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2019/03/30

会社と相続~もしも社長が死んでしまったら…

いよいよ春がやってきました!
「春眠暁を覚えず」とは言うのは本当で、ついつい二度寝をしてしまいそうになりますよね。
私の場合は、前日の夜に眠たくなる花粉症の薬を服用しているから余計かも知れません。

この季節は毎年のように花粉症になってしまうので、
今年こそと耳鼻科に行ってレーザー治療を受けようと思ったのですが、
シーズン入ってからだと症状を悪化させる恐れがあるので、できないそうです…。

というわけで、今年も「春眠暁を覚えず」ながら、頑張っていこうと思います(笑)


今日のお題は「もしも社長が死んでしまったら…」ですね。

このお仕事をしていると、多くの社長さんにお会いします。
目標を達成するためのビジョンが明確で、情熱的、エネルギッシュに行動されてる社長さん
とお話をさせていただくと、こちらも力が湧いてきます。

そんな社長さんですから、
ともすると後ろ向きな内容に見える「もしも社長(私)が死んでしまったら…」
について考え、実際に対策を取られている方は少ない印象です。

しかしながら、対策を取っていない場合、
せっかく社長が築いてきた会社、従業員、家族、資産、信用を崩壊させてしまう危険性がありますので、
お時間があるときに一度読んでいただければと思います。

ケースとしては、一般的な中小企業のお話です。
1、社長が会社の株式を1人で100%所有しています。
2、社長には長男Aさん、次男Bさん、三男Cさんがいます。
3、社長は60歳ですが、まだまだ体力には自信もあり、自分の相続なんてまだまだ先だろうという考えもあり、何も対策はしていません。
  ただ、社内でも信頼が厚く、取締役として十分な働きを見せる長男Aさんを、いずれ後継者にしたいと内心思っています。

このケースで、ある日突然社長が亡くなってしまった場合、どうなるでしょう?
親族としての葬儀の手配やその後の相続手続、相続税のことももちろんあるでしょうが、
今回は、会社の経営権にフォーカスしてお話しします。

まずは、社長が亡くなっても会社の事業を止めるわけにはいきません。
取引先のためにも、従業員のためにも、家族のためにも、
今後の会社のかじ取りをする後継者(社長)を決定する必要があります。

今回のケースであれば、長男Aさんを社長にしたいところですが、
遺産相続の問題も絡み、そう簡単にはいきません。

会社の株式も社長の遺産なので、他の遺産を分けることと合わせて話し合うことになるのが、一般的だからです。
そして、この話がまとまらないと会社の経営権を誰が握るのか決まらないことになります。

相続が発生すると、会社の株式は相続人全員の共有となります。
(※3株ある場合、長男Aさん、次男Bさん、三男Cさんが1株ずつ取得するわけではなく、3株全部を共有することになります。)
遺産分割協議を行い、長男Aさんが1人で取得することに決まるまでは、
共有となった株式について権利行使するには、
会社法第106条に基づき、権利行使する1人を決定して、会社に対して通知をする必要があります。
そして、「権利行使する1人を決定」するには、判例により「持分の過半数」をもって決定することになります。

つまり、長男Aさん、次男Bさん、三男Cさんはそれぞれ3分の1ずつしか持分を持っていないので、
仮に「長男Aさん 対 次男Bさん&三男Cさん」の構図になってしまった場合、
次男Bさん&三男Cさんのいずれかを権利行使者として、
株式全部の議決権行使をされてしまう可能性が高いことになります。

社長の遺産の大部分を「株式」が占めることも多く、
株式を1人が取得するような場合、遺産分割協議で不満が出てしまうことが多いです。

感情的な対立も相まって、上記のように経営権を本来引き継ぐべきでない人が議決権行使をしてしまうと、
「取締役長男Aさんの解任決議」
「取締役次男Bさん、取締役三男Cさんの選任決議」や「代表取締役次男Bさんの選任決議」
これに対して「決議の無効を争う訴訟の提起」といったことが行われ、
いわゆる「お家騒動」という状態になります。

こうなると、会社の経営、従業員の生活、家族の関係、個人や会社の資産、信用を
崩壊させてしまう危険性があることはお分かりですよね。

過去の判例等もあり、争いが発生した後に取り得る策はありますが、
未然に防ぐことに比べてダメージは当然に大きくなってしまいます。

こうしたことにならないためにも、
遺言書を作成したり、資産バランスの組み換えをして現金を多く残したり、保険を活用したり、
家族信託、種類株式のしくみを活用したり、その他さまざまな方法で事前に対策をしておくことが大切です。


さらに詳しくお話をしたいところですが、
少し長くなってしまいましたので、今日はこの辺りにさせていただきます。
今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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