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2019/04/27

住所変更の登記手続について

今日から10連休という方も多いのではないでしょうか?
旅行をされる方、自宅でゆっくりされる方、なかには仕事を頑張るという方もいらっしゃるかもしれません。
ここまでまとまった時間を取れる機会は滅多にないですし、
令和の新時代のスタートということで、それぞれ有意義なGWにしたいものですね。


さて、今回は「住所変更の登記手続」についてです。

4月6日の記事「住宅ローンを返済したら、抵当権抹消です!」、
4月13日の記事「住宅ローンを返済したら、抵当権抹消です!その2」
でも書かせていただきましたが、
抵当権抹消の登記手続など、さまざまな登記手続の前提として必要となることの多い手続です。
そして、この登記手続もご自身でやりたい!というお声をたまにいただきますので、
最低限必要な情報を書かせていただこうかと思います。

もちろん、司法書士に依頼するのであれば、
複雑・イレギュラーなケースを含め、司法書士が検討・対応しますので、
以下のことは知らなくても大丈夫です。


まず、「住所変更の登記手続」というのは、
「不動産全部事項証明書に記載されている所有者の住所」と「住民票上の住所」とが異なっているときに、
「不動産全部事項証明書に記載されている所有者の住所」を「住民票上の住所」に一致させるために、
その不動産の管轄法務局に申請する登記手続のことをいいます。

現在の法制度上、引越しをして住民票上の住所の変更手続を市区町村役場で終えたとしても、
その人の所有する不動産に関して、法務局において登記されている所有者の住所(不動産全部事項証明書に記載されている所有者の住所)は、
自動的に変更されることはありません。
つまり、住所変更の登記手続を行わない限り、ずっと昔の住所のままになっているということです。

住民票上の住所変更の都度、登記手続を行っていれば良いのですが、
その都度登記手続を行うケースは少なく、
どちらかというと、住宅ローンを完済したときの抵当権抹消、
ご自宅を住み替え(売却)するときの所有権移転や、新たに融資を受けるときの抵当権設定
の登記手続を行う際にまとめて行うことが一般的です。

ですので、住民票上の住所を変更してから十数年経って初めて、
(不動産の)住所変更の登記手続を行う。ということが良く起こります。

「十数年前の住所変更の登記手続が、なぜ今さら必要なんですか?」
というご質問を受けることがありますが、これはそういった理由からです。

他にも、こういった質問を受けることがあります。
Q…
住所変更の登記手続を省略することはできないんですか?
A…
省略することはできません。
なぜなら、不動産全部事項証明書には所有者の住所が記載されていますが、
ご自宅を売却する際の所有権移転や、新たに融資を受けるときの抵当権設定の登記手続
には所有者の方の印鑑証明書を添付することが求められていて、
印鑑証明書に記載されている住所と、この住所が一致しない場合は、
これらの登記手続ができない(却下される)からです。
なお、抵当権抹消の登記手続には印鑑証明書の添付は求められていませんが、
(住所変更の登記手続を回避するため故意に、あるいは、うっかり間違えて)
住民票上の住所ではなく、不動産全部事項証明書上の住所を登記申請書や委任状に記載した場合でも、
どこかのタイミングで住所に間違いがあったことが明らかになり、手続が必要となりますので、
そういったことのないように注意が必要です。


そして、もう一つ知っておくと良いことがあります。
住所変更の登記手続には、
「不動産全部事項証明書上の住所から住民票上の住所までの」
住所移転の経緯がすべて繋がる住所証明書(住民票や戸籍の附票)が必要になるということです。

例えば、
①賃貸物件に住んでいた人が、
②マイホームを購入して引越しをして、
③その後仕事の都合でさらに引越しをしたようなケースだと、
住所移転の経緯は以下のようになります。

①(不動産全部事項証明書上の住所/賃貸物件に住んでいたときの住所)
A市●●町1-1-1
※マイホームの代金を支払う日の直前の住民票を添付して、
 マイホームの所有者の名義を入れる所有権移転の登記手続を行うことが一般的なので、
 マイホームに引っ越す前の住所となることが多いです。

②(マイホームに住んでいたときの住所)
B市●●町1-1-1

③(住民票上の住所/現住所)
C市●●町1-1-1

このようなケースで、住所変更の登記手続をするのには、
「A市」→「B市」→「C市」と、住所移転してきたことがすべて繋がる
住所証明書が必要になるということになります。

具体的には、
・C市で発行される住民票(前住所として、B市の住所が記載されているもの。)
・B市で発行される住民票の除票(前住所として、A市の住所が記載されているもの。)
の2点を組み合わせる方法や
・本籍地の市区町村役場で発行される戸籍の附票
(「A市」→「B市」→「C市」と、住所移転してきたことがすべて繋がるもの。)
の1点を用意する方法などがあります。


ちなみに、必要となる住民票や戸籍の附票が発行されないこともあります。

住民票や戸籍の附票には法令で定められた保存期間というものがあり、
住所や本籍をその市区町村から他の市区町村へ移した場合(転出、転籍)、
住民票や戸籍の附票の様式改定(改製)など
の一定の事由が発生してから保存期間を経過すると、証明書は廃棄処分されることになっています。
現行の法令では、この保存期間は「5年」となっているため、
上記のケースで「B市」から「C市」へ引越しをした時期が5年以上前だと、
B市で発行される住民票の除票が発行されない可能性が高いということになります。
また、転籍をされている場合は、その時期によって、
戸籍の附票でも必要な証明事項の全部が記載されないといったことが起こります。

そういったケースにおいては、なかなか手間がかかる作業となりますので、
一度法務局や司法書士にご相談されることをオススメします。


最後に登記申請書の書式を掲載しますので、ご自身で登記申請される場合は、
こちらをご活用ください。
登記申請書ー住所変更・戸建て物件の場合(法務省書式)
登記申請書ー住所変更・マンションの場合(法務省書式)
登記申請書(記入みほん)ー住所変更・戸建て物件の場合(法務省書式)
登記申請書(記入みほん)ー住所変更・マンションの場合(法務省書式)


いかがでしたでしょうか?
長々と書かせていただきましたが、この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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