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2021/10/01

今年も【みなし解散】にご注意ください!

おはようございます!

毎年この時期にご案内していることにはなりますが

非常にお問い合わせの多い内容ですので

今年も改めてご案内させていただきます。

【例年「みなし解散」が実施されています。】

一定期間登記手続を行っていない

会社や法人を対象として

法務局が

その会社や法人が

「解散したものとみなして」

強制的にその旨の登記をしてしまうという処理

いわゆる「みなし解散」という処理を

平成26年度以降、毎年実施しています。

対象となる会社や法人には

例年10月中頃に

以下のような通知書面が送付されており

期限までに対応をしなければ

「みなし解散」処理がされることになります。

【通知書面サンプル】

【参考】法務省ウェブサイト

法務省:登記-商業・法人登記- (moj.go.jp)

【対象となる休眠会社等とは?】

一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人のことを

「休眠会社等」といいますが、

具体的には以下のような会社等のことをいいます。

・「最後の登記から12年を経過している株式会社」

・「最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人」

そのため、

役員が社長1人だけの会社や

家族経営の会社、

事実上、事業を休止している会社など、

「昔からずっと役員が変わっていない」会社であったとしても、

法律上は

役員の任期が満了する都度、

役員再任の登記手続をする必要があるため、

最初の就任時には登記手続をしたけれども、

その後、一定期間、

再任の登記手続をせずに放置している場合には、

この「休眠会社等」に該当してしまうことがあります。

ちなみに、

一定期間、登記手続をする必要が発生しない可能性もある

有限会社や合同会社、合名会社、合資会社などは対象とされていません。

もし、

あなたの会社が「株式会社」であって、

最後に登記手続をしたのが12年以上前であれば、

今年、「みなし解散」の対象となっているか

あるいは

すでに「みなし解散」されている可能性が高いです。

ちなみに、

すでに「みなし解散」されている場合、

下のみほんのように

「解散」という記載がされているのはもちろん、

法務局で取得できる履歴事項全部証明書に記載されている

取締役や代表取締役の名前の箇所には下線が引かれています。

念のため

ご自身の会社がこれに該当していないか

ぜひとも

会社の「履歴事項全部証明書」を取り寄せて

ご確認ください。

【通知が届かないまま「みなし解散」となるケースがある。】

先ほど

対象となる会社や法人には

例年10月中頃に

通知書面が送付されているとお話をしました。

そのため

“うちの会社には通知書面が届いていないから大丈夫!”

と思われた方もいるかもしれません。

しかしながら

そうとも限りませんので、注意が必要です。

この通知書面が届かないまま

「みなし解散」がされてしまうことがあるのです。

お問い合わせをいただくお客さまからお話をお伺いすると

一定の割合で、この通知書面が届かない次のようなケースに当てはまっています。

「社名(商号・名称)を変更しているが、その登記をしていない。」

「本店(主たる事務所)を移転しているが、その登記をしていない。」

つまり、

登記上の社名や本店所在地と

現在の社名や本店所在地とが異なっている場合

この通知書面が届かないことがあるのです。

通知書面が届かなかったとしても

「みなし解散」の対象から外れることはありませんので

期限までに対応できなければ

「解散したものとみなされて」

強制的にその旨の登記がされてしまうことになります。

「ある日突然、自身の会社が解散していた。」

なんてことにならないように

十分に注意が必要です。

【どのくらいの会社等が「みなし解散」してしまっているのか?】

平成26年度以降、毎年、

この「みなし解散」の処理がなされていますが

この「みなし解散」の対象となってしまった会社等の数

は以下のように推移しています。

平成26年は、株式会社…78,979社、その他…478社

平成27年は、株式会社…15,982社、その他…645社

平成28年は、株式会社…16,223社、その他…734社

平成29年は、株式会社…18,146社、その他…992社

平成30年は、株式会社…24,720社、その他…1,208社

令和 元年は、株式会社…32,711社、その他…1,366社

令和 2年は、株式会社…31,516社、その他…1,487社

(法務省開示資料より)

過去12年分をまとめて実施した平成26年を除いて

平成27年~令和元年までは、毎年増加していることがわかります。

令和2年にようやく株式会社は減少に転じましたが、

いまだに高水準で推移しており、その他法人については今年も増加しています。

平成18年に施行された会社法により、

役員の任期を最大10年にできるようになったために

「前回の登記をしてから10年後に登記をしないといけない」ということを

「うっかり忘れてしまった。」という会社が

増えているのではないかと考えられます。

【みなし解散を回避するには、2カ月以内の届出が必要です!】

この「みなし解散」を回避するためには、

法務大臣によるみなし解散に関する公告がされた日から

「2カ月以内に」

「まだ事業を廃止していない旨の届出」を法務局に対してするか

「これまでしていなかった登記手続」を法務局で行うかしなければ、

対象となった会社等は、

期限の翌日付で解散したものとみなされ、

法務局が職権で解散登記をすることになります。

つまり、

会社の履歴事項全部証明書にその記載がされてしまい、

誰でもその記載を確認できてしまうということです。

【みなし解散されてから3年経過すると事業継続ができなくなります。】

上の図は

みなし解散がなされるまでと

解散してしまった後の手続の流れについての図です。

みなし解散がされてしまうだけでも

会社の信用に影響が出る恐れがありますが、

上の図のとおり

みなし解散がされた後

さらに3年経過してしまうと

解散状態から復活することができず

会社を清算(廃業して会社をたたむこと)することしかできなくなります。

つまり

事業継続ができなくなるということです。

みなし解散自体を回避できれば良いのですが

仮にうっかりみなし解散してしまったとしても

せめて事業継続ができるように

必ず3年以内に

対応するようにしてください。

【詳細については過去の記事もご覧ください。】

これまでにお話をしました「みなし解散」については

過去に執筆した以下の記事も参考になりますので

ぜひご覧ください。

2019年11月2日付

「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」

http://heiwahomu.net/2019/11/02/%e4%bd%8f%e6%89%80%e5%a4%89%e6%9b%b4%e3%81%ae%e6%89%8b%e7%b6%9a%e3%81%8c%e9%81%85%e3%82%8c%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%a7%e3%82%82%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%90%e4%b8%87%e5%86%86%e3%81%ae%e7%bd%b0/

2019年11月16日付

「2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!」

http://heiwahomu.net/2019/11/16/%ef%bc%92%ef%bc%90%ef%bc%91%ef%bc%99%e5%b9%b4%ef%bc%91%ef%bc%92%e6%9c%88%e3%80%81%e3%81%82%e3%81%aa%e3%81%9f%e3%81%ae%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%8c%e3%81%bf%e3%81%aa%e3%81%97%e8%a7%a3%e6%95%a3%e3%81%95/

2020年1月18日付

「みなし解散されてしまった会社を復活させたいときの『会社継続手続』について」

http://heiwahomu.net/2020/01/18/%e3%81%bf%e3%81%aa%e3%81%97%e8%a7%a3%e6%95%a3%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%a3%e3%81%9f%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%82%92%e5%be%a9%e6%b4%bb%e3%81%95%e3%81%9b%e3%81%9f%e3%81%84%e3%81%a8/

2020年11月7日付

「【2020年12月15日が期限!】ご自身の会社がみなし解散されないようにご注意ください!」

http://heiwahomu.net/2020/11/07/%e3%80%902020%e5%b9%b412%e6%9c%8815%e6%97%a5%e3%81%8c%e6%9c%9f%e9%99%90%ef%bc%81%e3%80%91%e3%81%94%e8%87%aa%e8%ba%ab%e3%81%ae%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%8c%e3%81%bf%e3%81%aa%e3%81%97%e8%a7%a3%e6%95%a3/

【最後に】

最後に、もう一度お伝えさせていただきます。

みなし解散を回避するには、

日頃からきちんと登記手続を行うか、2カ月以内の届出が必要です!

あらためて

ご自身の会社の履歴事項全部証明書を法務局で取得して

最後に登記をしたのがいつだったのか

確認してみてください。

そして、

登記手続をしていなかった場合は

速やかに必要な登記手続を行ってください。

もし、

分からないことがあれば、

ぜひ司法書士にご相談いただければと思います。

「気がついたら、会社がみなし解散されていました…。」

残念ながら、毎年そのようなご相談をいただきます。

そのようになった場合は、もちろんしっかりサポートさせていただきますが、

そのようにならないのが1番だと思いますので、

どうかご注意ください。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。

へいわ法務司法書士事務所

司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。

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