へいわ法務司法書士事務所

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住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?

こんにちは!

台風とともに夏が終わったと思ったら一気に肌寒くなってきましたね!
暑がりで寒がり、花粉症持ちの私としては、秋が一番好きな季節なんですが
年々、秋が短くなってきているような気がしています…
うーん、気のせいなんでしょうかね?


さて今日は、
会社の社長さんや、
会社の色々な手続について担当される従業員のみなさんには
是非知っておいていただきたい内容で
「会社の登記手続はきちんとしておかないと罰金があります。」
というお話です。

個人事業ではなく、会社として事業をされている方々の多くは、
「株式会社」に代表される法人形態で事業をされているかと思います。
(他にも合同会社、合資会社、合名会社、一般社団法人など様々な形態があります。)

そして、株式会社として事業をされているからには、
必ず登記手続をする必要があるということになります。

会社法において、
株式会社は、一定の登記事項に変更があったときには変更登記をしなければならない。
と定められているからです。(会社法915条1項)

では、一定の登記事項とは何かというと
具体的には、
会社名(商号)
本店所在地
支店所在地
事業の内容(目的)
資本金
代表取締役の住所・氏名
取締役の氏名
監査役の氏名
などなど、他にも様々な登記事項があります。(会社法911条3項)

そして、
変更登記の手続には期限がありまして
それぞれの登記の内容によって、その期限は若干異なるんですが、
原則としてその登記の事由が発生したときから
「2週間以内」あるいは「3週間以内」とされています。
(会社法915条1項、930条3項など)

「登記の事由が発生したとき」というのは、
例えば、1名取締役を選任したようなケースだと
その取締役が株主総会で選任され、取締役自身がその就任を承諾した日のことを指します。
また、タイトルにもある住所変更の手続、
つまり、代表取締役が引越し等で住所を変更したようなケースだと
その代表取締役が住所を変更したその日
(住民票に変更日として記載されている日)を指します。

では、期限を過ぎてしまうとどうなるのか?
ということが気になるかと思いますが、
期限を経過してしまった場合でも、
期限後に変更登記の手続をすることはできますし、
期限が過ぎていることを理由に登記申請が却下されることはありません。

しかしながら、
登記をすべき期限を過ぎてしまったこと
(専門用語で“登記懈怠(とうきけたい)”といいます。)
に対してはペナルティを課される可能性があります。

そのペナルティというのが、
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものです。
スピード違反をしたときに支払わないといけないアレ
と同じようなイメージで考えていただくと分かりやすいかもしれません。

先ほども
ペナルティを課される「可能性があります。」と書いたように
期限を1日でも遅れてしまうと、必ず過料の支払いを求められるかというと
そうではありません。

基準については明らかになっていませんが、
過料の支払決定に関与している法務局や裁判所が
一定の裁量によって決定しているものと推測されます。

このあたりは
スピード違反でも同じようなことが起きますよね。
余談ですが、
私の知人がスピード違反で捕まったときに
警察官から「なんで捕まったか分かるよね?」と聞かれて
「運が悪かったからです。」と答えて、
こっぴどく叱られたことがあるそうです(笑)

さて、話を戻して
もう少し過料についてご説明します。

過料の金額についても
法律の規定がありまして(会社法976条1項1号、22号など)
100万円以下の範囲で裁判所が決定することとされています。

とはいえ、実際に100万円の請求がきたというお客さまには
まだ出会ったことはありませんが、
最大で50万円近くの請求を受けた方がいらっしゃいました。
これまでの経験上、1年遅れるごとに2万円程度加算されている印象です。

それでは、実際にあった過料決定の通知書をご覧ください。
(個人情報はマスキングしてあります。)
ちなみに、この過料決定通知書は
取締役の任期が満了していたけれども
そのことに気付かず、再任の手続を忘れていた会社の
社長さん個人宛に届いたものです。
上記のような書面が届いて、過料が請求されるまでの流れとしては
1、登記の申請が遅れている会社を発見した法務局が、裁判所へ通知をする。
2、その裁判所が会社の代表者個人あてに過料を請求する。
といった流れになっています。
法務局としては
日本全国のすべての会社について
いつ登記事項が変更されたのか?それが遅れているのか?を
把握できないことも多いので、
実際には、期限を過ぎた登記申請がされたことによって発覚する
というのが多いかと思います。
そのため、登記申請をしてから数カ月後に
裁判所から上記のような過料通知書が郵送されてくることが一般的です。

じゃあ、期限を過ぎてしまったらずっと放っておいた方が良いのでは?
と思われる方もいるかもしれませんが、
それは良い方法ではありません。
先ほど書いたように、
過料は1年遅れるごとに2万円程度加算されていきますし、
株式会社の場合、会社役員の任期を伸長することができますが
それも最大で10年までとされている関係上
どれだけ遅くとも10年に1度は登記手続をする必要があることは
法務局も把握しています。
そのため、10年以上登記手続をしていない会社の代表者個人あてに
裁判所から過料請求がされるケースも出てきています。

司法書士に登記手続を依頼することでかかる費用に比べてみても
過料の金額が大きすぎますし、
過料は会社の経費や損金として処理することもできません。
単純にもったいないだけのコストとなってしまいます。

また、過料に関して良くご質問をいただく内容をもうひとつご紹介しますと
過料は行政罰であって、刑事罰ではありません。
つまり、過料が請求されたとしても前科がつくということはありませんので、
ご安心いただければと思います。

ちなみに、10年を超えてもなお放置し続けるとどうなるのでしょうか?

最後の登記から12年を経過している株式会社のことを「休眠会社」と呼び、
全国の法務局では、
毎年、休眠会社の整理作業を行っています。
詳細については、別の記事で書くことにさせていただきますが、
要約すると「強制的に会社を解散させ、その登記を行っています。」
平成26年には約80,000社がこれにより解散していますし、
その後も毎年20,000社近くの会社が解散しています。

最後にタイトルのお話です。
代表取締役の方がお引越しをされて、住民票上の住所が変わったとしても
登記されている代表取締役の住所は自動的に変更されることはありません。
そして、住所変更の登記手続ひとつが遅れただけでも
最大100万円の過料請求される可能性があるのです。
ちなみに、顧問の税理士さんがいる会社さんであっても
税理士さんは登記手続の専門家ではありませんから、
この点、見落としてしまうこともあるようです。

ある日突然
自社に高額の過料請求がされてしまったり、
最悪の場合、会社が解散されてしまったりしないように
きちんと注意をしつつ、すみやかに登記手続を行ってくださいね!


もちろん、自社で管理するのは難しいということであれば
役員の任期管理や役員改選時期の通知サービスをしてくれる司法書士に依頼する
というのも一手かと思います。
その際は、お気軽に弊所までご相談ください。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

他に相続人はいない旨の証明書は不要です(平成28年3月11日付法務省民二第219号)

おはようございます!

先日、10月14日の体育の日は
高校時代ぶりに運動会に出場してきました!
町内会の役員をしている関係で
地域の運動会へ参加して欲しいとのお声掛けをいただいたからです。

弊所は祝日のみを定休日としているので、
体育の日は買い込んだ書籍を一気読みしようかと計画していたのですが…
せっかくのお誘いですし、この際、読書の秋ではなく、体育の秋にしよう!
ということで、参加させていただくことにしました!

無事、ケガなく運動会を終えることもできましたし、
こういったイベントがないと関わることのできない
地域の方々とのコミュニケーションの機会が得られたのは
とても貴重な経験でした!
私の住まいは八尾なんですが、
10年、20年先までも
この町が多くの人にとって住みやすく、元気な町であるように
微力ながらお手伝いしたいと思います。


さてさて、
今日は相続登記に関する先例・通達のご紹介です。
この通達が出てから3年が経過しますが、
同業の友人から質問をもらうことがありますので、
ここで紹介させていただこうかと思います。

以下、引用。

除籍等が滅失等している場合の相続登記について(通達)
〔平成28年3月11日付法務省民二第219号〕

相続による所有権の移転の登記(以下「相続登記」という。)の申請において、
相続を証する市町村長が職務上作成した情報
(不動産登記令(平成16年政令第379号)別表の22の項添付情報欄)
である除籍又は改製原戸籍(以下「除籍等」という。)の一部が
滅失等していることにより、
その謄本を提供することができないときは、
戸籍及び残存する除籍等の謄本のほか、
滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書
及び「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)
の提供を要する取扱いとされています
(昭和44年3月3日付け民事甲第373号当職回答参照)。
しかしながら、上記回答が発出されてから50年近くが経過し、
「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書を提供することが
困難な事案が増加していることなどに鑑み、
本日以降は、
戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え、
除籍等(明治5年式戸籍(壬申戸籍)を除く。)の滅失等により
「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書
が提供されていれば、相続登記をして差し支えないものとしますので、
この旨貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。
なお、この通達に抵触する従前の取扱いは、
この通達により変更したものと了知願います。

引用、終わり。

この通達が出されるまでは、
相続関係を証明するために必要な戸籍謄本
(例えば、被相続人の出生から死亡までの戸籍や
兄弟姉妹が相続人となる場合の、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍など)
のわずか一部が、
役所の保管期限の経過や戦災などで滅失しているときであっても、
相続人全員による「他に相続人はいない」旨の証明書(印鑑証明書付きの上申書)
を法務局に提供することが要求されていました。

しかしながら、
この通達が出された後は、
役所において発行可能である戸籍謄本と、
役所が発行する「除籍等の謄本を交付することができない」旨の証明書
(いわゆる廃棄証明書)を提供さえすれば、
別途、「他に相続人はいない」旨の証明書の提供は不要になりました。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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預貯金や株の相続手続だけを依頼される方が増えています

いつも弊所のブログ記事をご覧いただきありがとうございます。

ブログ記事を書き始めた頃は、
もう少し時間に余裕があって、のんびりとブログ記事も書いているんだろう…。
なんて思っていたのですが、
ありがたいことに、想定以上のご相談・ご依頼をいただき、
来週のブログ記事執筆に追われる日が出てきました。

しかしながら、毎週土曜の記事掲載のペースは崩さない
…つもりですので、応援のほど宜しくお願いいたします!笑

さて今日は、
事務所開設以来、ずっとご相談・ご依頼の多い
「預貯金や株の相続手続」についてのお話です。

弊所では、
ご親族が亡くなられたときに、
残されたご家族がしなければならない
すべての相続手続をサポートする「遺産整理業務」も取り扱っているのですが、

この遺産整理業務の一部分である
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)だけ」、
「預貯金や株の相続手続だけ」、
「不動産の相続手続だけ」を
「できるだけ安く、できるだけ手間がかからず、できるだけ早く」
手伝って欲しいという、ご相談・ご依頼が非常に多くなっております。

すでに弊所にご依頼いただいた方であれば、
弊所のサービス内容やそのコストパフォーマンスの良さを
実際に体感していただいているかと思いますが、

そもそも専門家に依頼することを現在検討中だったり、
相談すると依頼しないといけなくなるんじゃないかと心配される方のために
少し詳しく書かせていただこうかと思います。

最後には、
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)だけ」、
「預貯金や株の相続手続だけ」
をご依頼いただく場合にかかる費用について
弊所のお見積書もご紹介しようかと思いますので、
参考までにご覧ください。

さて、
皆さんもご存知かと思いますが、
銀行等の預貯金口座や証券会社の証券口座については、
名義人が亡くなったことが分かると取引ができない状態になります。(口座凍結)
その後は、原則的に、相続手続をしない限り、
相続人の方がその資産を取得したり、利用することはできなくなってしまいます。
そして、
相続手続には戸籍謄本をはじめとして多くの証明書が必要だったり、
相続人の協力が必要だったりと、複雑になっています。

とはいえ、
葬儀費用であったり、
生活費であったり、
相続税の支払のためであったりと、
残されたご家族としては、なにかと資金が必要なので、
スムーズに手続を終えなければ、非常に困ったことになってしまいます。

それにもかかわらず、
手続に必要となる戸籍謄本を発行する役所が平日しか開いていない。
手続書類を受け付ける銀行や証券会社も平日しか開いていない。
ましてや、役所、銀行や証券会社が遠方にあると、訪問するのが大変。
さらには、手続に必要な遺産分割協議書なんて作ったことがない。
手続書類を揃えて、銀行や証券会社に持って行っても、1社1時間程度かかるし、
もし不備があったら、他の相続人に改めて押印や追加書類の提出をお願いして、
再度、銀行や証券会社に持って行って、1社1時間程度…。

最初は有給取得をして、ご自身でチャレンジしたものの
やはり大変だということで、ご相談のお電話をくださるお客さま。
以前、他のご親族の相続手続で大変さを知っていたために
最初からご相談のお電話をいただくお客さま。
他社に同様のサービスの見積依頼をしたところ、数百万の手続費用がかかると言われ
ビックリしてご相談のお電話をいただくお客さまなど…
様々なお客さまが弊所にいらっしゃいます。

そこで、
弊所では、
フルサービスの一部分、あるいはその組み合せをすることで、
お客さまのニーズに応じたサービスを提供しております。

たとえば、
1、全国の役所から戸籍謄本等の相続手続に必要な証明書の取得代行
2、不慣れな相続手続について、相続人となる親族の皆さまへ手続の連絡・説明の代行
3、相続人の話し合いの結果に基づく「遺産分割協議書」を作成
4、「遺産分割協議書」に基づいて、預貯金や株式の相続手続を迅速・確実に実施
といった具合に
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)」と
「預貯金や株の相続手続」だけをしてください!
といったご依頼をいただくことも可能です。

そして、気になる費用のお話ですが、
正直、フルサービスをご依頼いただいた場合でも
かなり低価格でご提供できていると自信を持っていますが
これが、一部サービスのみのご依頼となるとさらにお安くなります。

ここは文字でご説明するよりも
実際のお見積書をご覧いただく方が早いかと思いますので、
1、「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)」だけを行うケース
2、「預貯金や株の相続手続」だけを行うケース
の2つのお見積書をご紹介させていただこうかと思います。
ご家族が亡くなられて心身ともに辛いときに
期限を守りながら、漏れなく様々な手続をしなければならない。
そんな複雑な手続について、ご親族に説明をして協力を求めなければならない。
ちょっとした説明不足や行き違いで感情的な対立をしてしまわないようにと
非常に気を使うのが相続手続です。

すべてをご自身で抱え込んでしまわず
上手く専門家のサポートも利用しながら
相続を乗り越えていきたいですね。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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マイホームを買う時にかかる司法書士費用とその裏側

おはようございます!

日本のみならず、世界中で低金利が続いていますね!
住宅ローン金利もかなり低下していて、
ネット系銀行の変動金利では年0.4%台のものまで出てきています。

住宅ローンを借りると、ローン残高の1%を所得税・住民税から引いてくれる
住宅ローン減税制度を受けられるので、
単純比較すると、借りれば借りるだけお得ということになります。

もちろん、マイホームを買うと、固定資産税、火災地震保険料、修繕費など
賃貸のときにはかからなかった費用も発生するので
単純比較はできませんが、
マイホームを購入する人にとっては
かなり追い風が吹いているのは間違いないかと思います。

そこで、
今まさにマイホームを購入しようとしている人
将来的にマイホームの購入を検討している人
そんな人の周囲にいてアドバイスをしてあげれる人
には、ぜひ知っていて欲しいお金のハナシをしたいと思います。

マイホームは非常に大きな買い物なので、
金額も数千万円になることが普通です。

マイホームを購入するときにかかる費用としては
・売買代金(大半はローンで支払うことが多いです。)
・収入印紙代(売買契約書やローン契約書に貼付する収入印紙の費用で、税金です。)
・仲介手数料(だいたい売買代金の3%くらいです。)
・ローン手数料(ローン契約に伴う金融機関へ支払う手数料です。)
・固定資産税・都市計画税の精算金(売主さんが負担していた不動産に関する
 1年分の税金を日割計算して、引渡し日以降分を買主さんが支払います。)
・不動産取得税(不動産購入後、1回だけ支払う必要のある税金です。)
・登記費用(購入した不動産の名義変更するために必要な費用です。
 司法書士が行う手続費用なので、司法書士費用ともいわれます。)
・引越し費用
・家具購入費用
などが挙げられますが、
短い期間に色んな費用を支払う必要があり、
しかも、それぞれが高額なので、
次第に金銭感覚がマヒしてきて
1万、2万くらい誤差のような感覚になってきます。

普段の金銭感覚で、
支払金額が1万や2万高いと、「えっ!」って、なるかと思いますが、
マイホームの購入となると、
多くの人が平気で無駄な費用を払ってしまっていたりします。

決して詐欺に遭っているという話ではなくて、
情報不足であるために、
比較検討をすることもなく、
言われるがままの費用を支払ってしまっているということです。

今日は
たくさんある費用の中でも
司法書士事務所ならではの観点から
登記費用(司法書士費用)について
少し司法書士業界の裏側にも踏み込んで、詳しく書いてみようと思います。

登記費用の見積書を見たことがない人も多いかと思いますので
弊所の見積書をサンプルとして、解説したいと思います。

まずは練習台として、
1つ目の見積書です。
買主さんが住まいとして使わない中古不動産を、
ローンを利用せずに購入するケースの登記費用です。
なお、わかりやすさを重視して、土地も建物も固定資産評価額は1,000万円としています。
合計金額が416,886円となっています。
結構かかるな…という印象ではないでしょうか?
詳しく解説していきましょう!

「種別」の欄には、費用の種類がわかるように記載されています。
「報酬額」の欄には、費用の種類に対応する報酬額が記載されています。
これが司法書士の収入になる部分ですね。
「登録免許税又は印紙税」の欄には、費用の種類に対応する税金や実費
が記載されています。
不動産の名義変更をするためには、登録免許税という税金を国に納める必要があり、
実際の納付は、司法書士がお客さまに代わって法務局へ納付することが一般的です。
また、司法書士は名義変更の手続のために実費の立替えを行っています。
そのため、
登記費用(司法書士費用)には、
「登録免許税又は印紙税」の欄のように
司法書士の報酬部分以外である
税金納付や実費部分となる預り金を含むことが一般的です。

つまり、
この見積書では
司法書士の収入となる報酬部分が、58,500円
税金・実費部分が、352,536円ということですね。

そして、
皆さんに是非注目していただきたいのが、
丸印をつけさせてもらった「報酬額の小計」の部分です。

この部分は司法書士事務所によって、
同じ手続だとしても金額が違うからです。
(逆に、税金・実費部分は司法書士事務所によって差が出ることは基本的にありません。)

言い換えると、安い報酬の事務所と、高い報酬の事務所があるということです。
そして、値段の差とサービスの質とは比例するのかというと、
意外と関係ないことが多い印象です。
高くてもサービスが悪いところもあれば、
安くてもサービスの良いところもあります。
もちろん、値段の差のとおり。ということもあるかと思いますが、
値段が高いから、ちゃんとした事務所というのは間違った認識だと思います。


さて、
2つ目の見積書を見てみましょう。
買主さんが住まいとして使う中古不動産(いわゆるマイホーム)を、
2,000万円の住宅ローンを利用して購入するケースの登記費用です。
なお、こちらも先ほどと同条件の
土地も建物も固定資産評価額は1,000万円としています。

こちらの内容の方が
多くの方に当てはまるかと思いますので、ぜひご覧ください。
合計金額が314,486円となっています。
さっきより安いですね!
では、どこに注目すれば良かったでしょうか?
先ほどの解説を読んでいただいた人なら、
もうお分かりですよね?

詳しく解説していきましょう!

まず、
「報酬額の小計」は99,500円です。
さっきより報酬部分が高くなりましたね。
これは、種別として「抵当権設定」と「住宅用家屋証明書」の項目が増えたからです。

ローンを利用する場合には「抵当権設定」の手続が必要になることが一般的です。
また、住まいとして使う家屋を購入する場合には、
登録免許税が軽減される制度があり、
その制度の適用を受けるために「住宅用家屋証明書」の取得手続が必要となります。

つまり、
手続が増えたことに伴い、報酬額は増えたけれども、
税金・実費部分は減税効果によって安くなったということです。


さて、
ここまで読んでくださった皆さんであれば
登記費用(司法書士費用)の見積書の見るべきポイントは分かっていただけたと思います。

しかしながら、ここで1つご注意いただきたいのです。

マイホームを購入する際、
多くの場合は、不動産業者や金融機関の担当者の方から
司法書士事務所を紹介されることが多いかと思います。
あるいは、特に紹介されることもなく知らないうちに
ある司法書士事務所と半ば決められていることもあるかもしれません。

業界内では、
そういった司法書士事務所を「指定司法書士」と言ったりしますが、
費用について比較検討される場面が少ないこともあり、
割と高めの報酬設定とされていることがあります。

詳しくは、別の記事で書かせていただこうかと思いますが、
本来の手続費用ではないコストが上乗せされていることもあります。
違法なものでは、バックマージンという
紹介や指定を受ける見返りに、紹介者へ支払う紹介料が
上乗せされていることもあります。
(もちろん、見積書にバックマージンみたいな項目は記載されません。)

費用を支払う皆さんにとって
メリットをもたらさない費用を余分に支払っているとするともったいないですし、
単純に費用が安くなるのであれば、その方が良いに決まってますよね。

ですので、登記費用(司法書士費用)については、
キチンと見積書を確認してみてください。

安い費用で対応してくれる司法書士事務所に依頼したいのであれば、
紹介や指定をされた司法書士事務所に依頼をしないということも可能です。
どの司法書士事務所に依頼するかは、皆さんの自由なのですから。

私の感覚としては、
この情報を知っているだけで、
費用が5万円程度安くできるのではないかと思います。

5万円あったら、
新生活に必要なモノの買い物ができたり、
旅行の足しにしたり、
大切な奥さまにプレゼントもできますよね!

奥さまへのプレゼントは、
5万円では全然足りないと言われる可能性もありますが…(笑)

お給料を5万円多く稼ぐのは大変ですが、
登記費用(司法書士費用)の見積書をキチンと確認するだけであれば簡単だと思います。

ぜひ、知っておいてください!


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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レターパックの料金改定と返信用封筒

おはようございます!

ついに消費税率が10%になりましたね。
消費増税がされるまで紆余曲折がありましたが、
増税分は、国民のために、本当に有意義に使って欲しいですね!

さて、今日は司法書士が普段よく使うレターパックについての備忘録です。
知識をアウトプットして、しっかり覚えておかないと
ついつい、旧レターパックをそのまま使ってしまいそうなので…(笑)

消費増税に伴って
レターパックプラス(赤い510円だったヤツ)と
レターパックライト(青い360円だったヤツ)も値上げがされました。

レターパックプラスが520円、レターパックライトが370円ですね。

(郵便料金改定について)
https://www.post.japanpost.jp/service/2019fee_change/index.html


司法書士事務所では登記申請の際に
法務局からの返却書類を郵送で受け取るために
返信用封筒としてレターパックを法務局に提出することが非常に多いです。

ところで、登記手続は、その申請を受け付けた後、
法務局で書面審査を行いますので、処理に数日かかることになります。

じゃあ、9月末に登記申請をした際に
返信用封筒として、レターパックプラス(510円)を提出した場合、
返信用封筒を使って書類を発送するときには改定後の料金になっているから、
どうなるんだろう?

郵便局の職員さんに確認してきました!

“10月1日以降に受け付ける旧レターパックについては、
料金不足ということになります。
そして、不足分受取人払いの処理をすることはできないので、
そのままでは発送することができない。
ということになりますね。”
とのこと!

念のため、法務局にも確認をしてみました!
HPにお知らせがありました!

(郵便料金の変更に伴う登記事務及び供託事務の取扱いについて)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000029.html


なるほど!

9月末までに登記申請が受付られたものについては、
返送時期が10月になっても旧料金でOKとのこと。
(法務局が10円切手貼ってくれるのかな?)

ただし、10月以降の受付分については、
郵便局の職員さんが言うとおり
不足分は司法書士さんが負担してくださいねとのこと。
(10円切手を法務局に持ってきてとか、郵送してとか言われるのかな?)

弊所には、旧レターパックがたくさん置いてあるので
これは油断すると、料金不足になってしまいそうだなぁ…汗
この際、10円切手をたくさん買って
先に貼っておこうかとも思ったりしてます。

同業者の皆さま、レターパックを良く使われる皆さま、
どうかご注意ください!!


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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機械設備や在庫などの動産に対する担保権を創設する動きが出てきました

おはようございます!

弊所の取扱い業務でもある「動産譲渡登記」について
先日、日本経済新聞に気になる記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(9月6日付)
(担保権を動産にも設定 法務省、機械・在庫対象に)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49481830V00C19A9MM8000/


動産を担保として取得する方法として、
不動産に対する抵当権、根抵当権、質権などのように
法律上認められた新たな担保権(物権)を創設しよう
と検討しているとのことです。

現在、融資の担保として動産を差し入れる方法として一般的なものとして、
「質権」や「譲渡担保」という方法があります。

まずは、質権ですが
これは質屋さんをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
融資を受ける人が所有するモノ(動産)を質屋に引き渡す代わりに融資を受け、
もし返済がされない場合には、そのモノ(動産)を売却して返済を受けたり、
そのモノ(動産)の所有権を質屋がもらい受ける(いわゆる質流れ)
というような方法です。

しかしながら、質屋で取り扱うような物品であればまだしも
事業者の保有する機械設備や大量の在庫となると異なる手法が必要です。
なぜなら、これらのモノ(動産)は普段の事業経営に必要なモノですので、
誰かに引き渡してしまうと事業経営ができなくなるからです。

そんなときには
譲渡担保という方法を取ることになります。
譲渡担保というのは、事業者が保有する機械設備や在庫などの所有権だけを
融資を行う金融機関に移す方法のことをいいます。
この譲渡担保を使えば、
融資を受けた後も、事業者は機械設備等を手元に置いて使い続けることができますし、
万が一返済が滞ったときには、
融資を行う金融機関も、機械設備等を売却して返済を受けることができます。

ただこの場合、担保に差し入れた事実が第三者から分かりにくい点が問題で、
ある機械設備を担保に融資したはずが
別の金融機関がすでにその機械を担保に融資していて
2つの金融機関同士で譲渡担保が成立した時期をめぐって争うといった
事態が生じることを恐れ、融資に二の足を踏むことが想定されたため、
現行法「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」において
機械設備などの動産の譲渡担保について登記をすることで、
担保に差し入れた事実やその時期を第三者に明確に知らしめることを可能にしています。

この動産の譲渡担保を活用した融資方法(ABL)は
2000年代から利用は増加してきましたが、近年は件数が2年連続で減少し
利用が伸び悩んでいる状況にあります。
金融緩和でカネ余りが続き、
金融機関が機械や在庫をあえて担保にする必要性が薄れていたり
現行の動産譲渡登記制度のもとでは
不動産抵当権のように第1、第2順位といった担保の優先順位のルールが不明確だったり
登記制度以外の方法をとる優先者が存在する可能性についても注意か必要だったりと
使いづらい点が普及を妨げているともいわれています。

一方で、将来、景気が悪化するなどして融資が受けにくい市況となれば、
ふたたび企業がABLを利用するニーズもふくらむことが予想されます。

そのため、法務省は今年3月に研究会を立ち上げ、
動産を対象にした担保権を法制化する議論を始めています。
法務省は早ければ2020年秋に民法などの改正を法制審議会に諮問する見通しです。
法務省の研究会では、機械や在庫などを対象とした担保権を法制化すると同時に
新たに登記制度を設ける案などを検討しているようです。

在庫など担保の対象となるものが入れ替わり、量も変動するモノを
担保の対象としてどのように特定して登記を可能とする仕組みとするのか
担保に差し入れた事業者が倒産した時の新たな担保権の取り扱いなども含めて
検討されるようです。

金融機関のご担当者よりご相談いただくことも多い
動産の譲渡担保に関する仕組みについては、
個人的には、以下の仕組みを含んだ制度としてくれることを期待したいですね。
1、一定の動産の担保取得については、その優先順位の決定基準を登記に一本化
2、工場抵当法には存在するような不動産担保と連動させる仕組み
3、大量の動産を一括して担保権設定できる仕組み


良ければ、動産譲渡について書いた関連記事もご覧ください。
「2019.3.9付-動産譲渡登記に関する証明書について」


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

お仕事には欠かせないアレ

おはようございます!

9月も終わりに近づき
夏から秋へ
すっかり涼しくなってきましたね!

今日は私が日々お仕事に取り組む中で
欠かせないアレについて書いてみようかと思います。

アレとはコーヒーのことなんですが、
毎朝出社前に
お仕事の途中に
夕食後にと
コーヒーを良く飲みます。

20代の頃は、たまに缶コーヒーを飲むくらいだったんですが、
高校時代の友人が開店した珈琲店のコーヒーが美味しくて
以来すっかりコーヒーにハマってしまいました。

豆の種類や挽き方、焙煎方法によって異なるコーヒーの味に
コーヒーの世界はこんなに深いのかと思いつつ
季節や気分によって種類を変えながら、
コーヒーをいただいています。

手続書類のチェックなど、集中力が必要な仕事をするときや
依頼者の皆さまに喜んでいただける新サービスのアイデアを出すとき
一息ついて少しリラックスするとき
などなど、いつもコーヒーが欠かせません。


皆さんにも「お仕事には欠かせないアレ」ないでしょうか?
良いものがあれば、ぜひお聞かせいただきたいですね。


最後に、少し宣伝になってしまいますが、
とても美味しくてオススメなので
例の高校時代の友人の珈琲店の情報を貼っておきますね。

【cafe matin(カフェ マタン)】
(URL)http://matin-coffee.com/?mode=f2
(TEL) 072-726-2266
(OPEN) 8:00 ~ 19:00
(定休日) 第3木曜日
(アクセス)
〒562-0035 大阪府箕面市船場東1-2-20 ウォールマンビル3F
[ バスでお越しのお客様 ]
千里中央駅から阪急バスで10分(最寄りのバス停は新船場北橋になります。)
[ 車でお越しのお客様 ]
・提携駐車場 
当ビル・南側の「大和ハウスパーキング」、「セレパーク」、北側の「ザ・パーク」
をご利用頂いたお客様には駐車券のご提示で北摂焙煎所オリジナルドリップパックを
1組様につき1つサービスをさせて頂きます。

ご興味があれば、一度お試しください。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


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司法書士 山内勇輝

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離婚等で姓が変わったら(子の氏の変更手続)

おはようございます!

先日、私の親族が住んでいる名古屋に行く機会がありまして
そこで弊所のホームページの話になりました。
私の母が、知人に「息子が司法書士をしている。」と話しているようで、
その知人の方が弊所のホームページを見てくださったようです。
中でもブログの記事の内容が役に立つと言ってくださっているようで
それを母を通じて知った私はとても嬉しくなってしまいました(笑)

弊所のホームページを見てくれている多くの方々の
お声をいただく機会はそれほど多くありませんので、
そういったお声が私の耳に入ってきたことは、非常に励みになります!

「豚もおだてりゃ木に登る」という言葉もありますが、
そういったお声を励みに、これからもブログ記事で有益な情報を
皆さんにお届けできればと思っていますので、
これからもどうぞ応援のほど宜しくお願いいたします!


さて、司法書士のオシゴトの中には
「裁判所へ提出する書類の作成」というものがあります。

同業者や他の士業などの間では、常識のように思われていますが、
一般のお客さまにおいては、意外と知らなかったという方もいるようです。

そこで、
今日は裁判所へ提出する申立書の作成に関連して
1つ記事を書かせていただきます。


今日のテーマは「子の氏の変更許可申立て」です。

どんなときに必要な手続なのか
少し分かりにくいかもしれませんので、
具体的なケースをあげてご説明しますね。


【1、父母が離婚して、母の姓(氏)が結婚前の姓(氏)に戻ったケース】

父母が離婚して、母の姓が結婚前の姓に戻ったとき(復氏)、
父母の間に生まれ、結婚時の姓を名乗っていた子が
母が親権者に定められたことに伴って、母に引き取られることになった場合でも
子の姓は、当然に母の姓にはならず、父の姓のままとなります。

そして、戸籍はどうなるかというと、
原則、母は復氏したことにより、結婚前の戸籍に戻る(復籍)ことになります。
一方、母の両親が亡くなっているなどして復籍する戸籍がなかったり
母自身が筆頭者となる新戸籍編成の申し出を行うと
母自身だけが入る新戸籍が編成されることになります。
ちなみに、子は父の戸籍に残ったままとなります。

戸籍は「夫婦および夫婦と氏を同じくする子」や
「配偶者がない者およびその者と氏を同じくする子」が編成単位ですので、
母とその子は親子であっても、
姓(氏)が異なっているままでは、同じ戸籍に入ることができません。

このままでは、母と一緒に生活するうえで支障が出てきてしまうので、
法律は、子の姓(氏)を変更する手続を用意しています。

(民法791条)
“子が父又は母と氏を異にする場合には、
子は、家庭裁判所の許可を得て、
戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、
その父又は母の氏を称することができる。”


つまり、このケースで、
母と子が同じ姓(氏)を名乗り、同じ戸籍に入るためには、
(1)母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)
(2)子の氏の変更について、家庭裁判所の許可を得る。(子の氏の変更許可申立て)
(3)戸籍法の定める届出をする。(市区町村役場への入籍届)
これら3つの手続を行う必要があるということになります。


続いて、具体的な手続の方法についても解説していこうと思います。

(1)母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)

離婚届の項目に「婚姻前の氏にもどる者の本籍」というものがありますが、
この中の「新しい戸籍をつくる」にチェックをして必要事項を記載すればOKです。
(これが、先ほど記述した新戸籍編成の申し出というものです。)

ちなみに、離婚後に旧姓を名乗ることとした場合、
両親の戸籍に戻ること(復籍)もできますが、
それでは、子は母と一緒の戸籍に入ることができません。
母の親、母、子の三世代が同じ戸籍に入ることは認められていないからです。

そのため、母と子が同じ戸籍に入ることを目指すのであれば、
最初から母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)をしておくことになります。


(2)子の氏の変更について、家庭裁判所の許可を得る。(子の氏の変更許可申立て)

子の姓(氏)は自動的に変わることはなく、
無許可で変更することもできないので、
家庭裁判所に申立てをして、子の氏の変更について、許可をもらうことになります。

1、申立てをする家庭裁判所(管轄裁判所)

「子」の住所地を管轄する家庭裁判所です。
多くの場合、母と同じ住所地だとは思いますが、
あくまでも「子」の住所地の家庭裁判所が管轄であることにご注意ください。


2、申立てをする人(申立権者)

子自身です。
(子が15歳未満のときは、法定代理人。つまり、親権者である母です。)
15歳未満の子の姓(氏)を変更するために、
親権者ではない方が代理人として申立てはできません。
この場合、親権者に協力してもらう、子が15歳になるのを待つ等の対応が必要です。


3、申立てに必要な費用

・収入印紙800円分(子1人につき)
・郵便切手(管轄の家庭裁判所に電話確認して、用意します。)
・(司法書士等の専門家に依頼する場合)その報酬


4、申立てに必要な書類

・申立書(申立人の印鑑を押印します。)
・申立人(子)の戸籍謄本(全部事項証明書)
・父母の戸籍謄本(全部事項証明書)
 ※父母の離婚の記載のあるものが必要です。
 ※戸籍謄本は一般的に発行後3ケ月以内のものが必要です。
 ※このケースでは、子の戸籍謄本と父の戸籍謄本は同じ書類になりますので、
  1通のみで足ります。


5、申立て後の流れ

申立てがなされた後、
家庭裁判所では、子の氏の変更が「子の福祉や利益に適うのか」について審理します。
たとえば、親子の姓が異なることになった理由、申立ての動機、姓を変更する必要性
その他関係者の意向などを踏まえて、判断(審判)をすることになります。

ちなみに、今回のケースのように、父母の離婚が理由の場合には、
簡略な書面審理のみで、
即日~1週間程度で、許可する判断(審判)がなされることが一般的です。


(3)戸籍法の定める届出をする。(市区町村役場への入籍届)

子の氏の変更を許可する審判がされた場合、
家庭裁判所から「許可審判書の謄本」が郵送されてきますので、
これを添えて、市区町村役場へ入籍届を提出することになります。

1、届出をする市区町村役場(管轄)

子の住所地または本籍地の市区町村役場の戸籍担当です。


2、届出をする人

子自身です。
(子が15歳未満のときは、法定代理人。つまり、親権者である母です。)


3、届出に必要な書類

・入籍届(届出人の印鑑を押印します。)
・家庭裁判所から郵送された「許可審判書の謄本」
・子の戸籍謄本(全部事項証明書)
・子が入籍する母の戸籍謄本(全部事項証明書)
 ※提出先となる市区町村に本籍がある場合は、戸籍謄本は不要です。
  提出が必要な場合は、家庭裁判所への申立て用に取得する際に、
  余分に取得しておくと良いですね。


これで手続完了です!


【2、父母が離婚して、母が旧姓ではなく結婚時の姓をそのまま名乗るケース】

このように、結婚した際に姓(氏)を改めた母が
旧姓ではなく結婚時の姓をそのまま名乗ることを
「婚氏続称(こんしぞくしょう)」といいます。

離婚届の提出と同時、
あるいは離婚の日から3ケ月以内に市区町村役場に届け出ることで、
婚氏続称ができます。

婚氏続称をした場合、母の姓と子の姓は同じなので、
家庭裁判所の許可を得なくても、
母の戸籍に子を入れることができるように思われるかもしれませんが、
法律上、別の姓(氏)と解釈されているため、
【1】のケースと同様の手続が必要となります。
詳しい手続は、【1】の内容を見てくださいね。


その他、離婚によるケース以外にも、
いわゆる連れ子のある父母が再婚したケース
父母が養子縁組をしたり、養子縁組をやめたり(離縁)したケース
父に認知されたケース
父母の一方が死亡後、生存当事者が復氏したケース
などなど、子の姓(氏)が父母と異なってしまうケースがあり、
上記同様に子の氏の変更手続が必要となるので、注意が必要です。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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銀行の休眠口座に口座管理手数料がかかる!?

おはようございます!

弊所の得意分野の1つである相続手続に関して
最近、お客さまより良くお問合せいただくご質問で
「残高の少ない預金口座を相続したんだけど、放置しておいても構わないですか?」
というのがあります。

これに関して、
下記のとおり、8月21日付日本経済新聞電子版に記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事
(銀行、休眠口座に手数料案浮上 マイナス金利を転嫁)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48817210R20C19A8EE9000/

以下引用。

“個人の預金口座にマイナス金利を課す動きが欧州で広がり、
邦銀でも経営の検討課題として浮上してきた。
中央銀行のマイナス金利政策が長期化し、
収益の先細りが懸念される事態は日欧で変わらないためだ。
マネーロンダリング(資金洗浄)対策などで口座管理に要する負担も増す。
入出金が長く止まった休眠口座に一定の手数料を課す案が有力との見方もある。”

“そこで銀行業界が現実的な選択肢として注目するのは、
入出金が長期にわたって止まり、休眠状態にある預金口座から
口座管理手数料として毎年一定額を取る案だ。”


法律の専門家の目線から言いますと
残高の少ない預金口座であっても相続財産である以上、
相続人全員での遺産分割協議を経る必要があるところ、
相続発生から相当期間年月を経てから、相続人間で遺産分割協議を行うことは
相続人の高齢化、認知症、死亡による相続人の増加などにより
困難が伴う可能性があります。

したがって、少なくとも早い段階で、遺産分割協議によって
「誰がその預金を相続するか」までは決めておく必要があります。

また、相続に伴う預金の名義変更・解約払戻し手続について、
相続人の6カ月以内の印鑑証明書を提出するよう求める金融機関が一般的です。
そのため、協議成立後、速やかに手続を行わなければ
改めて、相続人へ印鑑証明書の再提出を求めたりする等
手間をかけてしまうことになります。

これに加えて上記の記事のような話も出てきたのであれば、
「残高の少ない預金口座であっても、放置することは望ましくない。」
ということになるかと思います。


もちろん、最終的にはお客さまご自身が判断することではありますが、
適切な情報のもとで、ご判断いただけるようアドバイスすることが
我々専門家の役割だと考えています。

少し宣伝になってしまいますが、
弊所では、一般的な司法書士事務所が行う不動産の相続登記以外にも
預貯金、株式、投資信託、保険、自動車、その他各種遺産について、
弁護士、行政書士、税理士等の専門家と連携しつつ
低価格で相続手続を行うサービスを提供しております。


ご自身で相続手続ができない場合は、こういったサービスも活用しつつ、
スムーズに相続手続を進めていきたいものですね。


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司法書士 山内勇輝

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根抵当権の債務者の住所氏名変更更正は登記原因証明情報のPDF不要?

おはようございます!

いきなりですが…
長年このお仕事をしていると、
司法書士の友人から質問や相談を受けることが多くなってきました。
「アイツなら何でも答えてくれるぞ。」みたいな噂が広がっているのか、
年々、相談件数が増えているような気が…

これまでは只々優しく答えていただけだったのですが、
せっかくなので、今後、よくある相談内容をこのブログに掲載していこうかと思います。

もちろん、個人情報やプライバシーに関する情報は完全に伏せております。


今回のテーマは、オンライン申請時に添付するPDFについてです。

最近は、オンライン申請を推進するため、
法務局も対応を少し柔軟にしてくださっているようで、
PDFの添付漏れや軽微な誤記などについては、
それのみで却下の対象とすることはないそうです。

しかしながら、
登記原因証明情報のPDFの添付が必要なのか否か?
また、何を添付すべきなのか?
については、司法書士であれば全員が気になるところではないでしょうか?

先日、司法書士の友人から質問があったのは、
所有権や(根)抵当権などの登記名義人住所氏名変更更正の登記については、
登記原因証明情報のPDF添付が不要なのは知っているけど、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、同様なのだろうか?
という内容でした。

答えは、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、
登記原因証明情報のPDF添付が不要です。

まずは、条文を確認してみましょう。

登記原因証明情報のPDFの添付を要求する根拠条文は
不動産登記令附則5条4項です。
内容を要約すると、
5条1項の規定によるいわゆる特例方式による添付書面の提供方法を採用する場合、
法務省令で定めるところにより、
申請情報とあわせて電磁的記録(PDF)を提供しなければならない。
ということになっています。

そして、
法務省令(不動産登記規則附則22条2項)では、
不動産登記法64条の登記以外の登記について、
電磁的記録(PDF)の提供は、登記原因の内容を明らかにする部分についてすれば足りる。
とされています。

不動産登記法64条の登記とは、
いわゆる名変・名更登記(登記名義人の住所氏名の変更更正登記)と
抵当証券が発行されている場合の債務者の住所氏名の変更更正登記のことですね。

したがって、条文を見る限りは
登記名義人住所氏名変更更正の登記については、
登記原因証明情報のPDF添付が不要なのは明らかだけど、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記については、
不要かどうか分からないというところです。

そこで、先例の調査です。
「平成20・3・19民二950」で同様の事案についての先例があります。
要旨としては、
不動産登記令附則5条1項の規定による
(根)抵当権の債務者の氏名もしくは名称または住所についての
変更の登記または更正の登記の申請において、
市長村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を
登記原因を証する情報とする場合には、
同条4項の規定に基づく書面に記載された登記原因を証する情報を記録した
電磁的記録の提供がないときであっても、
不動産登記規則附則22条2項に規定する不動産登記法64条の登記に準じて
受理して差し支えない。
とされています。

その結果、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、
登記原因証明情報のPDF添付が不要です。
となるわけですね。


余談ですが、
私の事務所のある周辺の法務局では、
上記のような登記申請を行う際、
法人の本店や商号等の変更更正を証する登記原因証明情報として
会社法人等番号を提供することで、
履歴事項証明書の添付は不要とされています。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


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住所変更の手続が遅れただけでも100万円の罰金!?

こんにちは!

台風とともに夏が終わったと思ったら一気に肌寒くなってきましたね!
暑がりで寒がり、花粉症持ちの私としては、秋が一番好きな季節なんですが
年々、秋が短くなってきているような気がしています…
うーん、気のせいなんでしょうかね?


さて今日は、
会社の社長さんや、
会社の色々な手続について担当される従業員のみなさんには
是非知っておいていただきたい内容で
「会社の登記手続はきちんとしておかないと罰金があります。」
というお話です。

個人事業ではなく、会社として事業をされている方々の多くは、
「株式会社」に代表される法人形態で事業をされているかと思います。
(他にも合同会社、合資会社、合名会社、一般社団法人など様々な形態があります。)

そして、株式会社として事業をされているからには、
必ず登記手続をする必要があるということになります。

会社法において、
株式会社は、一定の登記事項に変更があったときには変更登記をしなければならない。
と定められているからです。(会社法915条1項)

では、一定の登記事項とは何かというと
具体的には、
会社名(商号)
本店所在地
支店所在地
事業の内容(目的)
資本金
代表取締役の住所・氏名
取締役の氏名
監査役の氏名
などなど、他にも様々な登記事項があります。(会社法911条3項)

そして、
変更登記の手続には期限がありまして
それぞれの登記の内容によって、その期限は若干異なるんですが、
原則としてその登記の事由が発生したときから
「2週間以内」あるいは「3週間以内」とされています。
(会社法915条1項、930条3項など)

「登記の事由が発生したとき」というのは、
例えば、1名取締役を選任したようなケースだと
その取締役が株主総会で選任され、取締役自身がその就任を承諾した日のことを指します。
また、タイトルにもある住所変更の手続、
つまり、代表取締役が引越し等で住所を変更したようなケースだと
その代表取締役が住所を変更したその日
(住民票に変更日として記載されている日)を指します。

では、期限を過ぎてしまうとどうなるのか?
ということが気になるかと思いますが、
期限を経過してしまった場合でも、
期限後に変更登記の手続をすることはできますし、
期限が過ぎていることを理由に登記申請が却下されることはありません。

しかしながら、
登記をすべき期限を過ぎてしまったこと
(専門用語で“登記懈怠(とうきけたい)”といいます。)
に対してはペナルティを課される可能性があります。

そのペナルティというのが、
「過料(かりょう)」とよばれる、罰金・反則金のようなものです。
スピード違反をしたときに支払わないといけないアレ
と同じようなイメージで考えていただくと分かりやすいかもしれません。

先ほども
ペナルティを課される「可能性があります。」と書いたように
期限を1日でも遅れてしまうと、必ず過料の支払いを求められるかというと
そうではありません。

基準については明らかになっていませんが、
過料の支払決定に関与している法務局や裁判所が
一定の裁量によって決定しているものと推測されます。

このあたりは
スピード違反でも同じようなことが起きますよね。
余談ですが、
私の知人がスピード違反で捕まったときに
警察官から「なんで捕まったか分かるよね?」と聞かれて
「運が悪かったからです。」と答えて、
こっぴどく叱られたことがあるそうです(笑)

さて、話を戻して
もう少し過料についてご説明します。

過料の金額についても
法律の規定がありまして(会社法976条1項1号、22号など)
100万円以下の範囲で裁判所が決定することとされています。

とはいえ、実際に100万円の請求がきたというお客さまには
まだ出会ったことはありませんが、
最大で50万円近くの請求を受けた方がいらっしゃいました。
これまでの経験上、1年遅れるごとに2万円程度加算されている印象です。

それでは、実際にあった過料決定の通知書をご覧ください。
(個人情報はマスキングしてあります。)
ちなみに、この過料決定通知書は
取締役の任期が満了していたけれども
そのことに気付かず、再任の手続を忘れていた会社の
社長さん個人宛に届いたものです。
上記のような書面が届いて、過料が請求されるまでの流れとしては
1、登記の申請が遅れている会社を発見した法務局が、裁判所へ通知をする。
2、その裁判所が会社の代表者個人あてに過料を請求する。
といった流れになっています。
法務局としては
日本全国のすべての会社について
いつ登記事項が変更されたのか?それが遅れているのか?を
把握できないことも多いので、
実際には、期限を過ぎた登記申請がされたことによって発覚する
というのが多いかと思います。
そのため、登記申請をしてから数カ月後に
裁判所から上記のような過料通知書が郵送されてくることが一般的です。

じゃあ、期限を過ぎてしまったらずっと放っておいた方が良いのでは?
と思われる方もいるかもしれませんが、
それは良い方法ではありません。
先ほど書いたように、
過料は1年遅れるごとに2万円程度加算されていきますし、
株式会社の場合、会社役員の任期を伸長することができますが
それも最大で10年までとされている関係上
どれだけ遅くとも10年に1度は登記手続をする必要があることは
法務局も把握しています。
そのため、10年以上登記手続をしていない会社の代表者個人あてに
裁判所から過料請求がされるケースも出てきています。

司法書士に登記手続を依頼することでかかる費用に比べてみても
過料の金額が大きすぎますし、
過料は会社の経費や損金として処理することもできません。
単純にもったいないだけのコストとなってしまいます。

また、過料に関して良くご質問をいただく内容をもうひとつご紹介しますと
過料は行政罰であって、刑事罰ではありません。
つまり、過料が請求されたとしても前科がつくということはありませんので、
ご安心いただければと思います。

ちなみに、10年を超えてもなお放置し続けるとどうなるのでしょうか?

最後の登記から12年を経過している株式会社のことを「休眠会社」と呼び、
全国の法務局では、
毎年、休眠会社の整理作業を行っています。
詳細については、別の記事で書くことにさせていただきますが、
要約すると「強制的に会社を解散させ、その登記を行っています。」
平成26年には約80,000社がこれにより解散していますし、
その後も毎年20,000社近くの会社が解散しています。

最後にタイトルのお話です。
代表取締役の方がお引越しをされて、住民票上の住所が変わったとしても
登記されている代表取締役の住所は自動的に変更されることはありません。
そして、住所変更の登記手続ひとつが遅れただけでも
最大100万円の過料請求される可能性があるのです。
ちなみに、顧問の税理士さんがいる会社さんであっても
税理士さんは登記手続の専門家ではありませんから、
この点、見落としてしまうこともあるようです。

ある日突然
自社に高額の過料請求がされてしまったり、
最悪の場合、会社が解散されてしまったりしないように
きちんと注意をしつつ、すみやかに登記手続を行ってくださいね!


もちろん、自社で管理するのは難しいということであれば
役員の任期管理や役員改選時期の通知サービスをしてくれる司法書士に依頼する
というのも一手かと思います。
その際は、お気軽に弊所までご相談ください。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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 まずは一度無料相談をご利用ください。

他に相続人はいない旨の証明書は不要です(平成28年3月11日付法務省民二第219号)

おはようございます!

先日、10月14日の体育の日は
高校時代ぶりに運動会に出場してきました!
町内会の役員をしている関係で
地域の運動会へ参加して欲しいとのお声掛けをいただいたからです。

弊所は祝日のみを定休日としているので、
体育の日は買い込んだ書籍を一気読みしようかと計画していたのですが…
せっかくのお誘いですし、この際、読書の秋ではなく、体育の秋にしよう!
ということで、参加させていただくことにしました!

無事、ケガなく運動会を終えることもできましたし、
こういったイベントがないと関わることのできない
地域の方々とのコミュニケーションの機会が得られたのは
とても貴重な経験でした!
私の住まいは八尾なんですが、
10年、20年先までも
この町が多くの人にとって住みやすく、元気な町であるように
微力ながらお手伝いしたいと思います。


さてさて、
今日は相続登記に関する先例・通達のご紹介です。
この通達が出てから3年が経過しますが、
同業の友人から質問をもらうことがありますので、
ここで紹介させていただこうかと思います。

以下、引用。

除籍等が滅失等している場合の相続登記について(通達)
〔平成28年3月11日付法務省民二第219号〕

相続による所有権の移転の登記(以下「相続登記」という。)の申請において、
相続を証する市町村長が職務上作成した情報
(不動産登記令(平成16年政令第379号)別表の22の項添付情報欄)
である除籍又は改製原戸籍(以下「除籍等」という。)の一部が
滅失等していることにより、
その謄本を提供することができないときは、
戸籍及び残存する除籍等の謄本のほか、
滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書
及び「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)
の提供を要する取扱いとされています
(昭和44年3月3日付け民事甲第373号当職回答参照)。
しかしながら、上記回答が発出されてから50年近くが経過し、
「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書を提供することが
困難な事案が増加していることなどに鑑み、
本日以降は、
戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え、
除籍等(明治5年式戸籍(壬申戸籍)を除く。)の滅失等により
「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書
が提供されていれば、相続登記をして差し支えないものとしますので、
この旨貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。
なお、この通達に抵触する従前の取扱いは、
この通達により変更したものと了知願います。

引用、終わり。

この通達が出されるまでは、
相続関係を証明するために必要な戸籍謄本
(例えば、被相続人の出生から死亡までの戸籍や
兄弟姉妹が相続人となる場合の、被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍など)
のわずか一部が、
役所の保管期限の経過や戦災などで滅失しているときであっても、
相続人全員による「他に相続人はいない」旨の証明書(印鑑証明書付きの上申書)
を法務局に提供することが要求されていました。

しかしながら、
この通達が出された後は、
役所において発行可能である戸籍謄本と、
役所が発行する「除籍等の謄本を交付することができない」旨の証明書
(いわゆる廃棄証明書)を提供さえすれば、
別途、「他に相続人はいない」旨の証明書の提供は不要になりました。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
 まずは一度無料相談をご利用ください。

預貯金や株の相続手続だけを依頼される方が増えています

いつも弊所のブログ記事をご覧いただきありがとうございます。

ブログ記事を書き始めた頃は、
もう少し時間に余裕があって、のんびりとブログ記事も書いているんだろう…。
なんて思っていたのですが、
ありがたいことに、想定以上のご相談・ご依頼をいただき、
来週のブログ記事執筆に追われる日が出てきました。

しかしながら、毎週土曜の記事掲載のペースは崩さない
…つもりですので、応援のほど宜しくお願いいたします!笑

さて今日は、
事務所開設以来、ずっとご相談・ご依頼の多い
「預貯金や株の相続手続」についてのお話です。

弊所では、
ご親族が亡くなられたときに、
残されたご家族がしなければならない
すべての相続手続をサポートする「遺産整理業務」も取り扱っているのですが、

この遺産整理業務の一部分である
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)だけ」、
「預貯金や株の相続手続だけ」、
「不動産の相続手続だけ」を
「できるだけ安く、できるだけ手間がかからず、できるだけ早く」
手伝って欲しいという、ご相談・ご依頼が非常に多くなっております。

すでに弊所にご依頼いただいた方であれば、
弊所のサービス内容やそのコストパフォーマンスの良さを
実際に体感していただいているかと思いますが、

そもそも専門家に依頼することを現在検討中だったり、
相談すると依頼しないといけなくなるんじゃないかと心配される方のために
少し詳しく書かせていただこうかと思います。

最後には、
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)だけ」、
「預貯金や株の相続手続だけ」
をご依頼いただく場合にかかる費用について
弊所のお見積書もご紹介しようかと思いますので、
参考までにご覧ください。

さて、
皆さんもご存知かと思いますが、
銀行等の預貯金口座や証券会社の証券口座については、
名義人が亡くなったことが分かると取引ができない状態になります。(口座凍結)
その後は、原則的に、相続手続をしない限り、
相続人の方がその資産を取得したり、利用することはできなくなってしまいます。
そして、
相続手続には戸籍謄本をはじめとして多くの証明書が必要だったり、
相続人の協力が必要だったりと、複雑になっています。

とはいえ、
葬儀費用であったり、
生活費であったり、
相続税の支払のためであったりと、
残されたご家族としては、なにかと資金が必要なので、
スムーズに手続を終えなければ、非常に困ったことになってしまいます。

それにもかかわらず、
手続に必要となる戸籍謄本を発行する役所が平日しか開いていない。
手続書類を受け付ける銀行や証券会社も平日しか開いていない。
ましてや、役所、銀行や証券会社が遠方にあると、訪問するのが大変。
さらには、手続に必要な遺産分割協議書なんて作ったことがない。
手続書類を揃えて、銀行や証券会社に持って行っても、1社1時間程度かかるし、
もし不備があったら、他の相続人に改めて押印や追加書類の提出をお願いして、
再度、銀行や証券会社に持って行って、1社1時間程度…。

最初は有給取得をして、ご自身でチャレンジしたものの
やはり大変だということで、ご相談のお電話をくださるお客さま。
以前、他のご親族の相続手続で大変さを知っていたために
最初からご相談のお電話をいただくお客さま。
他社に同様のサービスの見積依頼をしたところ、数百万の手続費用がかかると言われ
ビックリしてご相談のお電話をいただくお客さまなど…
様々なお客さまが弊所にいらっしゃいます。

そこで、
弊所では、
フルサービスの一部分、あるいはその組み合せをすることで、
お客さまのニーズに応じたサービスを提供しております。

たとえば、
1、全国の役所から戸籍謄本等の相続手続に必要な証明書の取得代行
2、不慣れな相続手続について、相続人となる親族の皆さまへ手続の連絡・説明の代行
3、相続人の話し合いの結果に基づく「遺産分割協議書」を作成
4、「遺産分割協議書」に基づいて、預貯金や株式の相続手続を迅速・確実に実施
といった具合に
「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)」と
「預貯金や株の相続手続」だけをしてください!
といったご依頼をいただくことも可能です。

そして、気になる費用のお話ですが、
正直、フルサービスをご依頼いただいた場合でも
かなり低価格でご提供できていると自信を持っていますが
これが、一部サービスのみのご依頼となるとさらにお安くなります。

ここは文字でご説明するよりも
実際のお見積書をご覧いただく方が早いかと思いますので、
1、「戸籍謄本などの相続証明書の収集(法定相続情報の作成)」だけを行うケース
2、「預貯金や株の相続手続」だけを行うケース
の2つのお見積書をご紹介させていただこうかと思います。
ご家族が亡くなられて心身ともに辛いときに
期限を守りながら、漏れなく様々な手続をしなければならない。
そんな複雑な手続について、ご親族に説明をして協力を求めなければならない。
ちょっとした説明不足や行き違いで感情的な対立をしてしまわないようにと
非常に気を使うのが相続手続です。

すべてをご自身で抱え込んでしまわず
上手く専門家のサポートも利用しながら
相続を乗り越えていきたいですね。

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
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 まずは一度無料相談をご利用ください。

マイホームを買う時にかかる司法書士費用とその裏側

おはようございます!

日本のみならず、世界中で低金利が続いていますね!
住宅ローン金利もかなり低下していて、
ネット系銀行の変動金利では年0.4%台のものまで出てきています。

住宅ローンを借りると、ローン残高の1%を所得税・住民税から引いてくれる
住宅ローン減税制度を受けられるので、
単純比較すると、借りれば借りるだけお得ということになります。

もちろん、マイホームを買うと、固定資産税、火災地震保険料、修繕費など
賃貸のときにはかからなかった費用も発生するので
単純比較はできませんが、
マイホームを購入する人にとっては
かなり追い風が吹いているのは間違いないかと思います。

そこで、
今まさにマイホームを購入しようとしている人
将来的にマイホームの購入を検討している人
そんな人の周囲にいてアドバイスをしてあげれる人
には、ぜひ知っていて欲しいお金のハナシをしたいと思います。

マイホームは非常に大きな買い物なので、
金額も数千万円になることが普通です。

マイホームを購入するときにかかる費用としては
・売買代金(大半はローンで支払うことが多いです。)
・収入印紙代(売買契約書やローン契約書に貼付する収入印紙の費用で、税金です。)
・仲介手数料(だいたい売買代金の3%くらいです。)
・ローン手数料(ローン契約に伴う金融機関へ支払う手数料です。)
・固定資産税・都市計画税の精算金(売主さんが負担していた不動産に関する
 1年分の税金を日割計算して、引渡し日以降分を買主さんが支払います。)
・不動産取得税(不動産購入後、1回だけ支払う必要のある税金です。)
・登記費用(購入した不動産の名義変更するために必要な費用です。
 司法書士が行う手続費用なので、司法書士費用ともいわれます。)
・引越し費用
・家具購入費用
などが挙げられますが、
短い期間に色んな費用を支払う必要があり、
しかも、それぞれが高額なので、
次第に金銭感覚がマヒしてきて
1万、2万くらい誤差のような感覚になってきます。

普段の金銭感覚で、
支払金額が1万や2万高いと、「えっ!」って、なるかと思いますが、
マイホームの購入となると、
多くの人が平気で無駄な費用を払ってしまっていたりします。

決して詐欺に遭っているという話ではなくて、
情報不足であるために、
比較検討をすることもなく、
言われるがままの費用を支払ってしまっているということです。

今日は
たくさんある費用の中でも
司法書士事務所ならではの観点から
登記費用(司法書士費用)について
少し司法書士業界の裏側にも踏み込んで、詳しく書いてみようと思います。

登記費用の見積書を見たことがない人も多いかと思いますので
弊所の見積書をサンプルとして、解説したいと思います。

まずは練習台として、
1つ目の見積書です。
買主さんが住まいとして使わない中古不動産を、
ローンを利用せずに購入するケースの登記費用です。
なお、わかりやすさを重視して、土地も建物も固定資産評価額は1,000万円としています。
合計金額が416,886円となっています。
結構かかるな…という印象ではないでしょうか?
詳しく解説していきましょう!

「種別」の欄には、費用の種類がわかるように記載されています。
「報酬額」の欄には、費用の種類に対応する報酬額が記載されています。
これが司法書士の収入になる部分ですね。
「登録免許税又は印紙税」の欄には、費用の種類に対応する税金や実費
が記載されています。
不動産の名義変更をするためには、登録免許税という税金を国に納める必要があり、
実際の納付は、司法書士がお客さまに代わって法務局へ納付することが一般的です。
また、司法書士は名義変更の手続のために実費の立替えを行っています。
そのため、
登記費用(司法書士費用)には、
「登録免許税又は印紙税」の欄のように
司法書士の報酬部分以外である
税金納付や実費部分となる預り金を含むことが一般的です。

つまり、
この見積書では
司法書士の収入となる報酬部分が、58,500円
税金・実費部分が、352,536円ということですね。

そして、
皆さんに是非注目していただきたいのが、
丸印をつけさせてもらった「報酬額の小計」の部分です。

この部分は司法書士事務所によって、
同じ手続だとしても金額が違うからです。
(逆に、税金・実費部分は司法書士事務所によって差が出ることは基本的にありません。)

言い換えると、安い報酬の事務所と、高い報酬の事務所があるということです。
そして、値段の差とサービスの質とは比例するのかというと、
意外と関係ないことが多い印象です。
高くてもサービスが悪いところもあれば、
安くてもサービスの良いところもあります。
もちろん、値段の差のとおり。ということもあるかと思いますが、
値段が高いから、ちゃんとした事務所というのは間違った認識だと思います。


さて、
2つ目の見積書を見てみましょう。
買主さんが住まいとして使う中古不動産(いわゆるマイホーム)を、
2,000万円の住宅ローンを利用して購入するケースの登記費用です。
なお、こちらも先ほどと同条件の
土地も建物も固定資産評価額は1,000万円としています。

こちらの内容の方が
多くの方に当てはまるかと思いますので、ぜひご覧ください。
合計金額が314,486円となっています。
さっきより安いですね!
では、どこに注目すれば良かったでしょうか?
先ほどの解説を読んでいただいた人なら、
もうお分かりですよね?

詳しく解説していきましょう!

まず、
「報酬額の小計」は99,500円です。
さっきより報酬部分が高くなりましたね。
これは、種別として「抵当権設定」と「住宅用家屋証明書」の項目が増えたからです。

ローンを利用する場合には「抵当権設定」の手続が必要になることが一般的です。
また、住まいとして使う家屋を購入する場合には、
登録免許税が軽減される制度があり、
その制度の適用を受けるために「住宅用家屋証明書」の取得手続が必要となります。

つまり、
手続が増えたことに伴い、報酬額は増えたけれども、
税金・実費部分は減税効果によって安くなったということです。


さて、
ここまで読んでくださった皆さんであれば
登記費用(司法書士費用)の見積書の見るべきポイントは分かっていただけたと思います。

しかしながら、ここで1つご注意いただきたいのです。

マイホームを購入する際、
多くの場合は、不動産業者や金融機関の担当者の方から
司法書士事務所を紹介されることが多いかと思います。
あるいは、特に紹介されることもなく知らないうちに
ある司法書士事務所と半ば決められていることもあるかもしれません。

業界内では、
そういった司法書士事務所を「指定司法書士」と言ったりしますが、
費用について比較検討される場面が少ないこともあり、
割と高めの報酬設定とされていることがあります。

詳しくは、別の記事で書かせていただこうかと思いますが、
本来の手続費用ではないコストが上乗せされていることもあります。
違法なものでは、バックマージンという
紹介や指定を受ける見返りに、紹介者へ支払う紹介料が
上乗せされていることもあります。
(もちろん、見積書にバックマージンみたいな項目は記載されません。)

費用を支払う皆さんにとって
メリットをもたらさない費用を余分に支払っているとするともったいないですし、
単純に費用が安くなるのであれば、その方が良いに決まってますよね。

ですので、登記費用(司法書士費用)については、
キチンと見積書を確認してみてください。

安い費用で対応してくれる司法書士事務所に依頼したいのであれば、
紹介や指定をされた司法書士事務所に依頼をしないということも可能です。
どの司法書士事務所に依頼するかは、皆さんの自由なのですから。

私の感覚としては、
この情報を知っているだけで、
費用が5万円程度安くできるのではないかと思います。

5万円あったら、
新生活に必要なモノの買い物ができたり、
旅行の足しにしたり、
大切な奥さまにプレゼントもできますよね!

奥さまへのプレゼントは、
5万円では全然足りないと言われる可能性もありますが…(笑)

お給料を5万円多く稼ぐのは大変ですが、
登記費用(司法書士費用)の見積書をキチンと確認するだけであれば簡単だと思います。

ぜひ、知っておいてください!


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
 平日だけでなく、土曜日や日曜日も朝8時30分から夜9時までご相談可能
 明るく穏やかな雰囲気の事務所です。
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レターパックの料金改定と返信用封筒

おはようございます!

ついに消費税率が10%になりましたね。
消費増税がされるまで紆余曲折がありましたが、
増税分は、国民のために、本当に有意義に使って欲しいですね!

さて、今日は司法書士が普段よく使うレターパックについての備忘録です。
知識をアウトプットして、しっかり覚えておかないと
ついつい、旧レターパックをそのまま使ってしまいそうなので…(笑)

消費増税に伴って
レターパックプラス(赤い510円だったヤツ)と
レターパックライト(青い360円だったヤツ)も値上げがされました。

レターパックプラスが520円、レターパックライトが370円ですね。

(郵便料金改定について)
https://www.post.japanpost.jp/service/2019fee_change/index.html


司法書士事務所では登記申請の際に
法務局からの返却書類を郵送で受け取るために
返信用封筒としてレターパックを法務局に提出することが非常に多いです。

ところで、登記手続は、その申請を受け付けた後、
法務局で書面審査を行いますので、処理に数日かかることになります。

じゃあ、9月末に登記申請をした際に
返信用封筒として、レターパックプラス(510円)を提出した場合、
返信用封筒を使って書類を発送するときには改定後の料金になっているから、
どうなるんだろう?

郵便局の職員さんに確認してきました!

“10月1日以降に受け付ける旧レターパックについては、
料金不足ということになります。
そして、不足分受取人払いの処理をすることはできないので、
そのままでは発送することができない。
ということになりますね。”
とのこと!

念のため、法務局にも確認をしてみました!
HPにお知らせがありました!

(郵便料金の変更に伴う登記事務及び供託事務の取扱いについて)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000029.html


なるほど!

9月末までに登記申請が受付られたものについては、
返送時期が10月になっても旧料金でOKとのこと。
(法務局が10円切手貼ってくれるのかな?)

ただし、10月以降の受付分については、
郵便局の職員さんが言うとおり
不足分は司法書士さんが負担してくださいねとのこと。
(10円切手を法務局に持ってきてとか、郵送してとか言われるのかな?)

弊所には、旧レターパックがたくさん置いてあるので
これは油断すると、料金不足になってしまいそうだなぁ…汗
この際、10円切手をたくさん買って
先に貼っておこうかとも思ったりしてます。

同業者の皆さま、レターパックを良く使われる皆さま、
どうかご注意ください!!


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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機械設備や在庫などの動産に対する担保権を創設する動きが出てきました

おはようございます!

弊所の取扱い業務でもある「動産譲渡登記」について
先日、日本経済新聞に気になる記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事(9月6日付)
(担保権を動産にも設定 法務省、機械・在庫対象に)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49481830V00C19A9MM8000/


動産を担保として取得する方法として、
不動産に対する抵当権、根抵当権、質権などのように
法律上認められた新たな担保権(物権)を創設しよう
と検討しているとのことです。

現在、融資の担保として動産を差し入れる方法として一般的なものとして、
「質権」や「譲渡担保」という方法があります。

まずは、質権ですが
これは質屋さんをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
融資を受ける人が所有するモノ(動産)を質屋に引き渡す代わりに融資を受け、
もし返済がされない場合には、そのモノ(動産)を売却して返済を受けたり、
そのモノ(動産)の所有権を質屋がもらい受ける(いわゆる質流れ)
というような方法です。

しかしながら、質屋で取り扱うような物品であればまだしも
事業者の保有する機械設備や大量の在庫となると異なる手法が必要です。
なぜなら、これらのモノ(動産)は普段の事業経営に必要なモノですので、
誰かに引き渡してしまうと事業経営ができなくなるからです。

そんなときには
譲渡担保という方法を取ることになります。
譲渡担保というのは、事業者が保有する機械設備や在庫などの所有権だけを
融資を行う金融機関に移す方法のことをいいます。
この譲渡担保を使えば、
融資を受けた後も、事業者は機械設備等を手元に置いて使い続けることができますし、
万が一返済が滞ったときには、
融資を行う金融機関も、機械設備等を売却して返済を受けることができます。

ただこの場合、担保に差し入れた事実が第三者から分かりにくい点が問題で、
ある機械設備を担保に融資したはずが
別の金融機関がすでにその機械を担保に融資していて
2つの金融機関同士で譲渡担保が成立した時期をめぐって争うといった
事態が生じることを恐れ、融資に二の足を踏むことが想定されたため、
現行法「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」において
機械設備などの動産の譲渡担保について登記をすることで、
担保に差し入れた事実やその時期を第三者に明確に知らしめることを可能にしています。

この動産の譲渡担保を活用した融資方法(ABL)は
2000年代から利用は増加してきましたが、近年は件数が2年連続で減少し
利用が伸び悩んでいる状況にあります。
金融緩和でカネ余りが続き、
金融機関が機械や在庫をあえて担保にする必要性が薄れていたり
現行の動産譲渡登記制度のもとでは
不動産抵当権のように第1、第2順位といった担保の優先順位のルールが不明確だったり
登記制度以外の方法をとる優先者が存在する可能性についても注意か必要だったりと
使いづらい点が普及を妨げているともいわれています。

一方で、将来、景気が悪化するなどして融資が受けにくい市況となれば、
ふたたび企業がABLを利用するニーズもふくらむことが予想されます。

そのため、法務省は今年3月に研究会を立ち上げ、
動産を対象にした担保権を法制化する議論を始めています。
法務省は早ければ2020年秋に民法などの改正を法制審議会に諮問する見通しです。
法務省の研究会では、機械や在庫などを対象とした担保権を法制化すると同時に
新たに登記制度を設ける案などを検討しているようです。

在庫など担保の対象となるものが入れ替わり、量も変動するモノを
担保の対象としてどのように特定して登記を可能とする仕組みとするのか
担保に差し入れた事業者が倒産した時の新たな担保権の取り扱いなども含めて
検討されるようです。

金融機関のご担当者よりご相談いただくことも多い
動産の譲渡担保に関する仕組みについては、
個人的には、以下の仕組みを含んだ制度としてくれることを期待したいですね。
1、一定の動産の担保取得については、その優先順位の決定基準を登記に一本化
2、工場抵当法には存在するような不動産担保と連動させる仕組み
3、大量の動産を一括して担保権設定できる仕組み


良ければ、動産譲渡について書いた関連記事もご覧ください。
「2019.3.9付-動産譲渡登記に関する証明書について」


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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お仕事には欠かせないアレ

おはようございます!

9月も終わりに近づき
夏から秋へ
すっかり涼しくなってきましたね!

今日は私が日々お仕事に取り組む中で
欠かせないアレについて書いてみようかと思います。

アレとはコーヒーのことなんですが、
毎朝出社前に
お仕事の途中に
夕食後にと
コーヒーを良く飲みます。

20代の頃は、たまに缶コーヒーを飲むくらいだったんですが、
高校時代の友人が開店した珈琲店のコーヒーが美味しくて
以来すっかりコーヒーにハマってしまいました。

豆の種類や挽き方、焙煎方法によって異なるコーヒーの味に
コーヒーの世界はこんなに深いのかと思いつつ
季節や気分によって種類を変えながら、
コーヒーをいただいています。

手続書類のチェックなど、集中力が必要な仕事をするときや
依頼者の皆さまに喜んでいただける新サービスのアイデアを出すとき
一息ついて少しリラックスするとき
などなど、いつもコーヒーが欠かせません。


皆さんにも「お仕事には欠かせないアレ」ないでしょうか?
良いものがあれば、ぜひお聞かせいただきたいですね。


最後に、少し宣伝になってしまいますが、
とても美味しくてオススメなので
例の高校時代の友人の珈琲店の情報を貼っておきますね。

【cafe matin(カフェ マタン)】
(URL)http://matin-coffee.com/?mode=f2
(TEL) 072-726-2266
(OPEN) 8:00 ~ 19:00
(定休日) 第3木曜日
(アクセス)
〒562-0035 大阪府箕面市船場東1-2-20 ウォールマンビル3F
[ バスでお越しのお客様 ]
千里中央駅から阪急バスで10分(最寄りのバス停は新船場北橋になります。)
[ 車でお越しのお客様 ]
・提携駐車場 
当ビル・南側の「大和ハウスパーキング」、「セレパーク」、北側の「ザ・パーク」
をご利用頂いたお客様には駐車券のご提示で北摂焙煎所オリジナルドリップパックを
1組様につき1つサービスをさせて頂きます。

ご興味があれば、一度お試しください。


今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


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司法書士 山内勇輝

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離婚等で姓が変わったら(子の氏の変更手続)

おはようございます!

先日、私の親族が住んでいる名古屋に行く機会がありまして
そこで弊所のホームページの話になりました。
私の母が、知人に「息子が司法書士をしている。」と話しているようで、
その知人の方が弊所のホームページを見てくださったようです。
中でもブログの記事の内容が役に立つと言ってくださっているようで
それを母を通じて知った私はとても嬉しくなってしまいました(笑)

弊所のホームページを見てくれている多くの方々の
お声をいただく機会はそれほど多くありませんので、
そういったお声が私の耳に入ってきたことは、非常に励みになります!

「豚もおだてりゃ木に登る」という言葉もありますが、
そういったお声を励みに、これからもブログ記事で有益な情報を
皆さんにお届けできればと思っていますので、
これからもどうぞ応援のほど宜しくお願いいたします!


さて、司法書士のオシゴトの中には
「裁判所へ提出する書類の作成」というものがあります。

同業者や他の士業などの間では、常識のように思われていますが、
一般のお客さまにおいては、意外と知らなかったという方もいるようです。

そこで、
今日は裁判所へ提出する申立書の作成に関連して
1つ記事を書かせていただきます。


今日のテーマは「子の氏の変更許可申立て」です。

どんなときに必要な手続なのか
少し分かりにくいかもしれませんので、
具体的なケースをあげてご説明しますね。


【1、父母が離婚して、母の姓(氏)が結婚前の姓(氏)に戻ったケース】

父母が離婚して、母の姓が結婚前の姓に戻ったとき(復氏)、
父母の間に生まれ、結婚時の姓を名乗っていた子が
母が親権者に定められたことに伴って、母に引き取られることになった場合でも
子の姓は、当然に母の姓にはならず、父の姓のままとなります。

そして、戸籍はどうなるかというと、
原則、母は復氏したことにより、結婚前の戸籍に戻る(復籍)ことになります。
一方、母の両親が亡くなっているなどして復籍する戸籍がなかったり
母自身が筆頭者となる新戸籍編成の申し出を行うと
母自身だけが入る新戸籍が編成されることになります。
ちなみに、子は父の戸籍に残ったままとなります。

戸籍は「夫婦および夫婦と氏を同じくする子」や
「配偶者がない者およびその者と氏を同じくする子」が編成単位ですので、
母とその子は親子であっても、
姓(氏)が異なっているままでは、同じ戸籍に入ることができません。

このままでは、母と一緒に生活するうえで支障が出てきてしまうので、
法律は、子の姓(氏)を変更する手続を用意しています。

(民法791条)
“子が父又は母と氏を異にする場合には、
子は、家庭裁判所の許可を得て、
戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、
その父又は母の氏を称することができる。”


つまり、このケースで、
母と子が同じ姓(氏)を名乗り、同じ戸籍に入るためには、
(1)母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)
(2)子の氏の変更について、家庭裁判所の許可を得る。(子の氏の変更許可申立て)
(3)戸籍法の定める届出をする。(市区町村役場への入籍届)
これら3つの手続を行う必要があるということになります。


続いて、具体的な手続の方法についても解説していこうと思います。

(1)母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)

離婚届の項目に「婚姻前の氏にもどる者の本籍」というものがありますが、
この中の「新しい戸籍をつくる」にチェックをして必要事項を記載すればOKです。
(これが、先ほど記述した新戸籍編成の申し出というものです。)

ちなみに、離婚後に旧姓を名乗ることとした場合、
両親の戸籍に戻ること(復籍)もできますが、
それでは、子は母と一緒の戸籍に入ることができません。
母の親、母、子の三世代が同じ戸籍に入ることは認められていないからです。

そのため、母と子が同じ戸籍に入ることを目指すのであれば、
最初から母の新しい戸籍を作る(新戸籍編成)をしておくことになります。


(2)子の氏の変更について、家庭裁判所の許可を得る。(子の氏の変更許可申立て)

子の姓(氏)は自動的に変わることはなく、
無許可で変更することもできないので、
家庭裁判所に申立てをして、子の氏の変更について、許可をもらうことになります。

1、申立てをする家庭裁判所(管轄裁判所)

「子」の住所地を管轄する家庭裁判所です。
多くの場合、母と同じ住所地だとは思いますが、
あくまでも「子」の住所地の家庭裁判所が管轄であることにご注意ください。


2、申立てをする人(申立権者)

子自身です。
(子が15歳未満のときは、法定代理人。つまり、親権者である母です。)
15歳未満の子の姓(氏)を変更するために、
親権者ではない方が代理人として申立てはできません。
この場合、親権者に協力してもらう、子が15歳になるのを待つ等の対応が必要です。


3、申立てに必要な費用

・収入印紙800円分(子1人につき)
・郵便切手(管轄の家庭裁判所に電話確認して、用意します。)
・(司法書士等の専門家に依頼する場合)その報酬


4、申立てに必要な書類

・申立書(申立人の印鑑を押印します。)
・申立人(子)の戸籍謄本(全部事項証明書)
・父母の戸籍謄本(全部事項証明書)
 ※父母の離婚の記載のあるものが必要です。
 ※戸籍謄本は一般的に発行後3ケ月以内のものが必要です。
 ※このケースでは、子の戸籍謄本と父の戸籍謄本は同じ書類になりますので、
  1通のみで足ります。


5、申立て後の流れ

申立てがなされた後、
家庭裁判所では、子の氏の変更が「子の福祉や利益に適うのか」について審理します。
たとえば、親子の姓が異なることになった理由、申立ての動機、姓を変更する必要性
その他関係者の意向などを踏まえて、判断(審判)をすることになります。

ちなみに、今回のケースのように、父母の離婚が理由の場合には、
簡略な書面審理のみで、
即日~1週間程度で、許可する判断(審判)がなされることが一般的です。


(3)戸籍法の定める届出をする。(市区町村役場への入籍届)

子の氏の変更を許可する審判がされた場合、
家庭裁判所から「許可審判書の謄本」が郵送されてきますので、
これを添えて、市区町村役場へ入籍届を提出することになります。

1、届出をする市区町村役場(管轄)

子の住所地または本籍地の市区町村役場の戸籍担当です。


2、届出をする人

子自身です。
(子が15歳未満のときは、法定代理人。つまり、親権者である母です。)


3、届出に必要な書類

・入籍届(届出人の印鑑を押印します。)
・家庭裁判所から郵送された「許可審判書の謄本」
・子の戸籍謄本(全部事項証明書)
・子が入籍する母の戸籍謄本(全部事項証明書)
 ※提出先となる市区町村に本籍がある場合は、戸籍謄本は不要です。
  提出が必要な場合は、家庭裁判所への申立て用に取得する際に、
  余分に取得しておくと良いですね。


これで手続完了です!


【2、父母が離婚して、母が旧姓ではなく結婚時の姓をそのまま名乗るケース】

このように、結婚した際に姓(氏)を改めた母が
旧姓ではなく結婚時の姓をそのまま名乗ることを
「婚氏続称(こんしぞくしょう)」といいます。

離婚届の提出と同時、
あるいは離婚の日から3ケ月以内に市区町村役場に届け出ることで、
婚氏続称ができます。

婚氏続称をした場合、母の姓と子の姓は同じなので、
家庭裁判所の許可を得なくても、
母の戸籍に子を入れることができるように思われるかもしれませんが、
法律上、別の姓(氏)と解釈されているため、
【1】のケースと同様の手続が必要となります。
詳しい手続は、【1】の内容を見てくださいね。


その他、離婚によるケース以外にも、
いわゆる連れ子のある父母が再婚したケース
父母が養子縁組をしたり、養子縁組をやめたり(離縁)したケース
父に認知されたケース
父母の一方が死亡後、生存当事者が復氏したケース
などなど、子の姓(氏)が父母と異なってしまうケースがあり、
上記同様に子の氏の変更手続が必要となるので、注意が必要です。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

※へいわ法務司法書士事務所は、大阪上本町駅・谷町九丁目駅から徒歩1分
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銀行の休眠口座に口座管理手数料がかかる!?

おはようございます!

弊所の得意分野の1つである相続手続に関して
最近、お客さまより良くお問合せいただくご質問で
「残高の少ない預金口座を相続したんだけど、放置しておいても構わないですか?」
というのがあります。

これに関して、
下記のとおり、8月21日付日本経済新聞電子版に記事が掲載されました。

日本経済新聞電子版記事
(銀行、休眠口座に手数料案浮上 マイナス金利を転嫁)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48817210R20C19A8EE9000/

以下引用。

“個人の預金口座にマイナス金利を課す動きが欧州で広がり、
邦銀でも経営の検討課題として浮上してきた。
中央銀行のマイナス金利政策が長期化し、
収益の先細りが懸念される事態は日欧で変わらないためだ。
マネーロンダリング(資金洗浄)対策などで口座管理に要する負担も増す。
入出金が長く止まった休眠口座に一定の手数料を課す案が有力との見方もある。”

“そこで銀行業界が現実的な選択肢として注目するのは、
入出金が長期にわたって止まり、休眠状態にある預金口座から
口座管理手数料として毎年一定額を取る案だ。”


法律の専門家の目線から言いますと
残高の少ない預金口座であっても相続財産である以上、
相続人全員での遺産分割協議を経る必要があるところ、
相続発生から相当期間年月を経てから、相続人間で遺産分割協議を行うことは
相続人の高齢化、認知症、死亡による相続人の増加などにより
困難が伴う可能性があります。

したがって、少なくとも早い段階で、遺産分割協議によって
「誰がその預金を相続するか」までは決めておく必要があります。

また、相続に伴う預金の名義変更・解約払戻し手続について、
相続人の6カ月以内の印鑑証明書を提出するよう求める金融機関が一般的です。
そのため、協議成立後、速やかに手続を行わなければ
改めて、相続人へ印鑑証明書の再提出を求めたりする等
手間をかけてしまうことになります。

これに加えて上記の記事のような話も出てきたのであれば、
「残高の少ない預金口座であっても、放置することは望ましくない。」
ということになるかと思います。


もちろん、最終的にはお客さまご自身が判断することではありますが、
適切な情報のもとで、ご判断いただけるようアドバイスすることが
我々専門家の役割だと考えています。

少し宣伝になってしまいますが、
弊所では、一般的な司法書士事務所が行う不動産の相続登記以外にも
預貯金、株式、投資信託、保険、自動車、その他各種遺産について、
弁護士、行政書士、税理士等の専門家と連携しつつ
低価格で相続手続を行うサービスを提供しております。


ご自身で相続手続ができない場合は、こういったサービスも活用しつつ、
スムーズに相続手続を進めていきたいものですね。


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司法書士 山内勇輝

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根抵当権の債務者の住所氏名変更更正は登記原因証明情報のPDF不要?

おはようございます!

いきなりですが…
長年このお仕事をしていると、
司法書士の友人から質問や相談を受けることが多くなってきました。
「アイツなら何でも答えてくれるぞ。」みたいな噂が広がっているのか、
年々、相談件数が増えているような気が…

これまでは只々優しく答えていただけだったのですが、
せっかくなので、今後、よくある相談内容をこのブログに掲載していこうかと思います。

もちろん、個人情報やプライバシーに関する情報は完全に伏せております。


今回のテーマは、オンライン申請時に添付するPDFについてです。

最近は、オンライン申請を推進するため、
法務局も対応を少し柔軟にしてくださっているようで、
PDFの添付漏れや軽微な誤記などについては、
それのみで却下の対象とすることはないそうです。

しかしながら、
登記原因証明情報のPDFの添付が必要なのか否か?
また、何を添付すべきなのか?
については、司法書士であれば全員が気になるところではないでしょうか?

先日、司法書士の友人から質問があったのは、
所有権や(根)抵当権などの登記名義人住所氏名変更更正の登記については、
登記原因証明情報のPDF添付が不要なのは知っているけど、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、同様なのだろうか?
という内容でした。

答えは、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、
登記原因証明情報のPDF添付が不要です。

まずは、条文を確認してみましょう。

登記原因証明情報のPDFの添付を要求する根拠条文は
不動産登記令附則5条4項です。
内容を要約すると、
5条1項の規定によるいわゆる特例方式による添付書面の提供方法を採用する場合、
法務省令で定めるところにより、
申請情報とあわせて電磁的記録(PDF)を提供しなければならない。
ということになっています。

そして、
法務省令(不動産登記規則附則22条2項)では、
不動産登記法64条の登記以外の登記について、
電磁的記録(PDF)の提供は、登記原因の内容を明らかにする部分についてすれば足りる。
とされています。

不動産登記法64条の登記とは、
いわゆる名変・名更登記(登記名義人の住所氏名の変更更正登記)と
抵当証券が発行されている場合の債務者の住所氏名の変更更正登記のことですね。

したがって、条文を見る限りは
登記名義人住所氏名変更更正の登記については、
登記原因証明情報のPDF添付が不要なのは明らかだけど、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記については、
不要かどうか分からないというところです。

そこで、先例の調査です。
「平成20・3・19民二950」で同様の事案についての先例があります。
要旨としては、
不動産登記令附則5条1項の規定による
(根)抵当権の債務者の氏名もしくは名称または住所についての
変更の登記または更正の登記の申請において、
市長村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を
登記原因を証する情報とする場合には、
同条4項の規定に基づく書面に記載された登記原因を証する情報を記録した
電磁的記録の提供がないときであっても、
不動産登記規則附則22条2項に規定する不動産登記法64条の登記に準じて
受理して差し支えない。
とされています。

その結果、
(根)抵当権の債務者の変更更正登記についても、
登記原因証明情報のPDF添付が不要です。
となるわけですね。


余談ですが、
私の事務所のある周辺の法務局では、
上記のような登記申請を行う際、
法人の本店や商号等の変更更正を証する登記原因証明情報として
会社法人等番号を提供することで、
履歴事項証明書の添付は不要とされています。


いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでくださる皆様のお役に立てたならば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、有難うございました。


へいわ法務司法書士事務所
司法書士 山内勇輝

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