へいわ法務司法書士事務所

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みなし解散されてしまった会社を復活させたいときの『会社継続手続』について

こんにちは!

今日は
いわゆる「みなし解散」されてしまったとき
会社を継続するための手続についてのお話です。

2019年11月16日付のブログ記事
「2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!」
の中で、
・あなたが知らないうちに会社が解散させられてしまうことがある。
・そのまま放置すると事業継続が不可能になることがある。
・それを回避するための2019年の期限は「12月10日」。
といったことをお話しましたが、
昨年末から
この対象となった会社さんから
ご依頼・ご相談をいただくことがありました。

ある会社さんは
法務局から通知文書が届き
期限の直前ではありますが、
弊所にご依頼くださいました。
まずは、
会社がみなし解散されることを回避するため
法務局へ「事業を廃止していない旨の届出」を行って
会社が解散されることを回避したうえで
その後、適切な登記手続を行うことができました。

そして今後は
会社役員の登記手続を
うっかり忘れてしまうことがないように
弊所で会社役員の任期を管理し
適切な時期に通知を行うサポートを
させていただくことになりました。

一方で
ある会社さんが
会社の登記手続をご依頼くださったので
弊所でその会社さんの登記記録を確認したところ、
法務局によって、
みなし解散の手続がとられていることが判明しました。

法務局からの通知文書は届きませんでしたか?
と、事情をお聞きすると、
ながらく会社を休眠状態にしていて
実際の本社機能も
登記をしている本店所在地とは違う場所にあったので
通知文書を受け取ることができなかったことがわかりました。

つまり、
その会社さんがまったく知らないうちに
会社が解散させられてしまっていた。
ということです。

とはいえ、
会社として事業を再スタートしたい!
とのご希望でしたので、
会社継続の手続を行うことになりました。

この2つの会社さんのように
みなし解散を回避する期限である
「2019年12月10日」の前後で
取り得る手続が違ってくるわけですが
昨年、みなし解散されてしまったという会社さんにとって
現時点で取り得る対応策である
「会社継続」の手続について
今回は書いていこうと思います。


【みなし解散から会社継続するために行う手続】
「みなし解散」の状態から会社継続するために行う手続は
以下の2つです。
1、株主総会などを開催して必要事項を決議する。
2、その登記手続を行う。

「法務局からの通知文書が届いたけど放置している。」
「会社の印鑑証明書が取れない。」
「会社の履歴事項全部証明書(会社謄本)を見ると解散と書いていた。」
など、
あなたの会社が「みなし解散」されていると気づいたのであれば、
その後「3年以内」であれば
株主総会を開催して
会社を継続することができます。
(3年を過ぎると、会社を閉じることしかできなくなります。)


【株主総会などで決議すべき必要事項とは?】
それでは、
「株主総会などで決議すべき必要事項」とは何でしょうか?

具体的な例を挙げてご説明しますね。

みなし解散がされる前の状態(株式会社)です。
代表取締役 A、取締役 B
取締役会、監査役は非設置
代表取締役は取締役の互選で選定する旨の規定があります。

みなし解散の登記がされたことにより
解散前の取締役は全員失職し
登記記録にもそれを示す下線が引かれています。
また、
みなし解散の場合は
清算人が選任されていないため、その登記はされていません。

この状態から会社を継続し
みなし解散がされる前と同じ状態に戻すというケースです。

この場合、
まず、株主総会で以下の決議をすることになります。
1、会社継続
2、取締役A・Bの選任

続いて、取締役A・Bによる互選によって
以下の決定をすることになります。
3、代表取締役Aの選定


【行うべき登記手続とは?】
必要事項を決議することができたのであれば
次は、法務局での登記手続です。

先ほどのケースであれば
以下の登記手続をすることになります。
1、令和1年12月11日清算人及び代表清算人就任
2、会社継続
3、取締役及び代表取締役の変更

登録免許税は
合計で49,000円です。
1の清算人就任で、9,000円
2の会社継続で、30,000円
3の取締役等の変更で、10,000円
(3につき、資本金1億円超の会社は、30,000円になります。)


【登記手続の添付書類は?】
先ほどの登記手続を行うために
法務局に提出すべき添付書類は以下のとおりです。
1、定款
 ※「定款で定めた清算人がいないこと」を証明するために
  解散時点の内容の定款を用意する必要があります。
2、株主総会議事録
 ※前述の決議事項を記載します。
3、株主リスト
 ※株主名簿や決算書の別表2など、株主の判明するもの
  の記載に基づいて作成します。
4、取締役の互選書
 ※前述の決定事項を記載します。
5、就任承諾書(取締役A、B及び代表取締役A)
 ※A及びBは個人実印を押印します。
6、印鑑証明書(取締役A及びB)
7、登記委任状
8、改印届書(代表清算人A)
 ※代表清算人としての印鑑届が必要であるため。
  なお、印鑑カードについては
  従前のものを継続することができます。
9、改印届書(代表取締役A)
 ※代表取締役として、あらためて印鑑届が必要であるため。
10、印鑑カード交付申請書(代表取締役A)
 ※解散状態から会社継続をした場合、
  新たに印鑑カードを作成することになります。


【過料に注意!】
みなし解散がされてしまった会社さんは
その時点で長期間
会社の登記手続を放置してしまっていることが多いです。

詳細は冒頭に紹介した記事に記載していますが
会社の登記手続を放置していると
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向があり
この支払いを逃れることはできませんので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、
その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。

みなし解散がされてしまって
その後の手続が面倒だからとさらに放置していても
過料の支払金額が大きくなるだけで
清算結了をして会社を消滅させるまでは
その会社の手続から逃れることはできません。

【最後に】
みなし解散されてしまった場合
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
いずれにしても、
速やかに必要な手続を行わなければなりません。

放置し続けると
高額の過料請求がされてしまう可能性がありますので
面倒だからと
放置してしまわないようにご注意ください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分。
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能。
 不動産や預貯金などの相続手続、遺言、後見、生前対策、登記手続に強く
 明るく穏やかな雰囲気の相談しやすい事務所です。
 弊所が依頼者の皆さまと各分野に強い各種専門家をつなぐ窓口となり、
 提携税理士による相続税に関する無料相談、不動産のご売却、会社設立など
 依頼者の皆さまのお悩みを一挙に解決いたします!
 まずは一度無料相談をご利用ください。 

2020年新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます!

旧年も多くの皆さまに大変お世話になりました。
改めて、皆さまのご支援に心より厚く御礼申し上げます。

さて、
個人的なことではありますが
年末年始は
妻や子、それぞれの父母、兄弟姉妹、祖父母と
ゆっくり過ごすことができ、
懐かしい昔話や近況
普段、電話やメールではなかなかできない話題も
顔を合わせてきちんと話すことができました。

こうして楽しく、穏やかに過ごせた数日は
日々忙しく働く中で忘れがちな
家族との穏やかな時間の尊さを
改めて感じさせてくれました。

令和2年となる今年も

多くの依頼者の方々の
お困りごとを解決することを通じて
弊所の名前の由来でもある
“依頼者の方々の「平和で穏やかな暮らし」を守る”
という理念を実現してまいります!!

弊所の法律サービスが
より多くの方々に届きますように
より良いサービスが提供できますように
益々努力を重ねてまいりますので
本年もなお一層のご支援を賜りますよう
お願いを申し上げまして
2020年新年のご挨拶とさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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年末のご挨拶と年末年始の営業日のお知らせ

おはようございます!

今年も残すところあと僅かとなりましたね。
これが今年最後の記事になります!

今年は人生で1番早く駆け抜けた1年であり
1番多くの経験を得られた充実した1年でもありました!

令和の最初の年である
2019年1月
この事務所を開設し
1年間、無事に事務所運営することができたのも
弊所を支え、応援してくださる多くの関係者の皆さま
数ある事務所の中から弊所を選んでくださった依頼者の方々
のおかげだと痛感しております。

まずは
皆さまのこれまでのご支援に心より厚く御礼申し上げます。

また、
年頭の記事にも掲げましたが

“多くの依頼者の方々の
「平和で穏やかな暮らし」を守っていきたい!”
という想いのもとに命名した
この事務所の「へいわ」の名に恥じないよう、
来年以降も
一生懸命頑張っていきたいと思います!


最後に
年末年始の営業日についてのお知らせです。

「普段お勤めで司法書士事務所へ相談できない…。」
といった声もよく耳にしますので、

年内は12月30日(月)まで
年始は1月4日(土)から
ご相談・ご依頼をお受けしております。

おひとりで悩みを抱え込むことなく
年末年始のうちに無料相談をご活用いただき
ぜひ良い1年のスタートを切っていただければ幸いです。


改めまして、
今年も本当に多くの皆さまにお世話になりました。
心よりの感謝の思いをお伝えするとともに
今後も引き続きご支援くださいますよう
お願いを申し上げまして
年末のご挨拶とさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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根抵当権の債務者を変更する前提として、債務者の住所変更登記は省略できない?

おはようございます!

今日は少し専門的なお話です!

関西で司法書士事務所をしていると
「もう少し費用まけてくれへん(安くしてくれませんか)?」
というお話をいただくことがあります。

これはおそらく関西の司法書士さんであれば
日常茶飯事ではないでしょうか?

とはいえ、
弊所はもともとの報酬額が安いので
あまりそういったことは言われないかな?と思っていたんですが
やはり今年も数回は「先生、費用もう少し…」のお声をいただきました!
もはやこれは、関西人の口グセ!?かもしれません(笑)


そこで今日は
「この登記省略できるんじゃないの?」
「省略することで手続費用を安くできるんじゃないか?」
という考えから
同業者の方から相談をいただく内容

“根抵当権の債務者変更登記をするときに
債務者の住所に変更が生じている場合
この住所変更の登記は省略できないの?”

について書かせてもらおうかと思います。


まずは相談事例の説明からさせていただきますと、

既に設定登記がされている根抵当権がありまして
根抵当権者がA
根抵当権設定者がB
その債務者がXとなっています。

今回、債務者XをYに変更するんですが
根抵当権の債務者変更契約の1年前に
Xは本店移転をしています。

それでは
今回、根抵当権の債務者変更登記を申請して
債務者をXからYに変更する前提として
債務者Xの本店移転に伴う根抵当権変更登記申請を
する必要があるのか?あるいは省略しても構わないのか?

といった内容です。

実務上
根抵当権の債務者変更契約書には
旧債務者と新債務者の記名押印がされることも多いので
旧債務者の本店移転があったことは
添付書類から明らかになることが多いですよね。

でも、
報告形式の登記原因証明情報を添付書類として提供する場合で
旧債務者の本店移転をわからないように記載するなんてことも
できちゃうんじゃないだろうか…

そもそも
債務者Xの本店移転が明らかなのかそうでないのかを別として
これから債務者から離脱することになる債務者Xの本店移転を
登記記録上、公示する必要があるのだろうか?

省略できるのであれば
必要な登記申請の数が減少する分
お客様の負担する手続費用も安くすることができるし…

などと色々考えるわけですよね。


結論から言ってしまうと
「債務者の本店移転に伴う根抵当権変更登記は省略不可。」
ということになります。

根拠としては
「登記研究の質疑応答」です。
※登記研究というのは、登記実務を行う法務局や司法書士が
 その運用や解釈についての指針としている専門書籍です。

登記研究452号114項
質疑応答6601において
【要旨】
抵当権の債務者変更登記を申請するに当たり、
登記簿上の債務者の住所氏名に変更が生じている場合は、
その表示変更登記を省略する扱いは認められない。
根抵当権の債務者の変更登記を申請する場合も同様である。

と記載されています。


ですので、
このケースにおいては
根抵当権の債務者の住所変更登記を省略することは認められていないので
きちんと登記しないといけないということですね!

司法書士として、
依頼者へ納得のいく説明をするための理論的根拠として、
うっかり不適法な登記手続をしてしまうことを防ぐ備忘録として、
この記事がいつも読んでくださっている
皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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遺言・相続と成年後見に関するセミナーが開催されます!

おはようございます!

今日はこのブログ記事を借りて
セミナーの告知です!

2019年は相続を中心テーマとして
多くの記事を書かせていただきましたが
そういったことの影響があったのかどうか
来年、「相続」をテーマにセミナー講師として
お話しする機会をいただくことになりました。

参加される方の多くは、一般の方が中心とお聞きしていますので
担当テーマについて
時間の許す限り
具体的な事例を挙げながら
知っておくべき知識について
わかりやすくお知らせできればと思っています。

さて、
セミナーの詳細情報ですが、以下のとおりです。

【開催日時】
2020年(令和2年)1月25日(土曜日)
13:00~16:00

【開催場所】
柏原市立市民プラザ(アゼリア柏原6階 中会議室)
(※住所:大阪府柏原市上市1-2-2)


セミナーは2部制になっていて
第1部で「相続・遺言と家族信託」について
第2部で「成年後見」について
それぞれのテーマについて、
司法書士がお話することになっています。

私、山内は第1部の担当講師として
皆さまの前でお話をさせていただきます。

第1部のみならず、
第2部の成年後見に関するセミナーについても
現代の高齢化社会においては
知っておいてトクする情報が満載となっています。

ちなみに、
よくある民間が主催する相続セミナーとなると
セミナー当日はもちろん、そのあとに至るまで
商品やサービスの購入のための勧誘がされることが多いかと思いますが

このセミナーは
公益目的のために
リーガルサポート、大阪司法書士会とともに開催しているもので
柏原市、東大阪市、八尾市の後援もいただいているため、
セールスの入る余地は一切ありません。

セミナーの後には
司法書士に直接相談できる無料相談会も開催しておりますので
この機会に
「相続、遺言、家族信託や成年後見」に関する情報収集と
実際に抱えるご自身の悩みについてご相談をされてみてはいかがでしょうか?


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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「相続」に効く!生命保険のお話

おはようございます!

タイトルを読まれて、
司法書士が保険の話をするのを
意外に感じられた方も多いのではないでしょうか?
そして、
保険の話を聞くのなら、保険屋さんだろう。
と思われた方もいるかもしれません。

でも、実際のところ、
保険屋さんに保険の話を聞くのは抵抗はありませんか?
なんとなく、保険を売り込まれそうだとか、
不安を感じられる方もいるのではないかと思います。

弊所では、
これまで数多くの相続の現場を経験してきましたが、
その中で
この「生命保険」の有無が、
残された家族の人間関係や
相続手続の金銭的・時間的負担の大小に
大きな影響を与えていたことを目撃してきました。

そこで
生命保険の販売をその業務として扱っていない
司法書士事務所だからこそ
第三者的な視点からお伝えできる
生命保険の活用方法についてのお話をしてみたいと思います。

この記事を読まれて
より具体的な保険商品について聞いてみたいと思われたときに
保険屋さんにご相談されても良いかもしれませんね。


はじめに、
生命保険がなぜ相続に有効なのか?という点ですが、
弊所では
以下の3つの観点から
いつか必ずやってくる「相続」への備えとして
生命保険が有効だと考えています。

【1、残された家族の負担軽減のために活用できる。】

1つ目は、残された家族の負担軽減です。

亡くなられた方の遺産を誰が取得するのか?、
それは、
亡くなられた方が、遺言書を作るなどの生前対策をしていない場合、
相続人全員による遺産分割協議によって決める必要があります。
また、
遺産を実際に取得して利用するには
それぞれの遺産の内容に応じて、
必要な相続手続を行う必要があります。

たとえば、
銀行預金が遺産の場合は、
相続人全員での遺産分割協議がまとまれば
相続関係がわかる戸籍謄本や
相続人全員の印鑑証明書を集めたうえで、
銀行所定の手続書類を記入して提出し、
一定の処理期間を経てはじめて
取得すると決まった相続人は
その預金を引き出すことができることになります。

通常、
ある人が亡くなられてから
その人の名義の預金の相続手続を経て
預金を引き出せるようになるまで
スムーズに進めたとしても1カ月はかかるかと思います。(※)

それまでの間、
その預金口座に入っているお金は
葬儀費用に充てることもできませんし、
当然、生活費として使うこともできません。

ましてや、
相続人間で遺産分割の話し合いがまとまらない場合は
その期間は長期化し、
相続人の負担は大きくなることが予想されます。

この点
生命保険に加入していることによって支払われる保険金は
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
相続人間での話し合いを経ることなく
受取人として指定された人がスムーズに受け取ることができます。

また、
生命保険金の支払い手続は、
受取人以外の相続人が関与することがないため
銀行預金の相続手続に比べ
短い日数で支払いを受けることが可能です。

つまり
生命保険によって
葬儀費用や当面の生活費としての相当額を
受取人が受け取れるように指定しておくことで、
相続人の当面の支出に備えることができるということです。

(※)
銀行預金の相続手続についても、
例外的に、相続人の1人からの請求によって
支払いを可能とする手続も用意されています。
しかしながら、
支払われる金額については、一定の金額に限定されています。


【2、「遺留分」への対策として活用できる。】

2つ目は、「遺留分」への対策です。

相続人となる配偶者や子、父母などには
「遺留分」という遺産を相続する最低限の権利が保証されています。

たとえば
子が2人いる人が
生前に遺言書を書いて
「遺産の全部を子の1人に相続させる。」と決めておいたとしても
もう1人の子には、この遺留分があるので
いざ相続が発生したときには
遺言書で遺産の全部をもらうこととされた子は
もう1人の子から遺留分として
一定の金銭を支払うように請求される可能性があります。

「遺産の全部」の内容によりますが
遺産のほとんどが不動産のように
すぐにお金に変えられない財産であった場合、
この子は、遺留分の支払いに困ってしまいます。

そういったときにも
生命保険は有効です。

生命保険金の受取人を
遺言書で遺産の全部をもらうこととされた子にしておくことで
遺留分を請求された際の支払い資金を
事前に手当しておくことができるからです。

また、
先ほども書きましたが
生命保険金は、
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
財産の一部を、生命保険金に変えておくことで
遺産を減らす、ひいては遺留分を減らす効果もあります。

遺留分の請求がされる可能性のある
遺言書を書こうと思われている方は
生命保険の併用を検討されると良いかと思います。


【3、「相続税」の軽減に活用できる。】

生命保険金は、
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
遺産を減らす効果があると書きました。

しかしながら、
相続税の取扱いは、法律上の取扱いと異なっています。

基本的には、
支払われた生命保険金は遺産として相続税を課税します。
ただし、相続人の数に応じて一定額の控除は認めてあげます。
という考え方です。

そのため、
現金や預金で財産を残しておくのであれば
まるごと遺産として相続税の課税対象となりますが、
生命保険金に変えておくことで
一定額の控除が認められるため
相続税を軽減して
相続人に多くの財産を渡してあげることができるということです。

法改正によって
相続税の基礎控除の金額が
以前に比べて4割も減ってしまったため
相続税の対象となる人が実際に増えています。

お金持ちだけが相続税の対象だと思っていたのに
まさか私の家庭もその対象だったなんて…
といったケースも増えてきていますので、
この3つ目の観点での生命保険の活用も検討すべきかと思います。


さて、
ここまでは生命保険の活用することでもメリットを書いてきましたが
以下は、ご注意いただきたい点を書きたいと思います。

【注意点1、生命保険での対策は余裕資産の範囲で。】

注意点の1つ目は、
ご自身の余裕資産の範囲で生命保険での対策を行うことです。

当然のことながら、
生命保険の受取人となる人の多くは
契約者の相続人です。

契約者ご自身が元気なうちは
ご自身の生活費はもちろん
残りの人生を豊かに過ごすために財産を使うべきだと思います。

相続人に多くの生命保険金を残すためにお金を使い過ぎて、
今の生活が苦しくなっては本末転倒です。

あくまでも無理のない範囲で、余裕資産の範囲で対策を行ってください。


【注意点2、生命保険に加入できる年齢には限界があります。】

注意点の2つ目は、
生命保険に加入できる年齢には限界があるということです。

生命保険に加入できる年齢は、
一般的には80歳とされているようです。

人生100年時代といわれるようになって
将来に必要な財産の見極めは難しくなっていますが
あまりに判断が遅れると
もはや生命保険による対策はできなくなってしまいます。

これまでに書かせてもらったポイントも踏まえて
早めに対策を取っておきたいところですね。


弊所では
相続に強い税理士事務所との提携サービスとして
簡易の相続税診断を
無料で行っております。

相続をきっかけとした争いを予防する法律面での対策にあわせて
税金面でも有利になるハイブリッドな対策
を提案いたしますので、
この機会に、ご相談いただけましたら幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
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土地を共有者の一部だけで売却可能とする法改正へ! (所有者不明土地問題の対策として)

おはようございます!

今日は、最近とても話題になっている
「所有者不明土地問題」についてです。

この問題が起きてしまう原因には
我々司法書士の専門である「相続登記」が深く関わっており
相続分野を主に扱っている弊所としても
非常に関心を持っているテーマです。


ところで、
先日、日本経済新聞にこれに関する記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(11月18日付)
(土地、一部所有者で売却可能に 所有者不明地で対策)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52281220X11C19A1SHA000/

記事の内容は、上記をご覧いただければと思いますが、
記事内容を踏まえつつ、
この「所有者不明土地問題」について、
もう少し説明させていただければと思います。

いわゆる、所有者不明土地は、
相続時に名義変更(いわゆる相続登記)を放置してしまったことなどが原因で、
現在の所有者が誰か分からなくなってしまった土地のことで、
所有者不明土地問題研究会によると、
2016年時点で九州本島の面積に相当するほど拡大してしまっています。

震災復興などの公共事業を行うために
土地買収を行う必要があるにも関わらず
相続の末に約700人の共有となった土地で
一部の所有者の所在が分からなかったために、
公共事業が滞ってしまうといった事例も
各地で発生してしまっています。

また、
民法の定めによって、
土地を売却するには、所有者全員の承諾が必要となっています。

たとえば、
土地の所有者だった父が亡くなり、
母と2人の子どもが相続人である場合、
現状では3人全員が承諾しない限り売却はできないということになっています。
もちろん、
自分の持分だけであれば売却は可能ですが、
土地の持分のみに過ぎず
その利用価値が小さいために
買い手がつかなかったり、
売却金額が大幅に減額されるといったことになってしまうことが一般的です。

そこで、
国は、この所有者不明土地について、
共有者の一部だけでも、売却や賃貸ができるルールを作るべく
法改正に向けて動き始めているようです。

具体的には
国交省と法務省が
共有者の一部だけで、土地の売却や賃貸ができるように
2020年の通常国会に関連法改正案の提出を目指しているようです。

売却の場合は、
不明共有者の持分については金銭を法務局に供託することで、
不明共有者の持分を取得して、
共有関係を解消できるような仕組みが検討されています。
賃貸の場合は、
不明共有者以外の残りの共有者の承諾で
賃貸を行えるようにする仕組みが検討されているようです。

しかしながら、
これらの特例を利用するには
一定の条件が付けられる予定となっています。

登記簿や固定資産課税台帳などの調査、
行政機関・親族らへの聞き取りといった
不明者を見つけ出すための探索をすることが必要だったり、
この手続に反対する他の共有者がいる場合は、
異議を申し立てることができるように
公告をすることも必要とされる予定です。

法改正が実現すれば、
売却や賃貸による土地活用の道は
多少開かれることになることが予想されますが、
相続登記がキチンとされているケースに比べると、
まだまだ手続にかかる期間や費用の面で
ハードルが高いのではないかと思われます。

結局のところ
相続登記が放置されず
スムーズに行えるような支援が必要だろうと
個人的には思うところです。

ところが、
2019年7月27日付のブログ記事
「相続登記は早くしないと危険?!
(相続させる遺言等の効力と対抗要件について)」
でも詳しく書かせていただいていますが、
相続登記の手続を長く放置されている人が多いように感じています。

相続登記の手続を自分一人で行おうとすると
その負担も大きく
現在の法制度では
相続登記の期限も設けられていないために、
ついつい放置してしまい、そのまま忘れてしまうケースが多いようです。

しかしながら、
多くの場合、
相続登記を放置することで手続が簡単になることはなく、
数人いる相続人の1人が認知症になってしまったり、
相続人が亡くなることで疎遠な相続人が増えてしまったり、
口約束で遺産はいらないと言っていた相続人の経済状況が変わり
やはり遺産を欲しいと言ってくるなど…
時間の経過とともに、手続は複雑化していくことが一般的です。

2019年7月1日、
相続に関する法律が改正されたことによって
せっかく自身が権利を取得にもかかわらず、
その権利を失ってしまうケースも出てきていますので、
そのようなことにならないように、
早めに相続登記手続を行っておくことをおすすめいたします。

弊所を含め、
「相続登記」の専門家である司法書士にご相談いただければ、
そのご負担を軽減することも可能です。

ご自身のため
ご自身のお子様のため
所有する不動産のある地域社会
ひいては日本の国のため
ぜひ「相続登記」について考えるきっかけにしていただけたらと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

大阪司法書士会支部対抗ソフトボール大会

おはようございます!

今日は久しぶりのゆるーい記事です。
最近は真面目な記事が続いていたので
たまには息抜きと言いますか、
そんな記事を書かせてもらおうと思います!

今回は、
以前もブログ記事でお話したことのある
大阪の司法書士が集まって毎年秋に行われるソフトボール大会の話題です。

大阪司法書士会は
地域ごとに12の支部に分かれていまして
弊所は大阪市中央区にあることから
「南支部」に所属しています。

このソフトボール大会は支部対抗ということなので
この支部ごとにチーム編成されることになっています。
ですので、私は南支部チームのメンバーとして戦うことになっています。

そして、
大会では12の支部チームを
3チームごとに1つのブロックとして
ソフトボールの強い順に
A・B・C・Dの4つのブロックに分けて
各ブロック内で試合をすることになっています。

そして
ブロック内での勝利数や得失点差によって
昇格、降格、残留が決まり
来年戦うことになるブロックが決定されることになっています。

南支部チームはBブロックで
今年は、
大阪東部エリアの司法書士さんを中心に編成された河内支部チーム
大阪北部エリアの司法書士さんを中心に編成された豊能支部チーム
と試合をしてきました!

Bブロックに入っているチームだけあって
どちらのチームも野球経験者や運動神経の高い人たちが多くいる
強豪チームです。

かつてはAブロックの常連チームだった
南支部チームとしては
Aブロック昇格は悲願!ということで
今年は6月頃から
大会に向けての練習をしていましたので
そりゃもう勝つ気満々で臨んだ大会でした!

私自身も野球経験者ということでしたので
少しでも貢献できればという思いもありつつ、
むしろ、
貢献をしなかった場合の責任追及も予想されましたので
そのプレッシャーも感じながら
色んな意味で、気合を入れて試合に臨んできました!(笑)

気合を入れ過ぎて
大会前日から体調を崩してしまうという失敗も犯してしまいましたが(汗)
結果的には2戦2勝、得失点差も10点以上、個人成績もまずまずと、
最高の結果で終えることができました!

来年は
念願のAブロックで
大阪司法書士会屈指の最強チームを戦うことになりますが
来年も良い結果が残せるように頑張っていきたいと思います!


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!

こんにちは!

先日、2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中で
会社が強制的に解散されて、その登記がされてしまうことがある。
といったお話をさせていただきましたが、
今日はこれをテーマに詳しくお話をさせていただこうと思います。
(上記記事もこの記事の理解に役立ちますので、ぜひご覧ください。)

毎年、相当数の会社が対象となってしまっていますので、
このブログ記事を読まれている方の周囲では
そのようなことにないように、ぜひご注意くださいね。


【みなし解散とは?】
平成26年度以降、毎年、
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人を対象に
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を送り
それを受けた休眠会社等が一定期間内に対応をしなければ
強制的に解散したものとみなして
その登記をしてしまうという措置をとっています。
これを「みなし解散」といいます。


【対象となる休眠会社等とは?】
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人のことを
「休眠会社等」といいますが、
具体的には以下のような会社等のことをいいます。
・「最後の登記から12年を経過している株式会社」
・「最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人」

そのため、
役員は社長1人だけの会社であったり、
家族経営の会社であったり、
事実上、事業を休止している会社であって、
「実際は役員が変わっていない」会社であっても、
法律上は役員の任期が満了する都度、再任の登記手続をする必要があるため、
最初の就任時には登記手続をしたけれども、
その後、一定期間、再任の登記手続をせずに放置している場合には、
この「休眠会社等」に該当してしまうことがあります。

ちなみに、
一定期間、登記手続をする必要が発生しない可能性もある
有限会社や合同会社、合名会社、合資会社などは対象とされていません。


【みなし解散を行っている理由と対象となった休眠会社等の数】
それでは、
なぜ法務局はそのような「みなし解散」をするのでしょうか?

本来、一定期間内に登記手続をすべきである会社等にもかかわらず
長期間登記がされていないということは
既に事業を廃止しているか、実態がない状態となっている可能性が高く
このような休眠状態の会社等の登記をそのままにしておくと
登記制度に対する国民の信頼が損なわれることになってしまうことや
休眠会社等が売買されて犯罪等に利用される可能性があること等
の理由から、このみなし解散を毎年実施しています。

そして、
実際に、毎年相当数の休眠会社等がみなし解散をされています。
平成26年は、株式会社…78,979社、その他…478社
平成27年は、株式会社…15,982社、その他…645社
平成28年は、株式会社…16,223社、その他…734社
平成29年は、株式会社…18,146社、その他…992社
平成30年は、株式会社…24,720社、その他…1,208社
(法務省開示資料より)

平成26年の数字が大きいのは、
その前に行われたのが平成14年だったこともあり
その間に対象会社等の数が増加したからだと思われます。

その後、毎年、対象会社等の数は増加傾向にありますが、
平成18年の会社法により、
役員の任期を最大10年にできるようになってからは
「前回の登記をしてから10年後に登記をしないといけないこと」を
「うっかり忘れてしまった。」ということが原因の会社も
相当数含まれていると思われます。
(10年後にしようと思っていたことを覚えている人の方が少ないですよね。)


【2019年10月10日、法務局より通知文書が送られました】
今年(2019年、令和元年)も
みなし解散の手続を実施するため、
2019年10月10日付で、
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を発送しました。

今年対象となる会社等は
例えば、以下のような会社等です。
・役員の任期を10年にしている。
・平成19年9月以前に役員の変更登記をしたのが最後となっている。


【どんな通知文書が届くの?】
法務局より届く通知文書は以下のようなものが届くことになっています。
「そういや、こんな書類が届いていたな。」という方は
放置せずにすぐに対応してください!


【通知文書が届かない会社等もあります。】
対象となる会社等であっても、
何らかの理由で通知文書が届かないことがあります。
その理由として考えられるのが次のようなものです。
「社名(商号・名称)を変更しているが、その登記もしていない。」
「本店(主たる事務所)を移転しているが、その登記もしていない。」
このような場合、
通知文書が届くことはありませんが、
みなし解散の対象となる会社等から免れるということはなく、
むしろ、なんの知らせもないまま「ある日突然、会社が解散していた。」
ということになりますので、注意が必要です。


【今年のみなし解散を回避する期限は、2019年12月10日(火)まで】
今年(2019年、令和元年)のみなし解散を回避する期限は、
「2019年(令和元年)12月10日(火)まで」となっています!

期限までに
「まだ事業を廃止していない旨の届出」を法務局に対してするか
「これまでしていなかった登記手続」を法務局で行うかしなければ、
対象となった会社等は
2019年(令和元年)12月11日(水)付で解散したものとみなされ、
法務局が職権で解散登記をすることになります。
つまり、
会社の登記簿(履歴事項全部証明書)にその記載がされてしまい、
誰でもその記載を確認できてしまうということです。


【心当たりのある会社さんは、まずは確認を!】
みなし解散がされてしまうと
事業継続するうえで、
会社の信用にも影響が出てきてしまいますし、
さらにそのまま放置すれば
事業継続が不可能になることもあります。

「法務局から通知書が届いた!」という方はもちろん、
「最近、法務局での登記手続をしていないな。」
「最近、司法書士と連絡していないな。」という方は、
ぜひ、会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。


【みなし解散になっても、過料から逃れることはできない】
2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中でも
お話をしましたが、
一定期間内に必要な登記手続をしなければ
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

これは、
ずっと登記手続を放置し続けて
みなし解散となった場合であっても逃れることはできないことになっています。
むしろ、
みなし解散となる会社等は
そのこと自体で、登記手続を怠っていたことが明らかになるわけですから
みなし解散にあわせて、過料の支払いを求められることもあるようです。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向がありますので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。
【みなし解散されてしまった場合はどうしたらいいの?】
それでも
「みなし解散をされてしまった!」というご相談をいただくことがあります。
その場合、
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
によって、行うべき手続が変わってきます。

もし、
「会社を継続させたい!」とお考えの場合は、
早めに対応をする必要があります。
みなし解散がされてしまった会社等の場合、
会社を継続するためには期限があって、
「解散したとみなされた日から3年以内」が期限とされているからです。

記事が長くなってしまいましたので、
詳しい手続については、
また別の記事でご説明させていただこうと思いますので
ぜひご覧ください。


【最後に】
最後に、もう一度お伝えさせていただきます。
今年のみなし解散を回避する期限は、
「2019年12月10日(火)まで」です。

改めて、自社の会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。

ある日突然、会社がみなし解散されていた…。
そんなことにならないよう、この記事がお役に立ったのであれば幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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空き家問題を防ぐには?勝負の決め手は「家族信託や遺言などの相続対策」

おはようございます!

先日、多くの司法書士が参加するゴルフ大会に参加してきました!
実力不足はもちろんですが
ものすごく久しぶりにコースを回ったこともあり
結果は散々でした!
おかげさま?で、ブービー賞をいただくことができました(笑)

しかしながら、
同じグループで回った
先輩司法書士の皆さんの優しさと
キレイな景色に癒されながらプレーができ
日頃の疲れが吹き飛びました!

初心者ですが、
すっかりゴルフの楽しさに魅了されている
司法書士の山内です。


さて、今日のテーマは「空き家問題」です!

先日、日本経済新聞に気になる記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(10月31日付)
(家族信託や遺言、相続こそ空き家予防の要 空き家と向き合う(4))
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51656350R31C19A0EA1000/


「おやじは俺に任せると言っていた」
「そんなはずはない。長男面するな」
「毎週通って面倒みていたのは私よ」――。
ひとり暮らしの父親が亡くなって約1年。
30~40代の3きょうだいは、
空き家状態になった東京都内の実家を巡ってぎくしゃくしている。
父から「家は好きにしろ」と言われていたが、
売るか建て替えるか、
実家を出て家庭を持つ3人の意見はまとまらない。
固定資産税、管理の手間、近所からの苦情。
悩みもあるが、関係を修復する大変さを思うと、
腰を上げる気にはならない。

こんなケースを挙げて記事は展開されていますが、
対立の深さの差こそあれ、
こういったケースは、ごく普通のご家庭でも起こっていることだと感じています。

自身や家族の死後のことを考えることは
楽しいことではないかもしれませんが、
「いつか必ずやってくるそのとき」に備えて
正面から向き合って対策することを避け続けてきたことで
防ぐことができた争いが生まれてしまっているのです。

今や「終活」という言葉も普及してきたように
自身や家族の死に対して、
元気なうちに備えておくことが普通になってきています。

認知症になった場合の
自宅などの財産の管理や処分について
家族信託を活用して、正式に親族に任せておくことも大切です。

遺産について揉めることのないように
きちんと遺産をたな卸しして
遺言書を書いておいたりすることも大切です。

ですが、備えておくことは、何も遺産のことだけではありません。

自身が認知症になったときの介護はどうして欲しい?
財産の管理はどうして欲しい?
自身の死後、葬儀に呼んで欲しい人は?
最後に感謝の気持ちを伝えたい人は?
死後のパソコンやスマートフォンなどに残された思い出の写真など
デジタルデータの処分は?

ご自身やご家族にもしものことがあってからでは、
もうその想いを聞くことができないかもしれません。

我々専門家は、
それぞれの場面で
トラブルが解決できるようにベストを尽くしますが
実際にトラブルが起こってからでは
取り得る方法がどんどん少なくなっていくのです。

元気なうちであれば、
多くの対策の選択肢があります。

この記事は、そんな当たり前のようでなかなか難しい
生前対策の重要性を改めて訴えかけています。

この記事を読まれた方が
少しでも生前対策に関心を持っていただき、
司法書士をはじめとした専門家にご相談していただけたらと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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みなし解散されてしまった会社を復活させたいときの『会社継続手続』について

こんにちは!

今日は
いわゆる「みなし解散」されてしまったとき
会社を継続するための手続についてのお話です。

2019年11月16日付のブログ記事
「2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!」
の中で、
・あなたが知らないうちに会社が解散させられてしまうことがある。
・そのまま放置すると事業継続が不可能になることがある。
・それを回避するための2019年の期限は「12月10日」。
といったことをお話しましたが、
昨年末から
この対象となった会社さんから
ご依頼・ご相談をいただくことがありました。

ある会社さんは
法務局から通知文書が届き
期限の直前ではありますが、
弊所にご依頼くださいました。
まずは、
会社がみなし解散されることを回避するため
法務局へ「事業を廃止していない旨の届出」を行って
会社が解散されることを回避したうえで
その後、適切な登記手続を行うことができました。

そして今後は
会社役員の登記手続を
うっかり忘れてしまうことがないように
弊所で会社役員の任期を管理し
適切な時期に通知を行うサポートを
させていただくことになりました。

一方で
ある会社さんが
会社の登記手続をご依頼くださったので
弊所でその会社さんの登記記録を確認したところ、
法務局によって、
みなし解散の手続がとられていることが判明しました。

法務局からの通知文書は届きませんでしたか?
と、事情をお聞きすると、
ながらく会社を休眠状態にしていて
実際の本社機能も
登記をしている本店所在地とは違う場所にあったので
通知文書を受け取ることができなかったことがわかりました。

つまり、
その会社さんがまったく知らないうちに
会社が解散させられてしまっていた。
ということです。

とはいえ、
会社として事業を再スタートしたい!
とのご希望でしたので、
会社継続の手続を行うことになりました。

この2つの会社さんのように
みなし解散を回避する期限である
「2019年12月10日」の前後で
取り得る手続が違ってくるわけですが
昨年、みなし解散されてしまったという会社さんにとって
現時点で取り得る対応策である
「会社継続」の手続について
今回は書いていこうと思います。


【みなし解散から会社継続するために行う手続】
「みなし解散」の状態から会社継続するために行う手続は
以下の2つです。
1、株主総会などを開催して必要事項を決議する。
2、その登記手続を行う。

「法務局からの通知文書が届いたけど放置している。」
「会社の印鑑証明書が取れない。」
「会社の履歴事項全部証明書(会社謄本)を見ると解散と書いていた。」
など、
あなたの会社が「みなし解散」されていると気づいたのであれば、
その後「3年以内」であれば
株主総会を開催して
会社を継続することができます。
(3年を過ぎると、会社を閉じることしかできなくなります。)


【株主総会などで決議すべき必要事項とは?】
それでは、
「株主総会などで決議すべき必要事項」とは何でしょうか?

具体的な例を挙げてご説明しますね。

みなし解散がされる前の状態(株式会社)です。
代表取締役 A、取締役 B
取締役会、監査役は非設置
代表取締役は取締役の互選で選定する旨の規定があります。

みなし解散の登記がされたことにより
解散前の取締役は全員失職し
登記記録にもそれを示す下線が引かれています。
また、
みなし解散の場合は
清算人が選任されていないため、その登記はされていません。

この状態から会社を継続し
みなし解散がされる前と同じ状態に戻すというケースです。

この場合、
まず、株主総会で以下の決議をすることになります。
1、会社継続
2、取締役A・Bの選任

続いて、取締役A・Bによる互選によって
以下の決定をすることになります。
3、代表取締役Aの選定


【行うべき登記手続とは?】
必要事項を決議することができたのであれば
次は、法務局での登記手続です。

先ほどのケースであれば
以下の登記手続をすることになります。
1、令和1年12月11日清算人及び代表清算人就任
2、会社継続
3、取締役及び代表取締役の変更

登録免許税は
合計で49,000円です。
1の清算人就任で、9,000円
2の会社継続で、30,000円
3の取締役等の変更で、10,000円
(3につき、資本金1億円超の会社は、30,000円になります。)


【登記手続の添付書類は?】
先ほどの登記手続を行うために
法務局に提出すべき添付書類は以下のとおりです。
1、定款
 ※「定款で定めた清算人がいないこと」を証明するために
  解散時点の内容の定款を用意する必要があります。
2、株主総会議事録
 ※前述の決議事項を記載します。
3、株主リスト
 ※株主名簿や決算書の別表2など、株主の判明するもの
  の記載に基づいて作成します。
4、取締役の互選書
 ※前述の決定事項を記載します。
5、就任承諾書(取締役A、B及び代表取締役A)
 ※A及びBは個人実印を押印します。
6、印鑑証明書(取締役A及びB)
7、登記委任状
8、改印届書(代表清算人A)
 ※代表清算人としての印鑑届が必要であるため。
  なお、印鑑カードについては
  従前のものを継続することができます。
9、改印届書(代表取締役A)
 ※代表取締役として、あらためて印鑑届が必要であるため。
10、印鑑カード交付申請書(代表取締役A)
 ※解散状態から会社継続をした場合、
  新たに印鑑カードを作成することになります。


【過料に注意!】
みなし解散がされてしまった会社さんは
その時点で長期間
会社の登記手続を放置してしまっていることが多いです。

詳細は冒頭に紹介した記事に記載していますが
会社の登記手続を放置していると
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向があり
この支払いを逃れることはできませんので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、
その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。

みなし解散がされてしまって
その後の手続が面倒だからとさらに放置していても
過料の支払金額が大きくなるだけで
清算結了をして会社を消滅させるまでは
その会社の手続から逃れることはできません。

【最後に】
みなし解散されてしまった場合
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
いずれにしても、
速やかに必要な手続を行わなければなりません。

放置し続けると
高額の過料請求がされてしまう可能性がありますので
面倒だからと
放置してしまわないようにご注意ください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


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2020年新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます!

旧年も多くの皆さまに大変お世話になりました。
改めて、皆さまのご支援に心より厚く御礼申し上げます。

さて、
個人的なことではありますが
年末年始は
妻や子、それぞれの父母、兄弟姉妹、祖父母と
ゆっくり過ごすことができ、
懐かしい昔話や近況
普段、電話やメールではなかなかできない話題も
顔を合わせてきちんと話すことができました。

こうして楽しく、穏やかに過ごせた数日は
日々忙しく働く中で忘れがちな
家族との穏やかな時間の尊さを
改めて感じさせてくれました。

令和2年となる今年も

多くの依頼者の方々の
お困りごとを解決することを通じて
弊所の名前の由来でもある
“依頼者の方々の「平和で穏やかな暮らし」を守る”
という理念を実現してまいります!!

弊所の法律サービスが
より多くの方々に届きますように
より良いサービスが提供できますように
益々努力を重ねてまいりますので
本年もなお一層のご支援を賜りますよう
お願いを申し上げまして
2020年新年のご挨拶とさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
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年末のご挨拶と年末年始の営業日のお知らせ

おはようございます!

今年も残すところあと僅かとなりましたね。
これが今年最後の記事になります!

今年は人生で1番早く駆け抜けた1年であり
1番多くの経験を得られた充実した1年でもありました!

令和の最初の年である
2019年1月
この事務所を開設し
1年間、無事に事務所運営することができたのも
弊所を支え、応援してくださる多くの関係者の皆さま
数ある事務所の中から弊所を選んでくださった依頼者の方々
のおかげだと痛感しております。

まずは
皆さまのこれまでのご支援に心より厚く御礼申し上げます。

また、
年頭の記事にも掲げましたが

“多くの依頼者の方々の
「平和で穏やかな暮らし」を守っていきたい!”
という想いのもとに命名した
この事務所の「へいわ」の名に恥じないよう、
来年以降も
一生懸命頑張っていきたいと思います!


最後に
年末年始の営業日についてのお知らせです。

「普段お勤めで司法書士事務所へ相談できない…。」
といった声もよく耳にしますので、

年内は12月30日(月)まで
年始は1月4日(土)から
ご相談・ご依頼をお受けしております。

おひとりで悩みを抱え込むことなく
年末年始のうちに無料相談をご活用いただき
ぜひ良い1年のスタートを切っていただければ幸いです。


改めまして、
今年も本当に多くの皆さまにお世話になりました。
心よりの感謝の思いをお伝えするとともに
今後も引き続きご支援くださいますよう
お願いを申し上げまして
年末のご挨拶とさせていただきます。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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根抵当権の債務者を変更する前提として、債務者の住所変更登記は省略できない?

おはようございます!

今日は少し専門的なお話です!

関西で司法書士事務所をしていると
「もう少し費用まけてくれへん(安くしてくれませんか)?」
というお話をいただくことがあります。

これはおそらく関西の司法書士さんであれば
日常茶飯事ではないでしょうか?

とはいえ、
弊所はもともとの報酬額が安いので
あまりそういったことは言われないかな?と思っていたんですが
やはり今年も数回は「先生、費用もう少し…」のお声をいただきました!
もはやこれは、関西人の口グセ!?かもしれません(笑)


そこで今日は
「この登記省略できるんじゃないの?」
「省略することで手続費用を安くできるんじゃないか?」
という考えから
同業者の方から相談をいただく内容

“根抵当権の債務者変更登記をするときに
債務者の住所に変更が生じている場合
この住所変更の登記は省略できないの?”

について書かせてもらおうかと思います。


まずは相談事例の説明からさせていただきますと、

既に設定登記がされている根抵当権がありまして
根抵当権者がA
根抵当権設定者がB
その債務者がXとなっています。

今回、債務者XをYに変更するんですが
根抵当権の債務者変更契約の1年前に
Xは本店移転をしています。

それでは
今回、根抵当権の債務者変更登記を申請して
債務者をXからYに変更する前提として
債務者Xの本店移転に伴う根抵当権変更登記申請を
する必要があるのか?あるいは省略しても構わないのか?

といった内容です。

実務上
根抵当権の債務者変更契約書には
旧債務者と新債務者の記名押印がされることも多いので
旧債務者の本店移転があったことは
添付書類から明らかになることが多いですよね。

でも、
報告形式の登記原因証明情報を添付書類として提供する場合で
旧債務者の本店移転をわからないように記載するなんてことも
できちゃうんじゃないだろうか…

そもそも
債務者Xの本店移転が明らかなのかそうでないのかを別として
これから債務者から離脱することになる債務者Xの本店移転を
登記記録上、公示する必要があるのだろうか?

省略できるのであれば
必要な登記申請の数が減少する分
お客様の負担する手続費用も安くすることができるし…

などと色々考えるわけですよね。


結論から言ってしまうと
「債務者の本店移転に伴う根抵当権変更登記は省略不可。」
ということになります。

根拠としては
「登記研究の質疑応答」です。
※登記研究というのは、登記実務を行う法務局や司法書士が
 その運用や解釈についての指針としている専門書籍です。

登記研究452号114項
質疑応答6601において
【要旨】
抵当権の債務者変更登記を申請するに当たり、
登記簿上の債務者の住所氏名に変更が生じている場合は、
その表示変更登記を省略する扱いは認められない。
根抵当権の債務者の変更登記を申請する場合も同様である。

と記載されています。


ですので、
このケースにおいては
根抵当権の債務者の住所変更登記を省略することは認められていないので
きちんと登記しないといけないということですね!

司法書士として、
依頼者へ納得のいく説明をするための理論的根拠として、
うっかり不適法な登記手続をしてしまうことを防ぐ備忘録として、
この記事がいつも読んでくださっている
皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

遺言・相続と成年後見に関するセミナーが開催されます!

おはようございます!

今日はこのブログ記事を借りて
セミナーの告知です!

2019年は相続を中心テーマとして
多くの記事を書かせていただきましたが
そういったことの影響があったのかどうか
来年、「相続」をテーマにセミナー講師として
お話しする機会をいただくことになりました。

参加される方の多くは、一般の方が中心とお聞きしていますので
担当テーマについて
時間の許す限り
具体的な事例を挙げながら
知っておくべき知識について
わかりやすくお知らせできればと思っています。

さて、
セミナーの詳細情報ですが、以下のとおりです。

【開催日時】
2020年(令和2年)1月25日(土曜日)
13:00~16:00

【開催場所】
柏原市立市民プラザ(アゼリア柏原6階 中会議室)
(※住所:大阪府柏原市上市1-2-2)


セミナーは2部制になっていて
第1部で「相続・遺言と家族信託」について
第2部で「成年後見」について
それぞれのテーマについて、
司法書士がお話することになっています。

私、山内は第1部の担当講師として
皆さまの前でお話をさせていただきます。

第1部のみならず、
第2部の成年後見に関するセミナーについても
現代の高齢化社会においては
知っておいてトクする情報が満載となっています。

ちなみに、
よくある民間が主催する相続セミナーとなると
セミナー当日はもちろん、そのあとに至るまで
商品やサービスの購入のための勧誘がされることが多いかと思いますが

このセミナーは
公益目的のために
リーガルサポート、大阪司法書士会とともに開催しているもので
柏原市、東大阪市、八尾市の後援もいただいているため、
セールスの入る余地は一切ありません。

セミナーの後には
司法書士に直接相談できる無料相談会も開催しておりますので
この機会に
「相続、遺言、家族信託や成年後見」に関する情報収集と
実際に抱えるご自身の悩みについてご相談をされてみてはいかがでしょうか?


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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「相続」に効く!生命保険のお話

おはようございます!

タイトルを読まれて、
司法書士が保険の話をするのを
意外に感じられた方も多いのではないでしょうか?
そして、
保険の話を聞くのなら、保険屋さんだろう。
と思われた方もいるかもしれません。

でも、実際のところ、
保険屋さんに保険の話を聞くのは抵抗はありませんか?
なんとなく、保険を売り込まれそうだとか、
不安を感じられる方もいるのではないかと思います。

弊所では、
これまで数多くの相続の現場を経験してきましたが、
その中で
この「生命保険」の有無が、
残された家族の人間関係や
相続手続の金銭的・時間的負担の大小に
大きな影響を与えていたことを目撃してきました。

そこで
生命保険の販売をその業務として扱っていない
司法書士事務所だからこそ
第三者的な視点からお伝えできる
生命保険の活用方法についてのお話をしてみたいと思います。

この記事を読まれて
より具体的な保険商品について聞いてみたいと思われたときに
保険屋さんにご相談されても良いかもしれませんね。


はじめに、
生命保険がなぜ相続に有効なのか?という点ですが、
弊所では
以下の3つの観点から
いつか必ずやってくる「相続」への備えとして
生命保険が有効だと考えています。

【1、残された家族の負担軽減のために活用できる。】

1つ目は、残された家族の負担軽減です。

亡くなられた方の遺産を誰が取得するのか?、
それは、
亡くなられた方が、遺言書を作るなどの生前対策をしていない場合、
相続人全員による遺産分割協議によって決める必要があります。
また、
遺産を実際に取得して利用するには
それぞれの遺産の内容に応じて、
必要な相続手続を行う必要があります。

たとえば、
銀行預金が遺産の場合は、
相続人全員での遺産分割協議がまとまれば
相続関係がわかる戸籍謄本や
相続人全員の印鑑証明書を集めたうえで、
銀行所定の手続書類を記入して提出し、
一定の処理期間を経てはじめて
取得すると決まった相続人は
その預金を引き出すことができることになります。

通常、
ある人が亡くなられてから
その人の名義の預金の相続手続を経て
預金を引き出せるようになるまで
スムーズに進めたとしても1カ月はかかるかと思います。(※)

それまでの間、
その預金口座に入っているお金は
葬儀費用に充てることもできませんし、
当然、生活費として使うこともできません。

ましてや、
相続人間で遺産分割の話し合いがまとまらない場合は
その期間は長期化し、
相続人の負担は大きくなることが予想されます。

この点
生命保険に加入していることによって支払われる保険金は
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
相続人間での話し合いを経ることなく
受取人として指定された人がスムーズに受け取ることができます。

また、
生命保険金の支払い手続は、
受取人以外の相続人が関与することがないため
銀行預金の相続手続に比べ
短い日数で支払いを受けることが可能です。

つまり
生命保険によって
葬儀費用や当面の生活費としての相当額を
受取人が受け取れるように指定しておくことで、
相続人の当面の支出に備えることができるということです。

(※)
銀行預金の相続手続についても、
例外的に、相続人の1人からの請求によって
支払いを可能とする手続も用意されています。
しかしながら、
支払われる金額については、一定の金額に限定されています。


【2、「遺留分」への対策として活用できる。】

2つ目は、「遺留分」への対策です。

相続人となる配偶者や子、父母などには
「遺留分」という遺産を相続する最低限の権利が保証されています。

たとえば
子が2人いる人が
生前に遺言書を書いて
「遺産の全部を子の1人に相続させる。」と決めておいたとしても
もう1人の子には、この遺留分があるので
いざ相続が発生したときには
遺言書で遺産の全部をもらうこととされた子は
もう1人の子から遺留分として
一定の金銭を支払うように請求される可能性があります。

「遺産の全部」の内容によりますが
遺産のほとんどが不動産のように
すぐにお金に変えられない財産であった場合、
この子は、遺留分の支払いに困ってしまいます。

そういったときにも
生命保険は有効です。

生命保険金の受取人を
遺言書で遺産の全部をもらうこととされた子にしておくことで
遺留分を請求された際の支払い資金を
事前に手当しておくことができるからです。

また、
先ほども書きましたが
生命保険金は、
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
財産の一部を、生命保険金に変えておくことで
遺産を減らす、ひいては遺留分を減らす効果もあります。

遺留分の請求がされる可能性のある
遺言書を書こうと思われている方は
生命保険の併用を検討されると良いかと思います。


【3、「相続税」の軽減に活用できる。】

生命保険金は、
法律上、「そもそも遺産ではない。」と解釈されていますので、
遺産を減らす効果があると書きました。

しかしながら、
相続税の取扱いは、法律上の取扱いと異なっています。

基本的には、
支払われた生命保険金は遺産として相続税を課税します。
ただし、相続人の数に応じて一定額の控除は認めてあげます。
という考え方です。

そのため、
現金や預金で財産を残しておくのであれば
まるごと遺産として相続税の課税対象となりますが、
生命保険金に変えておくことで
一定額の控除が認められるため
相続税を軽減して
相続人に多くの財産を渡してあげることができるということです。

法改正によって
相続税の基礎控除の金額が
以前に比べて4割も減ってしまったため
相続税の対象となる人が実際に増えています。

お金持ちだけが相続税の対象だと思っていたのに
まさか私の家庭もその対象だったなんて…
といったケースも増えてきていますので、
この3つ目の観点での生命保険の活用も検討すべきかと思います。


さて、
ここまでは生命保険の活用することでもメリットを書いてきましたが
以下は、ご注意いただきたい点を書きたいと思います。

【注意点1、生命保険での対策は余裕資産の範囲で。】

注意点の1つ目は、
ご自身の余裕資産の範囲で生命保険での対策を行うことです。

当然のことながら、
生命保険の受取人となる人の多くは
契約者の相続人です。

契約者ご自身が元気なうちは
ご自身の生活費はもちろん
残りの人生を豊かに過ごすために財産を使うべきだと思います。

相続人に多くの生命保険金を残すためにお金を使い過ぎて、
今の生活が苦しくなっては本末転倒です。

あくまでも無理のない範囲で、余裕資産の範囲で対策を行ってください。


【注意点2、生命保険に加入できる年齢には限界があります。】

注意点の2つ目は、
生命保険に加入できる年齢には限界があるということです。

生命保険に加入できる年齢は、
一般的には80歳とされているようです。

人生100年時代といわれるようになって
将来に必要な財産の見極めは難しくなっていますが
あまりに判断が遅れると
もはや生命保険による対策はできなくなってしまいます。

これまでに書かせてもらったポイントも踏まえて
早めに対策を取っておきたいところですね。


弊所では
相続に強い税理士事務所との提携サービスとして
簡易の相続税診断を
無料で行っております。

相続をきっかけとした争いを予防する法律面での対策にあわせて
税金面でも有利になるハイブリッドな対策
を提案いたしますので、
この機会に、ご相談いただけましたら幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
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土地を共有者の一部だけで売却可能とする法改正へ! (所有者不明土地問題の対策として)

おはようございます!

今日は、最近とても話題になっている
「所有者不明土地問題」についてです。

この問題が起きてしまう原因には
我々司法書士の専門である「相続登記」が深く関わっており
相続分野を主に扱っている弊所としても
非常に関心を持っているテーマです。


ところで、
先日、日本経済新聞にこれに関する記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(11月18日付)
(土地、一部所有者で売却可能に 所有者不明地で対策)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52281220X11C19A1SHA000/

記事の内容は、上記をご覧いただければと思いますが、
記事内容を踏まえつつ、
この「所有者不明土地問題」について、
もう少し説明させていただければと思います。

いわゆる、所有者不明土地は、
相続時に名義変更(いわゆる相続登記)を放置してしまったことなどが原因で、
現在の所有者が誰か分からなくなってしまった土地のことで、
所有者不明土地問題研究会によると、
2016年時点で九州本島の面積に相当するほど拡大してしまっています。

震災復興などの公共事業を行うために
土地買収を行う必要があるにも関わらず
相続の末に約700人の共有となった土地で
一部の所有者の所在が分からなかったために、
公共事業が滞ってしまうといった事例も
各地で発生してしまっています。

また、
民法の定めによって、
土地を売却するには、所有者全員の承諾が必要となっています。

たとえば、
土地の所有者だった父が亡くなり、
母と2人の子どもが相続人である場合、
現状では3人全員が承諾しない限り売却はできないということになっています。
もちろん、
自分の持分だけであれば売却は可能ですが、
土地の持分のみに過ぎず
その利用価値が小さいために
買い手がつかなかったり、
売却金額が大幅に減額されるといったことになってしまうことが一般的です。

そこで、
国は、この所有者不明土地について、
共有者の一部だけでも、売却や賃貸ができるルールを作るべく
法改正に向けて動き始めているようです。

具体的には
国交省と法務省が
共有者の一部だけで、土地の売却や賃貸ができるように
2020年の通常国会に関連法改正案の提出を目指しているようです。

売却の場合は、
不明共有者の持分については金銭を法務局に供託することで、
不明共有者の持分を取得して、
共有関係を解消できるような仕組みが検討されています。
賃貸の場合は、
不明共有者以外の残りの共有者の承諾で
賃貸を行えるようにする仕組みが検討されているようです。

しかしながら、
これらの特例を利用するには
一定の条件が付けられる予定となっています。

登記簿や固定資産課税台帳などの調査、
行政機関・親族らへの聞き取りといった
不明者を見つけ出すための探索をすることが必要だったり、
この手続に反対する他の共有者がいる場合は、
異議を申し立てることができるように
公告をすることも必要とされる予定です。

法改正が実現すれば、
売却や賃貸による土地活用の道は
多少開かれることになることが予想されますが、
相続登記がキチンとされているケースに比べると、
まだまだ手続にかかる期間や費用の面で
ハードルが高いのではないかと思われます。

結局のところ
相続登記が放置されず
スムーズに行えるような支援が必要だろうと
個人的には思うところです。

ところが、
2019年7月27日付のブログ記事
「相続登記は早くしないと危険?!
(相続させる遺言等の効力と対抗要件について)」
でも詳しく書かせていただいていますが、
相続登記の手続を長く放置されている人が多いように感じています。

相続登記の手続を自分一人で行おうとすると
その負担も大きく
現在の法制度では
相続登記の期限も設けられていないために、
ついつい放置してしまい、そのまま忘れてしまうケースが多いようです。

しかしながら、
多くの場合、
相続登記を放置することで手続が簡単になることはなく、
数人いる相続人の1人が認知症になってしまったり、
相続人が亡くなることで疎遠な相続人が増えてしまったり、
口約束で遺産はいらないと言っていた相続人の経済状況が変わり
やはり遺産を欲しいと言ってくるなど…
時間の経過とともに、手続は複雑化していくことが一般的です。

2019年7月1日、
相続に関する法律が改正されたことによって
せっかく自身が権利を取得にもかかわらず、
その権利を失ってしまうケースも出てきていますので、
そのようなことにならないように、
早めに相続登記手続を行っておくことをおすすめいたします。

弊所を含め、
「相続登記」の専門家である司法書士にご相談いただければ、
そのご負担を軽減することも可能です。

ご自身のため
ご自身のお子様のため
所有する不動産のある地域社会
ひいては日本の国のため
ぜひ「相続登記」について考えるきっかけにしていただけたらと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
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大阪司法書士会支部対抗ソフトボール大会

おはようございます!

今日は久しぶりのゆるーい記事です。
最近は真面目な記事が続いていたので
たまには息抜きと言いますか、
そんな記事を書かせてもらおうと思います!

今回は、
以前もブログ記事でお話したことのある
大阪の司法書士が集まって毎年秋に行われるソフトボール大会の話題です。

大阪司法書士会は
地域ごとに12の支部に分かれていまして
弊所は大阪市中央区にあることから
「南支部」に所属しています。

このソフトボール大会は支部対抗ということなので
この支部ごとにチーム編成されることになっています。
ですので、私は南支部チームのメンバーとして戦うことになっています。

そして、
大会では12の支部チームを
3チームごとに1つのブロックとして
ソフトボールの強い順に
A・B・C・Dの4つのブロックに分けて
各ブロック内で試合をすることになっています。

そして
ブロック内での勝利数や得失点差によって
昇格、降格、残留が決まり
来年戦うことになるブロックが決定されることになっています。

南支部チームはBブロックで
今年は、
大阪東部エリアの司法書士さんを中心に編成された河内支部チーム
大阪北部エリアの司法書士さんを中心に編成された豊能支部チーム
と試合をしてきました!

Bブロックに入っているチームだけあって
どちらのチームも野球経験者や運動神経の高い人たちが多くいる
強豪チームです。

かつてはAブロックの常連チームだった
南支部チームとしては
Aブロック昇格は悲願!ということで
今年は6月頃から
大会に向けての練習をしていましたので
そりゃもう勝つ気満々で臨んだ大会でした!

私自身も野球経験者ということでしたので
少しでも貢献できればという思いもありつつ、
むしろ、
貢献をしなかった場合の責任追及も予想されましたので
そのプレッシャーも感じながら
色んな意味で、気合を入れて試合に臨んできました!(笑)

気合を入れ過ぎて
大会前日から体調を崩してしまうという失敗も犯してしまいましたが(汗)
結果的には2戦2勝、得失点差も10点以上、個人成績もまずまずと、
最高の結果で終えることができました!

来年は
念願のAブロックで
大阪司法書士会屈指の最強チームを戦うことになりますが
来年も良い結果が残せるように頑張っていきたいと思います!


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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2019年12月、あなたの会社がみなし解散されないようご注意ください!

こんにちは!

先日、2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中で
会社が強制的に解散されて、その登記がされてしまうことがある。
といったお話をさせていただきましたが、
今日はこれをテーマに詳しくお話をさせていただこうと思います。
(上記記事もこの記事の理解に役立ちますので、ぜひご覧ください。)

毎年、相当数の会社が対象となってしまっていますので、
このブログ記事を読まれている方の周囲では
そのようなことにないように、ぜひご注意くださいね。


【みなし解散とは?】
平成26年度以降、毎年、
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人を対象に
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を送り
それを受けた休眠会社等が一定期間内に対応をしなければ
強制的に解散したものとみなして
その登記をしてしまうという措置をとっています。
これを「みなし解散」といいます。


【対象となる休眠会社等とは?】
一定期間登記手続を行っていない休眠状態の会社や法人のことを
「休眠会社等」といいますが、
具体的には以下のような会社等のことをいいます。
・「最後の登記から12年を経過している株式会社」
・「最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人」

そのため、
役員は社長1人だけの会社であったり、
家族経営の会社であったり、
事実上、事業を休止している会社であって、
「実際は役員が変わっていない」会社であっても、
法律上は役員の任期が満了する都度、再任の登記手続をする必要があるため、
最初の就任時には登記手続をしたけれども、
その後、一定期間、再任の登記手続をせずに放置している場合には、
この「休眠会社等」に該当してしまうことがあります。

ちなみに、
一定期間、登記手続をする必要が発生しない可能性もある
有限会社や合同会社、合名会社、合資会社などは対象とされていません。


【みなし解散を行っている理由と対象となった休眠会社等の数】
それでは、
なぜ法務局はそのような「みなし解散」をするのでしょうか?

本来、一定期間内に登記手続をすべきである会社等にもかかわらず
長期間登記がされていないということは
既に事業を廃止しているか、実態がない状態となっている可能性が高く
このような休眠状態の会社等の登記をそのままにしておくと
登記制度に対する国民の信頼が損なわれることになってしまうことや
休眠会社等が売買されて犯罪等に利用される可能性があること等
の理由から、このみなし解散を毎年実施しています。

そして、
実際に、毎年相当数の休眠会社等がみなし解散をされています。
平成26年は、株式会社…78,979社、その他…478社
平成27年は、株式会社…15,982社、その他…645社
平成28年は、株式会社…16,223社、その他…734社
平成29年は、株式会社…18,146社、その他…992社
平成30年は、株式会社…24,720社、その他…1,208社
(法務省開示資料より)

平成26年の数字が大きいのは、
その前に行われたのが平成14年だったこともあり
その間に対象会社等の数が増加したからだと思われます。

その後、毎年、対象会社等の数は増加傾向にありますが、
平成18年の会社法により、
役員の任期を最大10年にできるようになってからは
「前回の登記をしてから10年後に登記をしないといけないこと」を
「うっかり忘れてしまった。」ということが原因の会社も
相当数含まれていると思われます。
(10年後にしようと思っていたことを覚えている人の方が少ないですよね。)


【2019年10月10日、法務局より通知文書が送られました】
今年(2019年、令和元年)も
みなし解散の手続を実施するため、
2019年10月10日付で、
官報で法務大臣による公告を行い
管轄法務局からは、対象となる休眠会社等に対して通知文書を発送しました。

今年対象となる会社等は
例えば、以下のような会社等です。
・役員の任期を10年にしている。
・平成19年9月以前に役員の変更登記をしたのが最後となっている。


【どんな通知文書が届くの?】
法務局より届く通知文書は以下のようなものが届くことになっています。
「そういや、こんな書類が届いていたな。」という方は
放置せずにすぐに対応してください!


【通知文書が届かない会社等もあります。】
対象となる会社等であっても、
何らかの理由で通知文書が届かないことがあります。
その理由として考えられるのが次のようなものです。
「社名(商号・名称)を変更しているが、その登記もしていない。」
「本店(主たる事務所)を移転しているが、その登記もしていない。」
このような場合、
通知文書が届くことはありませんが、
みなし解散の対象となる会社等から免れるということはなく、
むしろ、なんの知らせもないまま「ある日突然、会社が解散していた。」
ということになりますので、注意が必要です。


【今年のみなし解散を回避する期限は、2019年12月10日(火)まで】
今年(2019年、令和元年)のみなし解散を回避する期限は、
「2019年(令和元年)12月10日(火)まで」となっています!

期限までに
「まだ事業を廃止していない旨の届出」を法務局に対してするか
「これまでしていなかった登記手続」を法務局で行うかしなければ、
対象となった会社等は
2019年(令和元年)12月11日(水)付で解散したものとみなされ、
法務局が職権で解散登記をすることになります。
つまり、
会社の登記簿(履歴事項全部証明書)にその記載がされてしまい、
誰でもその記載を確認できてしまうということです。


【心当たりのある会社さんは、まずは確認を!】
みなし解散がされてしまうと
事業継続するうえで、
会社の信用にも影響が出てきてしまいますし、
さらにそのまま放置すれば
事業継続が不可能になることもあります。

「法務局から通知書が届いた!」という方はもちろん、
「最近、法務局での登記手続をしていないな。」
「最近、司法書士と連絡していないな。」という方は、
ぜひ、会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。


【みなし解散になっても、過料から逃れることはできない】
2019年11月2日付のブログ記事
「住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?」の中でも
お話をしましたが、
一定期間内に必要な登記手続をしなければ
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものの
支払いを裁判所から求められることがあります。

これは、
ずっと登記手続を放置し続けて
みなし解散となった場合であっても逃れることはできないことになっています。
むしろ、
みなし解散となる会社等は
そのこと自体で、登記手続を怠っていたことが明らかになるわけですから
みなし解散にあわせて、過料の支払いを求められることもあるようです。

そして、
放置した期間が長くなればなるほど
過料の金額は大きくなる傾向がありますので、注意が必要です。


【放置し続けても、会社が消滅することはありません】
会社等は、解散した後は
資産を売却等して金銭に変えて、負債を返済し
残りがあれば株主に分配する。
いわゆる「清算事務」を行う必要があります。
この清算事務を完了することを「清算結了」といって、
清算結了すると、会社の法人格が消滅し、その登記をすることが可能になります。

そして、この清算事務は
みなし解散がされた後も
国等が代わって行ってくれることはありません。
各種法令上、
いわゆる「みなし清算結了」という制度も用意されていません。

そのため
みなし解散がされた場合であっても、
自身で清算事務を行わない限りは
会社等は消滅しないということになります。
【みなし解散されてしまった場合はどうしたらいいの?】
それでも
「みなし解散をされてしまった!」というご相談をいただくことがあります。
その場合、
その会社を「継続させて、事業を行いたいか?」
それとも「このまま清算結了させて、事業を閉じたいか?」
によって、行うべき手続が変わってきます。

もし、
「会社を継続させたい!」とお考えの場合は、
早めに対応をする必要があります。
みなし解散がされてしまった会社等の場合、
会社を継続するためには期限があって、
「解散したとみなされた日から3年以内」が期限とされているからです。

記事が長くなってしまいましたので、
詳しい手続については、
また別の記事でご説明させていただこうと思いますので
ぜひご覧ください。


【最後に】
最後に、もう一度お伝えさせていただきます。
今年のみなし解散を回避する期限は、
「2019年12月10日(火)まで」です。

改めて、自社の会社の謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で取得して
最後に登記をしたのがいつか確認してみてください。

そして、速やかに必要な登記手続を行ってください。

もし、分からないことがあるようであれば、
ぜひ司法書士にご相談してくださいね。

ある日突然、会社がみなし解散されていた…。
そんなことにならないよう、この記事がお役に立ったのであれば幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

空き家問題を防ぐには?勝負の決め手は「家族信託や遺言などの相続対策」

おはようございます!

先日、多くの司法書士が参加するゴルフ大会に参加してきました!
実力不足はもちろんですが
ものすごく久しぶりにコースを回ったこともあり
結果は散々でした!
おかげさま?で、ブービー賞をいただくことができました(笑)

しかしながら、
同じグループで回った
先輩司法書士の皆さんの優しさと
キレイな景色に癒されながらプレーができ
日頃の疲れが吹き飛びました!

初心者ですが、
すっかりゴルフの楽しさに魅了されている
司法書士の山内です。


さて、今日のテーマは「空き家問題」です!

先日、日本経済新聞に気になる記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(10月31日付)
(家族信託や遺言、相続こそ空き家予防の要 空き家と向き合う(4))
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51656350R31C19A0EA1000/


「おやじは俺に任せると言っていた」
「そんなはずはない。長男面するな」
「毎週通って面倒みていたのは私よ」――。
ひとり暮らしの父親が亡くなって約1年。
30~40代の3きょうだいは、
空き家状態になった東京都内の実家を巡ってぎくしゃくしている。
父から「家は好きにしろ」と言われていたが、
売るか建て替えるか、
実家を出て家庭を持つ3人の意見はまとまらない。
固定資産税、管理の手間、近所からの苦情。
悩みもあるが、関係を修復する大変さを思うと、
腰を上げる気にはならない。

こんなケースを挙げて記事は展開されていますが、
対立の深さの差こそあれ、
こういったケースは、ごく普通のご家庭でも起こっていることだと感じています。

自身や家族の死後のことを考えることは
楽しいことではないかもしれませんが、
「いつか必ずやってくるそのとき」に備えて
正面から向き合って対策することを避け続けてきたことで
防ぐことができた争いが生まれてしまっているのです。

今や「終活」という言葉も普及してきたように
自身や家族の死に対して、
元気なうちに備えておくことが普通になってきています。

認知症になった場合の
自宅などの財産の管理や処分について
家族信託を活用して、正式に親族に任せておくことも大切です。

遺産について揉めることのないように
きちんと遺産をたな卸しして
遺言書を書いておいたりすることも大切です。

ですが、備えておくことは、何も遺産のことだけではありません。

自身が認知症になったときの介護はどうして欲しい?
財産の管理はどうして欲しい?
自身の死後、葬儀に呼んで欲しい人は?
最後に感謝の気持ちを伝えたい人は?
死後のパソコンやスマートフォンなどに残された思い出の写真など
デジタルデータの処分は?

ご自身やご家族にもしものことがあってからでは、
もうその想いを聞くことができないかもしれません。

我々専門家は、
それぞれの場面で
トラブルが解決できるようにベストを尽くしますが
実際にトラブルが起こってからでは
取り得る方法がどんどん少なくなっていくのです。

元気なうちであれば、
多くの対策の選択肢があります。

この記事は、そんな当たり前のようでなかなか難しい
生前対策の重要性を改めて訴えかけています。

この記事を読まれた方が
少しでも生前対策に関心を持っていただき、
司法書士をはじめとした専門家にご相談していただけたらと思います。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
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