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2020/01/18

みなし解散されてしまった会社を復活させたいときの『会社継続手続』について

こんにちは!

今日は
いわゆる「みなし解散」されてしまったとき
会社を継続するための手続についてのお話です。

2019年11月16日付のブログ記事
「2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!」
の中で、
・あなたが知らないうちに会社が解散させられてしまうことがある。
・そのまま放置すると事業継続が不可能になることがある。
・それを回避するための2019年の期限は「12月10日」。
といったことをお話しましたが、
昨年末から
この対象となった会社さんから
ご依頼・ご相談をいただくことがありました。

ある会社さんは
法務局から通知文書が届き
期限の直前ではありますが、
弊所にご依頼くださいました。
まずは、
会社がみなし解散されることを回避するため
法務局へ「事業を廃止していない旨の届出」を行って
会社が解散されることを回避したうえで
その後、適切な登記手続を行うことができました。

そして今後は
会社役員の登記手続を
うっかり忘れてしまうことがないように
弊所で会社役員の任期を管理し
適切な時期に通知を行うサポートを
させていただくことになりました。

一方で
ある会社さんが
会社の登記手続をご依頼くださったので
弊所でその会社さんの登記記録を確認したところ、
法務局によって、
みなし解散の手続がとられていることが判明しました。

法務局からの通知文書は届きませんでしたか?
と、事情をお聞きすると、
ながらく会社を休眠状態にしていて
実際の本社機能も
登記をしている本店所在地とは違う場所にあったので
通知文書を受け取ることができなかったことがわかりました。

つまり、
その会社さんがまったく知らないうちに
会社が解散させられてしまっていた。
ということです。

とはいえ、
会社として事業を再スタートしたい!
とのご希望でしたので、
会社継続の手続を行うことになりました。

この2つの会社さんのように
みなし解散を回避する期限である
「2019年12月10日」の前後で
取り得る手続が違ってくるわけですが
昨年、みなし解散されてしまったという会社さんにとって
現時点で取り得る対応策である
「会社継続」の手続について
今回は書いていこうと思います。


【みなし解散から会社継続するために行う手続】
「みなし解散」の状態から会社継続するために行う手続は
以下の2つです。
1、株主総会などを開催して必要事項を決議する。
2、その登記手続を行う。

「法務局からの通知文書が届いたけど放置している。」
「会社の印鑑証明書が取れない。」
「会社の履歴事項全部証明書(会社謄本)を見ると解散と書いていた。」
など、
あなたの会社が「みなし解散」されていると気づいたのであれば、
その後「3年以内」であれば
株主総会を開催して
会社を継続することができます。
(3年を過ぎると、会社を閉じることしかできなくなります。)


【株主総会などで決議すべき必要事項とは?】
それでは、
「株主総会などで決議すべき必要事項」とは何でしょうか?

具体的な例を挙げてご説明しますね。

みなし解散がされる前の状態(株式会社)です。
代表取締役 A、取締役 B
取締役会、監査役は非設置
代表取締役は取締役の互選で選定する旨の規定があります。

みなし解散の登記がされたことにより
解散前の取締役は全員失職し
登記記録にもそれを示す下線が引かれています。
また、
みなし解散の場合は
清算人が選任されていないため、その登記はされていません。

この状態から会社を継続し
みなし解散がされる前と同じ状態に戻すというケースです。

この場合、
まず、株主総会で以下の決議をすることになります。
1、会社継続
2、取締役A・Bの選任

続いて、取締役A・Bによる互選によって
以下の決定をすることになります。
3、代表取締役Aの選定


【行うべき登記手続とは?】
必要事項を決議することができたのであれば
次は、法務局での登記手続です。

先ほどのケースであれば
以下の登記手続をすることになります。
1、令和1年12月11日清算人及び代表清算人就任
2、会社継続
3、取締役及び代表取締役の変更

登録免許税は
合計で49,000円です。
1の清算人就任で、9,000円
2の会社継続で、30,000円
3の取締役等の変更で、10,000円
(3につき、資本金1億円超の会社は、30,000円になります。)


【登記手続の添付書類は?】
先ほどの登記手続を行うために
法務局に提出すべき添付書類は以下のとおりです。
1、定款
 ※「定款で定めた清算人がいないこと」を証明するために
  解散時点の内容の定款を用意する必要があります。
2、株主総会議事録
 ※前述の決議事項を記載します。
3、株主リスト
 ※株主名簿や決算書の別表2など、株主の判明するもの
  の記載に基づいて作成します。
4、取締役の互選書
 ※前述の決定事項を記載します。
5、就任承諾書(取締役A、B及び代表取締役A)
 ※A及びBは個人実印を押印します。
6、印鑑証明書(取締役A及びB)
7、登記委任状
8、改印届書(代表清算人A)
 ※代表清算人としての印鑑届が必要であるため。
  なお、印鑑カードについては
  従前のものを継続することができます。
9、改印届書(代表取締役A)
 ※代表取締役として、あらためて印鑑届が必要であるため。
10、印鑑カード交付申請書(代表取締役A)
 ※解散状態から会社継続をした場合、
  新たに印鑑カードを作成することになります。


【過料に注意!】
みなし解散がされてしまった会社さんは
その時点で長期間
会社の登記手続を放置してしまっていることが多いです。

詳細は冒頭に紹介した記事に記載していますが
会社の登記手続を放置していると
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向があり
この支払いを逃れることはできませんので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、
その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。

みなし解散がされてしまって
その後の手続が面倒だからとさらに放置していても
過料の支払金額が大きくなるだけで
清算結了をして会社を消滅させるまでは
その会社の手続から逃れることはできません。

【最後に】
みなし解散されてしまった場合
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
いずれにしても、
速やかに必要な手続を行わなければなりません。

放置し続けると
高額の過料請求がされてしまう可能性がありますので
面倒だからと
放置してしまわないようにご注意ください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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