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2019/11/30

土地を共有者の一部だけで売却可能とする法改正へ! (所有者不明土地問題の対策として)

おはようございます!

今日は、最近とても話題になっている
「所有者不明土地問題」についてです。

この問題が起きてしまう原因には
我々司法書士の専門である「相続登記」が深く関わっており
相続分野を主に扱っている弊所としても
非常に関心を持っているテーマです。


ところで、
先日、日本経済新聞にこれに関する記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(11月18日付)
(土地、一部所有者で売却可能に 所有者不明地で対策)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52281220X11C19A1SHA000/

記事の内容は、上記をご覧いただければと思いますが、
記事内容を踏まえつつ、
この「所有者不明土地問題」について、
もう少し説明させていただければと思います。

いわゆる、所有者不明土地は、
相続時に名義変更(いわゆる相続登記)を放置してしまったことなどが原因で、
現在の所有者が誰か分からなくなってしまった土地のことで、
所有者不明土地問題研究会によると、
2016年時点で九州本島の面積に相当するほど拡大してしまっています。

震災復興などの公共事業を行うために
土地買収を行う必要があるにも関わらず
相続の末に約700人の共有となった土地で
一部の所有者の所在が分からなかったために、
公共事業が滞ってしまうといった事例も
各地で発生してしまっています。

また、
民法の定めによって、
土地を売却するには、所有者全員の承諾が必要となっています。

たとえば、
土地の所有者だった父が亡くなり、
母と2人の子どもが相続人である場合、
現状では3人全員が承諾しない限り売却はできないということになっています。
もちろん、
自分の持分だけであれば売却は可能ですが、
土地の持分のみに過ぎず
その利用価値が小さいために
買い手がつかなかったり、
売却金額が大幅に減額されるといったことになってしまうことが一般的です。

そこで、
国は、この所有者不明土地について、
共有者の一部だけでも、売却や賃貸ができるルールを作るべく
法改正に向けて動き始めているようです。

具体的には
国交省と法務省が
共有者の一部だけで、土地の売却や賃貸ができるように
2020年の通常国会に関連法改正案の提出を目指しているようです。

売却の場合は、
不明共有者の持分については金銭を法務局に供託することで、
不明共有者の持分を取得して、
共有関係を解消できるような仕組みが検討されています。
賃貸の場合は、
不明共有者以外の残りの共有者の承諾で
賃貸を行えるようにする仕組みが検討されているようです。

しかしながら、
これらの特例を利用するには
一定の条件が付けられる予定となっています。

登記簿や固定資産課税台帳などの調査、
行政機関・親族らへの聞き取りといった
不明者を見つけ出すための探索をすることが必要だったり、
この手続に反対する他の共有者がいる場合は、
異議を申し立てることができるように
公告をすることも必要とされる予定です。

法改正が実現すれば、
売却や賃貸による土地活用の道は
多少開かれることになることが予想されますが、
相続登記がキチンとされているケースに比べると、
まだまだ手続にかかる期間や費用の面で
ハードルが高いのではないかと思われます。

結局のところ
相続登記が放置されず
スムーズに行えるような支援が必要だろうと
個人的には思うところです。

ところが、
2019年7月27日付のブログ記事
「相続登記は早くしないと危険?!
(相続させる遺言等の効力と対抗要件について)」
でも詳しく書かせていただいていますが、
相続登記の手続を長く放置されている人が多いように感じています。

相続登記の手続を自分一人で行おうとすると
その負担も大きく
現在の法制度では
相続登記の期限も設けられていないために、
ついつい放置してしまい、そのまま忘れてしまうケースが多いようです。

しかしながら、
多くの場合、
相続登記を放置することで手続が簡単になることはなく、
数人いる相続人の1人が認知症になってしまったり、
相続人が亡くなることで疎遠な相続人が増えてしまったり、
口約束で遺産はいらないと言っていた相続人の経済状況が変わり
やはり遺産を欲しいと言ってくるなど…
時間の経過とともに、手続は複雑化していくことが一般的です。

2019年7月1日、
相続に関する法律が改正されたことによって
せっかく自身が権利を取得にもかかわらず、
その権利を失ってしまうケースも出てきていますので、
そのようなことにならないように、
早めに相続登記手続を行っておくことをおすすめいたします。

弊所を含め、
「相続登記」の専門家である司法書士にご相談いただければ、
そのご負担を軽減することも可能です。

ご自身のため
ご自身のお子様のため
所有する不動産のある地域社会
ひいては日本の国のため
ぜひ「相続登記」について考えるきっかけにしていただけたらと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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