れてしまい
期限を過ぎてもなお登記手続を怠っていると
「過料(かりょう)」という
罰金のようなものを支払わないといけなくなる可能性があります。

過料の請求は
裁判所から法人代表者(理事長など)の
個人住所地宛てに
「過料を支払いなさい。」という内容の書面が
送付されて行われることになります。

ある日突然、
裁判所から
理事長の自宅へ
書類が送られてしまうことを想像するとゾッとしますよね。。

しかも、
過料を請求されてしまうと
基本的に免れることはできませんので、
理事長は
過料を支払わなければならなくなってしまいます。

そして
この支払った過料は
法人の経費や損金として処理することもできません。

単純にもったいないだけのコストとなってしまいますので、
やはり注意が必要です。

その他
過料については
「たった1日期限を過ぎてしまったときでも過料はかかるの?」
「過料請求の通知書はいつ頃送られてくるの?」
「過料請求をされると前科がついてしまうの?」
など
ご質問をいただくことがありますが、

昨年11月2日付の弊所ブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」
https://heiwahomu.net/2019/11/02/%e4%bd%8f%e6%89%80%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%ae%e6%89%8b%e7%b6%9a%e3%81%8c%e9%81%85%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%a7%e3%82%82%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%90%e4%b8%87%e5%86%86%e3%81%ae%e7%bd%b0/
に詳しく書いていますので、
良ければご覧ください。

上記記事は
株式会社などを対象として書いた記事ですが
基本的な仕組みは
医療法人も社会福祉法人も一緒です。

大きく異なるのは
過料の上限金額が20万円とされていることです。
(医療法第93条第1号)
(社会福祉法第133条第1号)


今年の
資産の総額変更登記の期限まで
残すところあと10日です!

今からでも間に合いますので
まだ手続をされていない方は
急いで手続をしてくださいね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。

法人の印鑑証明書が添付不要になったことに伴う注意点(令和2年3月30日不動産登記規則等の一部改正)

おはようございます!

今日は法改正に関するお話です!

少し専門的なお話ですが、
司法書士はもちろん
不動産を保有している法人さま、
不動産取引に関わる皆さまには
大いに影響のあるテーマなので、ぜひご覧ください。

さて、
タイトルにもあるように
不動産登記規則等の一部を改正する省令が
令和2年3月30日に施行されました。

この改正省令によって
これまでは、
多くの不動産登記手続において添付を要求されていた
法人の印鑑証明書の添付が不要になるなど、
実務上の取扱いに大きな変更が生じることになりました。

そこで、
「今回の改正のポイント」と
改正に伴う「実務上の注意点」について、
今日は解説していこうと思います。


改正のポイント(1)
【会社法人等番号の提供で、印鑑証明書は添付省略できるようになりました!】

不動産登記申請の際、
不動産の売主や担保提供者などの登記義務者
が法人である場合、
会社法人等番号を提供することにより、
日本全国の法務局において、
当該法人の印鑑証明書の
添付を省略することが可能になりました。

ちなみに、
この取扱いは

不動産登記申請の添付書面として
利益相反取引に伴う各種議事録を提供する際の
当該法人の印鑑証明書や

抵当権設定登記時の登記識別情報や登記済証を紛失しているために
事前通知制度等を利用して
抵当権抹消登記を行う際の、
抵当権者である金融機関等の印鑑証明書

などについても同様とされています。

今回の改正により、
日本全国の法務局において
その保有する法人の印鑑に関するデータに基づいて、
印影の照合などの
不動産登記申請に関する審査を行うこととされました。

なお、
印鑑証明書の添付省略は可能になったものの
実際に印鑑証明書が添付された場合には、
当該印鑑証明書に基づいて登記申請の審査をしても
差し支えないとされています。


改正のポイント(2)
【法人の資格証明書の有効期限を3カ月に戻しました!】

過去行われた
不動産登記令の改正によって、
平成27年(2015年)11月2日以降、
法人の資格証明書
(履歴事項全部証明書、代表者事項証明書など)
の有効期限は
「不動産の登記申請時点で、作成後1ケ月以内」
とされていましたが、
今回の改正省令によって、
「不動産の登記申請時点で、作成後3ケ月以内」
と、それ以前の取扱いに戻されることになりました。

なお、
会社法人等番号の提供によって、
「当該資格証明書の添付省略が可能」
である点については、
これまでと同様です。


【通知・通達の紹介】

この省令改正に関して
以下の通知・通達が発出されていますので
ここで紹介しておきます。

不動産登記事務取扱手続準則の一部改正について(通達)
令和2年3月27日付法務省民二第304号


不動産登記事務取扱手続準則の一部改正に伴う
登記事務の取扱いについて(依命通知)
令和2年3月27日付法務省民二第305号


不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う
不動産登記事務等の取扱いについて(通達)
令和2年3月30日付法務省民二第318号


(参考) 
不動産登記規則等の一部を改正する省令
令和2年3月30日施行
【実務上の注意点】

法人の印鑑証明書の添付を省略することが可能になった!
それをもって
不動産取引の実務として
法人の印鑑証明書は完全に不要になった!

と言えるのでしょうか?

この点については
十分に注意が必要だと考えています。

司法書士である私個人の見解ということにはなりますが
多くの不動産登記手続については、
これまでと変わらず
当事者の権利保全の観点から
印鑑証明書の添付省略は行わず、
印鑑証明書を添付のうえ
登記申請を行うことが望ましいと考えています。

その理由については
後ほど詳しく書いていきます。

しかしながら、
事前通知制度等を利用してする
抵当権抹消登記申請など
一部のケースにおいては
印鑑証明書添付省略の制度を活用できる場面もあると考えています。


【実務上の注意点に関する解説】

先ほどお話をしました
「実務上の注意点」について
もう少し詳しく書いていきます。

会社法人等番号を提供することによって
法人の印鑑証明書の添付を省略した場合、
不動産の登記申請を受け付けた法務局においては、
先述のとおり、
法務局が保有する法人の印鑑に関するデータに基づいて、
印影の照合などの審査を行うことになります。

審査の結果、
登記委任状などに押印された印影が
印鑑証明書上の印影と異なっている場合は、
登記申請が却下されることになります。(※)

(※)
実務上、
法務局は、いきなり登記申請を却下するということはせずに
まず、印鑑証明書上の印影と同じ印影で押印された
登記委任状などを提出するように補正を促すことになります。
そして
事情によって
(登記義務者が押印を拒否したり、音信不通になったようなケース)
そうした書類を提出することができないケースにおいては
登記申請を却下する。
という流れになります。

話を戻しまして、
仮に、
登記申請を
「(1)印影の確認を行わず、印鑑証明書の添付も行わない方法」や
「(2)(印鑑証明書のコピー等によって)印影の確認を行うが、
印鑑証明書の添付は行わない方法」
によってした場合においては、
(1)の方法では、
「印影が異なっていること」および
「押印された印影が登記申請までに改印されること」による、
登記申請却下のリスクを排除することができません。

また、
(2)の方法では、
「押印された印影が登記申請までに改印されること」による、
登記申請却下のリスクを排除することができません。

現状
司法書士がその職権によって
法人の印鑑証明書の印影や記載内容を
即時に確認できるシステムが用意されていないことも踏まえると

不動産売買や融資実行に伴う
多くの不動産登記手続については、
買主の権利取得や
金融機関の債権保全を確実なものとするため、
印鑑証明書(原本)を添付し、
その印鑑証明書に基づいて登記申請が審査されるように、
印鑑証明書添付省略の方法は回避すべきではないかと考えています。

しかしながら、
抵当権設定登記時の登記識別情報や登記済証を紛失しているために
事前通知制度等を利用して行う抵当権抹消登記申請などのように、
不正が行われるリスクが極めて低い、
あるいは、
万が一登記申請が却下されたとしても
当事者がこれを許容できるような不動産登記手続については、
印鑑証明書添付省略の制度を活用できる場面もあると考えています。


改正省令が施行されて
まだ2カ月程度しか経過しておらず
不正登記がなされたという情報は入ってきていませんが
今後
この取り扱いが実務に与える影響を注視しつつ
また、新たな情報が入りましたら
このブログで発信させていただく予定です。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
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